本会議 竹内愛都議(板橋区選出)の一般質問
2025年12月10日の本会議で、竹内愛都議(板橋区選出)が一般質問を行いました。

<質問>
★質問全文(質問原稿です)
★動画(都議会ホームページです)
一、特別支援学校について
二、高島平のまちづくりについて
三、がけ・擁壁の安全対策について
(以下、質問原稿)
日本共産党、板橋区選出の竹内愛です。
一、特別支援学校について
最初に、豊かな学びを保障する障害児教育を求めて質問します。
私は、肢体不自由の都立特別支援学校の保護者の方から、お子さんが小学部4年生のころから学校に行けなくなっていったとの相談を受けてきました。会話ができるのに発語のない児童の学習グループに入れられ、おしゃべりする相手もなく、車いすに座る時間が長すぎて疲れてしまうこと、おむつが気持ち悪いと訴えても後回しにされたことなど、学校での嫌な思いの積み重ねで、次第に表情が硬くなり、行き渋ぶるようになりました。学校に連れて行こうとすると体を張って嫌がる子どもをどうすることもできず苦しかったと話してくれました。
今、小中学校では不登校の増加が注目されていますが、特別支援学校でも不登校になる子どもがいることはあまり知られていません。「障害児でも不登校になることを知ってほしい。そして寄り添った対応をしてほしい」ということが保護者の願いです。
Q1 知事は、特別支援学校でも、不登校の子どもがいることをご存知だと思いますが、どのように認識していますか。
Q2、文科省が行う「学校基本調査」では、長期欠席している児童・生徒の数を調べています。都内公立特別支援学校について、小学部・中学部・高等部ごとに長期欠席の総数とともに不登校の人数をそれぞれお答えください。
調査する中で分かったのは、特別支援学校でも不登校のお子さんが増えているということです。
Q3、学校基本調査の全国結果では、特別支援学校の不登校の人数は2014年度の338人から2023年度は1297人と、10年間でなんと約4倍にも増加しています。
東京でも同じような傾向と思いますが、人数が増えていることについてどのように認識しているのか、伺います。
なぜ、不登校になっているのか、現状を掴む必要があります。また、障害児ということで「障害があるから」と、不登校として認知されていないことも懸念されます。
Q4、特別支援学校の児童生徒の不登校の人数やその理由を、子どもや保護者に聞くことも含め、都として把握するべきですが、いかがですか。
障害のある子どもの状態は同じ障害種別でも一人ひとり異なるため、特別支援学校では個々の状況に応じたきめ細やかな教育ができる体制が整っているはずです。にもかかわらず、不登校の子どもが増加しているということは、その体制に課題があるということではないでしょうか。
都教委は2009年度から2017年度までに、肢体不自由特別支援学校の自立活動担当教員を大幅に削減してしまいました。
Q5、北区にある北特別支援学校の自立活動担当教員は、削減前の2008年度の旧基準では何人配置していましたか。また現在の配置人数は何人か、伺います。
現在の基準による自立活動担当教員の人数は、旧基準と比べ、中規模校の志村学園では10人、大規模校の光明学園では19人も少なくなっています。
一校で10人から20人近くも教員が減れば、教育に支障が出るのは当然です。そのしわ寄せを受けるのは子どもたちにほかなりません。
加えて、特別支援教育の経験のない小中学校や高校の教員が、1年または3年限定で特別支援学校に異動する制度が行われています。この教員は定数内にカウントされているため、受け入れる学校はさらに大変です。
障害のある子どもにとって、食事やトイレも大事な教育です。子どもの気持ちを尊重し、意欲を引き出しながら成長や発達を促す、専門性の高い教育を安定的かつ十分に保障できる体制を整えることは都教委の責任です。
Q6、自立活動担当教員を増やし、小中高等学校から期間限定で異動してきた教員は定数外とすることをはじめ、都立特別支援学校の教員を抜本的に増員すべきです。見解を伺います。
都教委は、自立活動担当教員を削減した代わりに学校介護職員を配置しています。しかし、非常勤である会計年度任用職員のため、専門性や経験の蓄積、継承の保障がなく、年度内に欠員も生じるなど、人材確保も課題となっています。
Q7、学校介護職員について、賃金の引上げや雇用年限の撤廃、昇給制度を設けるなどの処遇改善を行うとともに、正規雇用としていくことを求めます。見解を伺います。
