2016年第4回定例会・代表質問 12月7日

里吉ゆみ(世田谷区選出) 

築地市場の豊洲移転について
オリンピック・パラリンピックについて
保育園の待機児童解消について
国民健康保険について
震災対策について
「2020年にむけた実行プラン」と財政運営について

一、築地市場の豊洲移転について

 日本共産党都議団を代表して質問します。

 はじめに築地市場の豊洲移転についてです。
 この間、情報公開が一定進み始め、わが党が入手した資料と都議会における議論をとおして、新市場用地取得をめぐるお金の無駄使い、豊洲移転の無謀さがますます浮きぼりになってきました。
 まず、東京ガス豊洲工場跡地の土地取得をめぐる問題です。
 日本共産党都議団は、いっかんして東京ガス豊洲工場跡地には、深刻な土壌汚染があり、食の安全・安心を最優先にすべき市場用地としてふさわしくないにもかかわらず、石原元知事の指示で、強引に買収したものであることを指摘してきました。その経過の一端が、小池知事のもとで開示された、都と東京ガスの交渉記録から明らかになっています。

Q1 開示された交渉記録を見ると、都と東京ガスによる水面下のやりとりで、東京都の負担がふくれあがったことがわかります。
 土地価格や護岸整備費、土地区画整理事業負担金などについて、都の過大な負担が指摘されてきましたが、浜渦元副知事が東京ガスとの交渉に乗り出したときに、土地価格や開発者負担金のことは「水面下でやりましょう」ともちかけ、「株主には損をさせない」と約束しているのです。
 土壌汚染についても東京ガスは、高濃度の箇所を部分的に処理するだけで、売却時には汚染土壌が残ることを明確にしていました。都は、それを承知のうえで土地取得の覚え書きを交わしました。ところがその後、土壌汚染処理に対する世論がきびしくなり、これでは都民から受け入れられないとして都は東京ガスに、汚染対策の追加工事を求めましたが、東京ガスから拒絶され、大幅な譲歩を重ねます。
 結局、処理しきれない深刻な土壌汚染があることがわかりながら、汚染を生み出した原因者である東京ガスの土壌汚染処理費用の負担はわずか78億円で決着し、東京都は782億円も負担せざるをえなくなったのです。
 一方、東京ガスからの土地の購入価格は、土壌汚染がないものとして評価され、1859億円という高値で買い取る結果になりました。本来、都が負担する必要がない土壌汚染対策費と合わせると、実に2720億円もかけて、東京ガス豊洲工場跡地を購入したことになります。とうてい納得できるものではありません。
 知事は、東京ガス豊洲工場跡地の取得に関する、こうした経過と責任の所在について、どう認識していますか。東京ガスとの交渉経過と都の負担の全容について、検証し直すことが必要ではないでしょうか。

 次に、土壌汚染対策の問題です。
Q2 これまで都は、豊洲新市場用地の土壌汚染対策について、土壌と地下水は、環境基準を超える汚染物質をすべて除去したと言っていますが、これは事実をゆがめるものです。
 そもそも土壌汚染調査は、40ヘクタールの敷地の中でボーリング調査で地中の汚染状況をくわしく調べたのは、表層の土壌を調べた4千カ所のうちシアンが約千カ所、ベンゼンは約600カ所にすぎず、まったく不十分です。海抜2メートル葦下の汚染土壌を取り除いたのは、この調査で、たまたま汚染が見つかった所だけです。点在する有害物質をすべて見つけて取り除くことなどできるわけがなく、実は相当量、残っている可能性がつよいのです。ところが、これをもって専門家会議と東京都は、敷地全面にわたる調査をした、環境基準を超える汚染土壌はすべて除去したと言い続けているのです。断じて容認できません。

 実際、いまなお新市場の予定地内の地下水から、環境基準を上回るベンゼン、ヒ素、建物下の地下空間の大気から国指針の7倍もの水銀などが検出されているではありませんか。「汚染物質はすべて取り除いた」という説明は、都民と都議会に対する虚偽説明だと思いますが、知事の認識を伺います。

