文書質問 障害者の余暇活動支援について・地域における多様な居場所確保事業について 原のり子(北多摩第4(東久留米市、清瀬市)選出)
2025年第1回定例会で以下の文書質問を提出しました。
2025年第1回都議会定例会
文書質問趣意書
提出者 原のり子
質問事項
一 障害者の余暇活動支援について
二 地域における多様な居場所確保事業について
答弁
一 障害者の余暇活動支援について
二 地域における多様な居場所確保事業について
障害者の余暇活動支援について、これまで数回にわたり質問してきました。誰にとっても、人間らしく生きていくうえで余暇は必要不可欠であり、重要です。しかし、障害者にとって、安心して過ごせる場所や楽しい経験をする機会は十分あるとはいえず、意識的にそういう場や機会をつくっていくことが欠かせません。東京都は、包括補助により区市町村を支援していますが、活用が大きく広がっているとは言えない状況です。
東久留米市においても、市議会で請願が趣旨採択されているもとでも、実現に至っていません。東久留米市の2026年度からの障害者福祉計画についてのパブリックコメントで、青年成人期の余暇支援について切実な声が出されています。市の回答では、都の包括補助はあるが、市負担があるため財政状況から実施が難しく、市長会を通じて東京都に補助の拡充を求めて意見をあげている、と述べています。実施したいと思っている自治体が、財政事情から実施できないという声に応え、広域自治体である東京都は支援の充実を進めるべきです。
以下質問します。
1 都は、障害者の余暇活動の重要性をどのように認識していますか。
2 都がおこなっている包括補助での支援の内容をうかがいます。
3 高等部を卒業したとたん、放課後等デイサービスが無くなり、日中活動や仕事後の居場所が無くなります。青年期になってからも、安心できる場で人と交流し、自分の好きなことに取り組んでいくことがますます大事なのに、そういう機会がなくなってしまうことは重大な問題です。また、保護者の方が仕事を続けられなくなるとの切実な声も聞かれます。放課後等デイサービスに見合っただけの、青年期の余暇支援の場が必要です。現在、放課後等デイサービスは全都で何か所ですか。
4 現在、包括補助を活用している区市町村の数と、具体的な自治体名を教えてください。
5 さらに広げていくために、補助率を引き上げることを求めますが、いかがですか。
6 都としては、障害者の余暇活動支援が広がるために、どういう取組をしていきますか。
7 都として、国にどのような意見をあげていますか。
都内のどこに住んでいても、障害をもつ人たちが、障害者権利条約第30条にもとづき充実した余暇を過ごせるよう東京都が支援を強めることを求めます。
来年度予算案に、新規事業として提案された本事業は、地域の社会資源を活用し、不登校等の困りごとを抱えている児童の受け皿を創出するとともに、保護者や学校関係者等と連携し児童を支援する区市町村に対し補助する、と説明がありました。
不登校の子どもたちは、東京でも過去最多です。2019年度は16,068人でしたが、2023年度には、31,726人にものぼっています。どの子どもたちも楽しく通える学校づくり、先生の体制強化、少人数学級の実現などのとりくみとともに、不登校の子どもたちが安心して休んで充電でき、自分で動き始めることを見守っていくこともとても重要です。学校の外に安心できる居場所があり、信頼できる大人のサポートや、友達との交流があることが大切です。また、保護者に寄り添い、相談にのる支援も必要です。そうした観点から、この事業についての考え方や意義について以下質問します。
1 まず、補助の概要はどういうものか、うかがいます。
2 なぜ、福祉局で本事業を実施することにしたのですか。
3 教育庁など、他局との連携はどのように考えていますか。
4 周知はどのようにすすめますか。
5 学校に登校するようになったかどうかで「成果」をみるのでなく、安心して日々を過ごせているか、という視点を大切にし、継続して居場所が利用できるように求めますが、いかがですか。
2025年第1回都議会定例会
原のり子議員の文書質問に対する答弁書
質問事項
一 障害者の余暇活動支援について
1 都は、障害者の余暇活動の重要性をどのように認識しているか伺う。
回答
都は、様々な障害を有する方が、就労後や休日に、地域の人々と交流できる余暇活動の場の確保が進むよう、包括補助事業により区市町村を支援しています。
質問事項
一の2 都がおこなっている包括補助での支援の内容を伺う。
回答
都は、様々な障害を有する方が、就労後や休日に、地域の人々と交流できる余暇活動の場を確保する区市町村の取組を支援しています。
質問事項
一の3 放課後等デイサービスに見合っただけの、青年期の余暇支援の場が必要だが、現在、放課後等デイサービスは全都で何か所か伺う。
回答
都内の放課後等デイサービス事業所は、令和7年4月1日現在、1,338 か所です。
質問事項
一の4 現在、包括補助を活用している区市町村の数と、具体的な自治体名を伺う。
回答
包括補助事業のうち、青年・成人期の余暇活動支援事業について、令和6年度は17自治体に対して交付決定を行っています。
具体的には、港区、新宿区、墨田区、品川区、目黒区、大田区、世田谷区、中野区、豊島区、葛飾区、立川市、昭島市、町田市、東村山市、国分寺市、狛江市及び清瀬市です。
質問事項
一の5 さらに広げていくために、補助率を引き上げるべきだが、見解を伺う。
回答
都は、地域の実情に応じて青年・成人期の障害者の余暇活動支援に取り組む区市町村を、包括補助事業において補助率2分の1で支援しています。
質問事項
一の6 都として、障害者の余暇活動支援が広がるために、どういう取組をしていくか伺う。
回答
都は、余暇活動の場を確保する区市町村の取組を事例集にまとめて紹介するとともに、区市町村向け説明会において包括補助事業の活用を働きかけています。
質問事項
一の7 都として、国にどのような意見をあげているか伺う。
回答
都は、国に対し、青年・成人の障害者の交流・集団活動の支援など地域生活支援事業について、十分な予算措置を講じるよう繰り返し提案要求しています。
質問事項
二 地域における多様な居場所確保事業について
1 補助の概要はどういうものか、伺う。
回答
都は、地域における多様な居場所確保事業において、小学校の環境に馴染めず、学校を休みがちになった児童に一時的な居場所の提供を行う区市町村に対して、児童の見守りを行う支援調整員の配置等に必要な経費を支援することとしています。
質問事項
二の2 なぜ、福祉局で本事業を実施することにしたのか伺う。
回答
本事業では、保育所や児童館など地域の社会資源を活用した多様な居場所の提供を行う区市町村の取組を支援することとしています。
質問事項
二の3 教育庁など、他局との連携はどのように考えているか伺う。
回答
本事業では、児童の居場所に配置された支援調整員が、保護者や学校等と連携しながら見守りを行うこととしています。
質問事項
二の4 周知はどのようにすすめるか伺う。
回答
都は、区市町村の福祉主管部署や教育委員会に対して、本事業の活用を周知しています。
質問事項
二の5 学校に登校するようになったかどうかで「成果」をみるのでなく、安心して日々を過ごせているか、という視点を大切にし、継続して居場所が利用できるようにするべきだが、見解を伺う。
回答
本事業では、小学校の環境に馴染めず、学校を休みがちになった児童が安心して過ごせる居場所を、区市町村が地域の実情に応じて確保できるよう支援することとしています。