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質問・条例提案

2025.03.28

文書質問 都営住宅の建て替えとその跡地利用、島しょの特別養護老人ホームの大規模改修や改築、要介護高齢者のための施設 里吉ゆみ(世田谷区選出)

令和7年第一回都議会定例会
文 書 質 問 趣 意 書
提出者 里吉ゆみ

質 問 事 項
一 世田谷区内の都営住宅の建て替えとその跡地利用について
二 三宅島・八丈島などの特別養護老人ホームの大規模改修や改築について
三 医療ニーズの高い要介護高齢者のための施設について

答弁
一 世田谷区内の都営住宅の建て替えとその跡地利用について
二 三宅島・八丈島などの特別養護老人ホームの大規模改修や改築について
三 医療ニーズの高い要介護高齢者のための施設について


一 世田谷区内の都営住宅の建て替えとその跡地利用について

1  都営北烏山二丁目アパートと都営八幡山アパートの建て替えに伴う都有地の活用協議については、どちらも世田谷区からは福祉施設の要望があり、別途協議することになっていると聞いていますが、それぞれについて建て替えの進捗状況、創出用地の規模、および協議の時期について伺います。

 世田谷区内でも都営住宅の応募倍率は高く、多くの方から都営住宅に入りたいという相談を受けています。しかし都は都営住宅の新規建設を26年間行っていません。

2  都営代田一丁目アパートは、老朽化に伴い廃止されると聞いていますが、なぜ建て替えではなく廃止となったのですか。建て替える検討はしなかったのですか。

 地元では、立地のよい場所なので民間に売却されるという話がでていると、心配する住民の声を聞きました。

3 都営代田一丁目アパートが廃止されたあと、その都有地の活用については、どのように検討されるのですか。その検討方法について伺います。 また地元区である世田谷区が、福祉施設などに活用することは可能なのか、伺います。

二 三宅島・八丈島などの特別養護老人ホームの大規模改修や改築について

 三宅島と八丈島では、それぞれ特別養護老人ホームの老朽化が課題になっています。それぞれ法人では、改修や改築に向けての検討がされていますが、赤字決算が3年続いているため補助の対象にならない、大規模改修した後10年間は改修の補助金がでないなど、現在どちらの特養老人ホームも、補助制度が使えなかったり、資金調達が厳しい中、大規模改修も改築もできない状況です。 島での工事は資材をはじめ物価が高いため、特養老人ホームの改築などに伴う補助額の算定にあたっては、島しょ工事費指数を乗じた額で定められています。

1  三宅島の特養老人ホームでは、上限額まで補助を使ったけれど、金額が足りずに施設全部の改修はできませんでした。そのため島しょ工事指数の引上げが必要と思いますが、島しょ工事指数はどのように決めているのでしょうか。

2 島に対しての加算の増額が必要ではありませんか。 八丈島の特養老人ホームは、一番古い部分が築40年で、大規模改修などの検討が必要ですが、サービス活動増減差額が3期連続赤字のため、補助協議もできません。

3 法人からは、3期赤字でも運営維持できるだけの運転資金があれば、補助申請を認めてほしいと要望がよせられています。大規模修繕の補助申請の要件について見直しすることを求めますが、いかがですか。

 東京都離島振興計画(令和5年度~令和14年度)には、島しょでは、効率性や採算性の問題から、本土に比べて介護サービス事業者の参入が進みにくい状況にあること、高齢化率は本土と比べて高くなっており、当該地域の特性に配慮した取組を進めていく必要があること、特別養護老人ホームをはじめとした介護サービス基盤については、今後の高齢化の進展を踏まえ、更に整備を進めていく必要がある、との記載があります。

4 「さらに整備をすすめていく必要がある」が、実際には、三宅島と八丈島で、それぞれ島にただ一つしかない、特別養護老人ホームが、改築・改修が出来ずに困っている現状があることについて、都の認識を伺います。

5 民間法人だけの責任では、島で特養老人ホームの運営を続けることが厳しいとなれば、市町村総合交付金を増額するなど、都として財政的支援をするべきではありませんか。 島で暮らす介護の必要な方やその家族、関係者の方が島で暮らし続けるために、特別養護老人ホームはなくてはならない施設です。都としての対応を求めます。

三 医療ニーズの高い要介護高齢者のための施設について

1 要介護高齢者の方をご自宅で介護している方から、特養老人ホームに入居させたいが、医療的ケアが必要な方は受け入れることができないと断られて困っているという相談を受けました。区内の地域包括支援センターに話を伺いましたが、同じような相談が増えているとのことでした。高齢化が進む中で、医療ニーズの高い方を受け入れる高齢者施設は益々必要となるため、施設の体制支援は重要です。対策の強化を求めますがいかがですか。

2 都は医療ニーズの高い高齢者を多く受け入れている特別養護老人ホームや、介護医療院などに対して、現場の実態や課題についてヒアリングを行っているとのことですが、調査はどのような項目で、いくつの施設を対象におこなっているのか、伺います。

3 調査は、都の職員が行っているのか、また結果はいつ頃まとめるのか、あわせて伺います。

4 2024年度の介護保険の見直しの中で2025年度8月から介護医療院の多床室の室料負担を導入することとなりました。今回の改定では、負担軽減の対象となる低所得者については補足給付により利用者負担を増加させないこととなったが、今後、さらなる値上げが検討された場合でも、医療ニーズの高い利用者の負担増とならないよう国へ要望をあげることを求めます。見解を伺います。