Q3 中央卸売市場のホームページでは、いまだに「土壌も地下水も環境基準を超える汚染物質はすべて除去します」という説明が掲載されています。都民を欺くものであり、ただちに訂正させるべきです。知事いかがですか。

 土壌汚染対策の重要な柱とされた盛り土については、虚偽説明がすでに明確になりました。すなわち、敷地全域に盛り土をし、地下水にふくまれる汚染物質が揮発して上がってきたときに、市場への影響を防止するという説明は、わが党の調査で、おもな建物下では盛り土がされていないことが明らかになり、破たんしました。

Q4 盛り土とならぶ土壌汚染対策の柱とされている地下水管理システムの破たんも明らかになっています。
 都は、これまで技術会議、地下水管理協議会や都議会に対して、集中豪雨や台風があっても、地下水の水位は海抜2メートルから上の砕石層や盛り土に上昇しないようにすると、繰り返し説明してきました。しかし、本格稼働して2カ月近くたってもなお、地下水の水位は海抜2・5メートルから4メートル程度にとどまり、少しの降雨でも地下水位が上昇しているのです。地下水の水位を海抜2メートル以下におさえるという計画の破たんは、明白ではありませんか。 
 しかも市場当局も認めているように、この地下水管理システムは海抜2・0メートル以上に地下水位が上昇してしまえば、それを容易に下げることができません。いわば欠陥システムと言わなければなりません。知事、どう思われますか。

Q5 当初の説明と違って、いま、盛り土の多くが地下水につかっている状態であり、地下水に溶け込んでいる水銀、ベンゼン、ヒ素などによって汚染されている可能性が、専門家からも指摘されています。にもかかわらず市場当局が、盛り土を調べもしないで、地下水によって汚染されていることはありえないかのように言っていることは許されません。
 知事、盛り土の汚染の有無について、調査する必要があると思いますが、いかがですか。

Q6 石原元知事のもとで、築地市場の豊洲移転を進めるための土壌汚染対策を提言した専門家会議が再招集されました。その専門家会議の委員が、豊洲新市場の建物下の地下空間の空気から、国の指針の7倍の水銀が検出されたことに対し、「健康に対しただちに影響を与えるものではない」とコメントしたことに、都民や市場関係者からきびしい批判の声があがっています。国の指針値は、健康リスクの低減を図るためのものであり、この値を超えたことを軽視するかのような発言は、あってはならないことです。もともとの方針は、地下水も土壌も、環境基準を超える汚染物質はすべて除去することが市場整備の条件だったではありませんか。こうした方針をつらぬく必要があると思いますが、いかがですか。

Q7 知事、盛り土と地下水管理という土壌汚染対策の二本柱が崩れる中で、改めて、これまで市場当局が説明してきた内容について全面的に検証することが求められています。知事はこの問題について、専門家会議に検討をゆだねていますが、専門家会議と異なる見解をもつ専門家は少なくありません。都民や市場関係者との合意を重視し、真に安全・安心を確保するためには、そのような専門家もふくめて徹底した検証を進める必要があると思いますが、知事いかがですか。

Q8 知事が所信表明で述べたように、市場は50年、100年という単位の事業です。中央卸売市場の食の安全・安心はなんとしても確保されなければなりません。そのためには、豊洲新市場への移転中止の本格的な検討を行うべきです。同時に当面、築地市場の必要な補修、改善を急ぐ必要がありますが、知事いかがですか。

Q9 築地市場で営業している業者の方々は、本年11月7日の開場をめどに、資金をやりくりして様々な準備を進めてきました。市場業者の損失補償を一日も早く開始すべきです。
 豊洲新市場開場を想定して営業計画を進めてきたのは、築地で営業している方々だけではありません。関連業者の方々もいます。これまで3代にわたる都知事のもとで行われた無責任な市場移転政策のもとで発生した問題です。補償は、すべての関係業者を対象にして、財源は市場会計とせず、業者負担にならないように行うべきです。いかがですか。