子どもたちが楽しく学校に通え、成長や発達を保障するためには、ふさわしい施設整備が欠かせません。
板橋の志村学園では、肢体不自由の子どもが使用するトイレの洗面台の下に車いすが入らず、蛇口に手が届かないため、自分で手洗いをするという大事な教育の機会が損なわれていました。また、せっかくの屋内プールは、温水ではないことや夏場は日差しが強すぎるなど、使える日が限られています。こうした状況は志村学園だけではありません。
Q8、子どもたちの自立を阻害するような設備は改善すること、プールは自立活動に日常的に利用できる温水プールにすることを求めます。
Q9、どの子にも通学を保障することが必要です。
肢体不自由の子どもたちは原則スクールバスで通学していますが、毎日スクールバルに乗ることや、中学部でも15時まで学校にいることが負担になるお子さんもいます。
子どもの体調や状況に合わせて登下校しようとしても、保護者の送迎や付き添いがなければ、通学すること自体を諦めざるを得ません。
こうした児童・生徒にも福祉タクシーを含め、個別のニーズに応えるよう求めます。見解を伺います。
二、高島平のまちづくりについて
高島平まちづくりと三田線高島平駅の改善についてです。
私の地元・高島平はかつて東洋一といわれたURのマンモス団地がある街です。今、高島平まちづくりの名のもとに、賃貸団地の一部である7棟1955戸を解体し、小学校跡地にURが110メートル級の賃貸型タワーマンションを建設する計画の強行が狙われています。解体予定の地区に暮らす方の多くが年金生活です。高齢になって、住み続けられないことに不安と怒りが寄せられています。
また、学校跡地にタワーマンションを建設することを理由に、新たな道路整備も予定されていますが、緑道を分断する計画に反対の声が上がり続けています。住民を追い出し、居住環境を壊す計画の撤回を求めるものです。
この計画を前提に、高島平駅と団地周辺をつなぐペデストリアンデッキの建設も検討されています。区は昨年度から3か年かけてデッキ整備の基本方針・基本計画の検討を行うとしています。
高島平駅は改札口が地上階にあり、周辺からのアクセスも良好で、何のためにデッキを整備するのかが問われます。駅とつなぐというなら当然、都との協議が必要です。
Q1、ペデストリアンデッキの整備について、区との協議は行われているのでしょうか、お答えください。
今求められているのは、デッキ整備よりも、高島平駅のバリアフリー化です。
高島平駅は、四方から改札口を利用できますが、いずれも10数段の階段があります。東西にスロープがありますが、特に東口のスロープは位置が悪く距離もあるため、使いにくい状況です。
Q2、高島平団地から駅東口を利用するほとんどの方が段差の大きい11段の階段を上っていますが、都は、このことを把握しているでしょうか、伺います。
Q3、高島平駅を初め、利用者が多く、かつ便利な場所に、エレベーターやエスカレーターを急ぎ整備することを求めますが、いかがですか。
三、がけ・擁壁の安全対策について
危険ながけ・擁壁の安全対策についてです。
今年9月、杉並区内の住宅地で擁壁が崩壊する事故が発生しました。こうした事故は、いつ、どこで起きてもおかしくない状況です。板橋区が危険な擁壁として文書指導しているか所は、昨年度実績で危険度「大」が146件、危険度「中」を加えると660件に上ります。
しかしそのうち改善されたのは計8件で、相談件数50件に対し、工事助成はわずか1件です。板橋区は補修への支援として上限700万円の補助を行っていますが、自己負担が重く、新築や建て替え以外では、改善に至らないのが現状です。
私の地元地域でも、擁壁の一部が崩れ、大きな亀裂が入り、退避勧告が出ている場所がありますが、協議は難航しています。擁壁の周辺住民は日々怯える生活を余儀なくされています。
Q1、都は、危険な擁壁の改善が進まない現状について、どのように認識しているでしょうか、お答えください。
熱海での大規模な土砂災害を受け、国は盛土規制法を制定しました。都は同法に基づき、2024年7月31日から新たな規制を開始し、盛土対策のための補助金制度を創設しました。
しかし、都補助金は全都を対象にしているにもかかわらず、今年度の予算額はわずか130万円です。今までの補助制度含め、対策への支給実績はありません。
制度があっても、使えないのでは意味がありません。安全性の担保は重要ですが、使える制度に改めるべきです。
Q2、現行の都補助を使い勝手の良いものに見直し、上限額の引き上げとともに予算額の増額を求め、質問を終わります。
以上