令和7年第一回都議会定例会
里吉ゆみ議員の文書質問に対する答弁書 

質 問 事 項
一 世田谷区内の都営住宅の建て替えとその跡地利用について

1 都営北烏山二丁目アパートと都営八幡山アパートの建て替えに伴う都有地の活用協議について、それぞれの建て替えの進捗状況、創出用地の規模、および協議の時期について伺う。

回 答
 都営北烏山二丁目アパート及び都営八幡山アパートについては、それぞれ現在建替工事中です。
 各創出用地の規模については、それぞれ建替工事が完了した後、測量や分筆等を行い、用地の面積を確定していきます。
 創出用地の活用については、今後、区と協議を行うこととなっています。

2 都営代田一丁目アパートは、老朽化に伴い廃止されると聞いているが、なぜ建て替えではなく廃止となったのか。建て替える検討はしなかったのか伺う。

回 答
 都営代田一丁目アパートについては、区との協議や敷地形状、建築規制等を踏まえ、撤去することとしています。

3 都営代田一丁目アパートが廃止されたあと、その都有地の活用については、どのように検討されるのか、その検討方法について伺う。また、地元区である世田谷区が、福祉施設などに活用することは可能なのか、伺う。

回 答
 都営代田一丁目アパートの解体後の用地活用は未定であり、地元区の意見等も聞きながら、検討することとしています。

質 問 事 項
二 三宅島・八丈島などの特別養護老人ホームの大規模改修や改築について

1 三宅島の特養老人ホームでは、上限額まで補助を使ったが、金額が足りずに施設全部の改修はできなかった。そのため、島しょ工事指数の引上げが必要であると思うが、同指数はどのように決めているのか伺う。

回 答
 島しょ地域における老人福祉施設整備費補助においては、標準建物予算単価の島しょ工事費指数が準用されています。 この指数は、都が施行する島しょ地域における営繕工事の予算を見積るためのものであり、国が設定している指数に準じています。

2 島に対しての加算の増額が必要ではないか伺う。

回 答
 都は、島しょ地域における特別養護老人ホームの整備費補助の補助単価や補助上限額の算定に当たり、島しょ工事費指数を乗じた額としています。

3 法人からは、3期赤字でも運営維持できるだけの運転資金があれば、補助申請を認めてほしいと要望がよせられている。大規模修繕の補助申請の要件について見直すことを求めるが見解を伺う。

回 答
 補助金の交付に当たっては、事業主体として適格な法人であることが必要であり、都は施設整備費補助審査基準において、過去3期連続してサービス活動増減差額が赤字である場合は、補助が認められないと規定しています。

4 特別養護老人ホームをはじめとした介護サービス基盤については、今後の高齢化の進展を踏まえ、さらに整備をすすめていく必要があるが、実際には、三宅島と八丈島で、それぞれ島にただ一つしかない。特別養護老人ホームが、改築・改修が出来ずに困っている現状があることについて、認識を伺う。

回 答
 都は、介護サービス基盤の整備を促進するため、特別養護老人ホームの改築や大規模改修等の施設整備費補助を実施しています。 なお、島しょ地域については、整備費補助の補助単価や補助上限額の算定に当たり、島しょ工事費指数を乗じた額としています。

5 民間法人だけの責任では、島で特養老人ホームの運営を続けることが厳しいならば、市町村総合交付金を増額するなど、都として財政的支援をすべきではないか伺う。

回 答
 都は、島しょ地域の特別養護老人ホームの経営の安定化を図るため、経営支援事業補助金において、施設を運営する社会福祉法人に対し、島しょ加算を行っています。

三 医療ニーズの高い要介護高齢者のための施設について

1 高齢化が進む中で、医療ニーズの高い方を受け入れる高齢者施設は益々必要となるため、施設の体制支援は重要であり、対策の強化を求めるが見解を伺う。

回 答
 都は、特別養護老人ホームや介護医療院に対し、利用者の受入れに必要な医療・看護体制など現場の実態や課題についてヒアリングやアンケート調査を行っています。

2 都は医療ニーズの高い高齢者を多く受け入れている特別養護老人ホームや、介護医療院などに対して、現場の実態や課題についてヒアリングを行っているとのことだが、調査はどのような項目で、いくつの施設を対象におこなっているのか伺う。

回 答
 都は、複数の特別養護老人ホームや介護医療院に対し、利用者の受入れに必要な医療・看護体制や体調急変時の対応など、現場の実態や課題についてのヒアリングを行っています。

3 調査は、都の職員が行っているのか、また結果はいつ頃まとめるのか、あわせて伺う

回 答
 調査は、都の職員が実施しており、今後、取りまとめる予定です。

4 2024年度の介護保険の見直しの中で2025年度8月から介護医療院の多床室の室料負担を導入することとなった。今回の改定では、負担軽減の対象となる低所得者については補足給付により利用者負担を増加させないこととなったが、今後、さらなる値上げが検討された場合でも、医療ニーズの高い利用者の負担増とならないよう国へ要望をあげることを求めるが、見解を伺う。

回 答
 都は、介護保険サービスの利用者負担の見直しに当たっては、低所得者に配慮するとともに、利用者や保険者に過度の負担が生じないようにするよう、国に対し繰り返し提案要求しています。