 豊洲新市場問題は、小池知事が築地市場の移転延期を決断したことで、ようやくまともな検討ができるようになりました。この10年余は、わが党や多くの都民、関係者のきびしい批判にもかかわらず、ウソやごまかしを重ねて、強引に移転計画が進められてきました。食の安全・安心を最優先にした徹底した調査、検証、対策を改めてつよく求めておくものです。

二、オリンピック・パラリンピックについて

 次にオリンピック・パラリンピックについてです。
Q1 知事が、いったん決定された都立3施設の再検討に着手し、先日、IOCも参加した4者協議において、アクアティクスセンターの客席を2万席から1万5千席に変更し、整備費を160億円ていど削減することが確認されました。これは、五輪経費削減への重要な前進です。バレーボール会場については、有明アリーナと横浜アリーナの双方を引き続き検討することになりましたが、今後もIOCが重視する既存施設の最大限活用に努力することが重要です。仮に有明の場合であっても、整備費の削減とともに、都立のスポーツ施設として都民から理解される最善の結果が得られるよう、関係者と協議をつくすことを求めるものです。知事いかがですか。

Q2 ボート・カヌースプリント会場については、海の森水上競技場の整備費を削減し、20年間使用する半恒久施設とすることになりました。しかし、今回削除した追加工事費が必要となり、整備費が実際にはまたふくらんでしまう可能性は否定できません。収入計画も、毎年国際大会を4回も開くことを前提としているなど不確実なものです。また、都政改革本部調査チームの報告でも認めているように、ボート選手や監督から海上でのコースに強い批判の声があります。こうした疑問や批判の声を無視して進めるべきではありません。
 後利用もふくめ、海の森水上競技場の整備費や維持管理費の確実な削減をどう図るのか、またアスリートの声にどうこたえるのか、明らかにすることが必要です。いかがでしょうか。

 大会組織委員会の森会長は、「約束ごとをご存じない方がガチャッと壊す」とか、4者協議後も「ぼくらのやってきたことを勝手に変える」などと、知事が進める再検討の努力を批判してきました。そもそも森氏はこれまでも、内訳も示さず、五輪総費用が2兆円を超すとして都に負担増を求めるばかりか、国が責任を持つべき国立競技場の整備費のうち448億円も都に出させる先頭に立ってきた人です。
 五輪経費をふくらませてきた責任が問われるべき森氏が、そのことへの一片の反省もなく、小池知事による五輪経費見直しの努力を批判することは言語道断です。

Q3 今回の4者協議で、五輪の総費用は2兆円を切る見込みと述べた組織委員会に対し、コーツIOC副会長が「きわめて高い、もっと低くすべきだ」と発言したことは当然です。
 東京オリンピックは、IOCが「アジェンダ2020」で、開催都市に運営費削減を提起しているもとで開催される大会であり、関係者が一体となって総費用削減の努力をつくす必要があると思いますが、知事の決意を伺います。

Q4 五輪費用を削減するためには、なによりもまず正確な情報公開が必要です。ところが組織委員会が、費用の総額と内訳の詳細をいまだに公表してないことは許されません。知事は第3回定例会で、「まずは、経費の全体像を把握する必要がある」と明言されました。組織委員会には都の代表も参加しており、4者協議にむけ施設、輸送、セキュリティなどの事務レベル協議も行われました。知事として、総費用とその内訳についてどこまで把握しているのですか。また組織委員会に、公開をどう迫っていくのでしょうか。

Q5 ロンドン五輪では、開催5年前から半年ごとに総費用と内訳を公表し、会計検査院の監査にもとづき下院決算委員会が公聴会を開いて、改善提案を行いました。知事、東京大会でも、このような仕組みを早急に確立することが求められていますが、いかがですか。

Q6 費用負担の問題では、国が開催国としての責任をはたすことが求められています。ロンドン五輪の場合、公的負担のうち、英国政府の負担が67%、ロンドン市の負担はわずか10%です。
 ところが日本の場合、閣議了解をタテに、国は極力費用負担をしない態度をとっています。麻生財務大臣にいたっては、東京五輪は日本五輪ではない、国は入国管理などでサポートするのが基本的立場、とまで発言しています。
 知事は、こうした国の姿勢をどう考えますか。政府に対し、開催国にふさわしい責任を、財政的にもはたすことを強く求める必要があると思いますが、いかがですか。

三、保育園の待機児童解消について

 次に、保育園の待機児童解消についてです。

Q1 今年も、多くの保護者が入園を有利にするために育休を早めに切り上げたり、仕事をやめなければならないかもしれないと不安を抱いたりしながら必死で「保活」を行っています。知事も雑誌のインタビューで、女性が仕事か子育てかで悩む国は他に例を知らないと述べています。
 昨年度は認可保育園が13600人分以上増えましたが、東京で区市町村に保育の利用を申し込んで入れない子どもは、2万7千人を超えています。知事、待機児童問題を解決するためには、認可保育園の増設をさらに加速する必要があるのではありませんか。
 知事は第3回定例会で「多様な保育サービスの拡充に取り組む区市町村を支援」すると答弁しましたが、認可保育園は2年連続で13000人分以上増えており、区市町村の取り組みも認可保育園が中心です
。  増設が加速したのは、2008年に目標を明確に掲げたことがきっかけです。知事、この教訓を生かし、認可保育園の増設目標を「実行プラン」で明確にすることが重要だと思いますが、いかがですか。
 就学前の子どもの50%をめざし、4年間で9万人分の認可保育園増設が必要だと思いますが、知事の所見を伺います。

 増設のために重要なのが土地の確保です。

Q2 知事が都有地活用推進本部を設置し、行政財産となっている都有地で活用可能なものの洗い出しなどを始めたことは重要です。一定年数以上使っていないなどの条件を満たす土地はすべて活用可能性の検証をすることをはじめ、都有地活用推進本部の取り組みをさらに強化することが重要だと思いますが、いかがですか。

 もう一つの大きな課題は保育士の確保です。

Q3 保育士不足の最大の原因は賃金の低さです。都内の保育士の給与は全産業平均より月15万円も低いのです。保育士の平均年齢である33歳と同じ年齢層と比べても月8万円もの差があります。東京都が行った保育士実態調査では、職場への改善要望のトップは給与・賞与等の改善で59%、退職した理由も民間の保育園ではトップは給料が安い、でした。
 逆に言えば、専門職にふさわしい待遇があれば保育士は集まるし、定着も進むのです。
実際に、給与が民間より高い公立保育園の正規保育士の採用には、応募が殺到しています。日本共産党都議団の調査では、都内自治体での倍率は平均6倍を超えています。さらに、都内の自治体運営の保育園の正規保育士の離職率は3・6%と非常に低くなっています。
 知事は、保育士確保における賃金をはじめとした待遇改善の重要性についてどう認識し、どう取り組むのですか。

Q4 東京都は保育士の給与を月2万1千円上げると言って、昨年度から保育士等キャリアアップ補助および保育サービス推進事業補助を始めました。しかしその代わりにそれまで行っていた補助を廃止したため、全体の差し引きでは保育園の多くで補助額が減りました。これでは賃金は上げられません。
 2014年度に都からの補助をうけていた保育園の中で補助額が減った施設の割合および施設数を、明らかにして下さい。

Q5 東京都がキャリアアップ補助の拡充を検討していることは重要ですが、全産業平均と保育士の賃金の大きな差を埋めるため、補助を大幅に拡充する必要があります。どう進めるのですか。

Q6 キャリアアップ補助の使い道を人件費に限定したことは前進ですが、さらに実効性をもたせることが重要です。
 都が区市町村に対して行った待機児童対策に関する調査で、特定の職員が著しく高額の報酬を受け取る事業者や、人件費を低くおさえて内部留保を大量に溜め込む事業者も存在する。各種の処遇改善策が保育士に十分に還元されていない、などの意見が出されています。
 わが党の調査でも、事業活動収入に対する人件費の割合は、社会福祉法人立の認可保育園では平均約70%ですが、株式会社立では約50%にとどまっています。株式会社の園で多い土地・建物の賃借料等の支出を合わせて比較しても、1割近い差があります。
 世田谷区は、人件費の割合が50%以上であることを、認可保育園への補助の条件にしています。こうした要件を設けることは効果的だと思いますが、いかがですか。都としても、補助が確実に賃金に反映される仕組みをつくることが必要ではありませんか。

Q7 北区は今年度、公立直営の保育園4園を新たに増設しました。区民から喜ばれ、保育士も80人の募集に500人以上の応募がありました。区は公立保育園の増設にふみきった理由を、「スピード感をもった定員増を行うため」としています。
 知事は、すぐ効く待機児童対策を強調しています。北区の取り組みは、貴重な努力だと思いますが、知事いかがですか。

Q8 都として公立保育園の増設への支援を行うことは、待機児童解消にむけた即効性のある対策として重要だと思いますが、見解を伺います。

四、国民健康保険について

 少子化対策では、国民健康保険の改善も重要です。

Q1 会社員などが加入する被用者保険の保険料は、子どもが何人いても額は変わりません。一方、国民健康保険料は、23区で年収200万円の夫婦と子どもの世帯で約19万円と重い負担となっています。収入のない子どもまでふくめて世帯の一人ひとりに均等割保険料がかかり、子どもの人数が多いほど重い負担となるのです。これでは、少子化対策や子どもの貧困対策にも逆行します。
 子どもの均等割の軽減は、全国知事会が国に求めており、特別区長会でも話題になっています。知事は、子どもの均等割軽減の重要性をどう認識していますか。都として負担軽減のための支援を検討することを求めますが、いかがですか。

五、震災対策について

 次に震災対策です。
 東京都の震災対策は、石原都政のもとで大きくゆがめられ、住宅耐震化のような、震災による被害を未然に防ぐための予防対策が後景においやられました。その一方、防災の名による幹線道路建設が震災対策の中心をしめてきました。小池都政のもとで、このようなゆがみを正し、予防対策重視へと立ち返る必要があります。この立場から質問します。

Q1 小池知事は、2020年という期限を明確にすることで、より緊急性があぶり出されてくる課題として、首都直下型地震対策をあげました。
 阪神淡路大震災を経験された知事はご存じだと思いますが、阪神淡路大震災から引き出す最大の教訓は住宅の耐震化です。全半壊の建物24万棟、6千人にのぼる犠牲者のうち9割が建物の倒壊による圧死と発表されています。
 この事実からも、すべての住宅での耐震化がなされていたら、死者の8割は救えたと指摘され、中央防災会議もあらゆる対策の大前提が住宅の耐震化としているのです。ところが、東京では、住宅の耐震化は83・8%にとどまり、107万戸以上の住宅が耐震化されていないのです。
 知事は、住宅耐震化こそカナメだという阪神淡路大震災の教訓を、どう受け止めていますか。そして、この遅れをどう打開するのでしょうか。

Q2 東京で耐震化が進まない最大の原因は、住宅の耐震化を自己責任とし、都の支援を木造住宅密集地域の中のごく一部に限定していることにあります。全国で、東京のように、耐震化助成を特定の地域に限っている自治体はありません。
 このため、都の木造住宅耐震診断・耐震改修の予算額に対する執行額の実績は、2014年度で7・9%、15年度で9・3%にすぎず、助成の件数は、都の制度開始以来10年間でわずか1600件程度です。
 一方、静岡県では、阪神淡路大震災の教訓に立って、住宅の倒壊ゼロを県の重点政策に掲げ、県内どこに住んでいても耐震診断は無料で行い、耐震補強工事には助成金を出し、高齢世帯や障害者がいる世帯には助成金を上乗せするなど手厚い制度を設けており、助成実績は累計2万件に迫っています。今年度は熊本地震を受け、さらに補助額を、1戸あたり15万円増額し、市の補助と合わせて1戸あたり80万円の助成を行っています。
 小池知事は、「少し手を加えるだけで、建物の強度は増すと言われております。倒れてしまってからでは遅いわけで、前もってそれをすることの重要性というのを考えながら進めて行きたい」と述べました。その通りであり、住宅耐震化助成を質・量ともに大幅に拡充することで、耐震化を一気に進めることが必要だと思いますが、知事いかがですか。

Q3 少し手を加えるだけで経費もさほどかけず、耐震強度を大幅にアップさせる免震・制震ダンパーが注目されています。都として普及などの支援が重要だと思いますが、知事の見解を伺います。

Q4 国や自治体の住宅耐震の補助対象は、1981年以降のいわゆる新耐震基準の建物は対象外とされています。しかし熊本地震では、新耐震基準の住宅も倒壊しました。都の補助制度を、新耐震基準の住宅にひろげることが必要ではありませんか。
 少なくとも、阪神淡路大震災をうけて耐震基準がさらに強化された2000年以前に建てられた住宅の耐震診断への助成を検討すべきと考えますが、お答え下さい。

Q5 地震の際、出火原因の大半を占める通電火災を防ぐため、感震ブレーカーは大きな決め手となります。国も、感震ブレーカーの普及を推奨しています。都内でも、世田谷区、足立区などで設置費用への助成が始まり、葛飾区も助成を始める予定です。
 知事は、感震ブレーカーの重要性を、どう認識していますか。区市町村とも連携し、設置費用への助成をはじめ、都の新たな対応が求められますが、いかがですか。

六、「2020年にむけた実行プラン」と財政運営について

 「2020年にむけた実行プラン」と財政運営について伺います。

Q1 東京都は全国トップの待機児童を抱えており、子育て支援や少子化対策はとりわけ緊急課題です。特別養護老人ホームの整備率は全国都道府県で下から3番目です。老人保健施設や認知症高齢者グループホームは最下位です。都民生活に関する世論調査では、高齢者対策が、都政への要望の第一位です。
 知事が策定する「実行プラン」は、今後4年間の都政全体の方向性を定めるものです。示されている骨子の中で、「子どもを安心して産み育てられる街」「高齢者が安心して暮らせる街」「医療が充実し、健康に暮らせる街」などが提起され、インフラの安全や長寿命化、空き家活用などが打ち出されていることは重要です。
 私は、知事が都民ファーストの立場をつらぬき、何よりも「住民福祉の増進」という、地方自治体本来のあり方にそった「プラン」にすることが求められると思いますが、知事、いかがですか。

Q2 舛添前知事による現行の「長期ビジョン」の3カ年重点事業では、陸・海・空の交通・物流ネットワークや都心機能強化などに1兆円も投入する一方、「福祉先進都市の実現」には2900億円の事業費しかついていません。今後の財政運営にあたっては、これまでの大型開発優先路線を見直し、少子高齢社会対策をはじめ福祉充実を図るべきと思いますが、いかがですか。

Q3 幹線道路などインフラの新設を進めれば進めるほど、その維持管理費が増大します。今後、人口減少社会を迎える中で、幹線道路をはじめ新規の大型開発は抑制し、既存インフラの維持管理や長寿命化に重点的に取り組むことが必要です。お答え下さい。

Q4 小池知事が都知事選の際に候補者として回答した住民のアンケートで、「大昔に決めた都市計画については、大胆に見直しを図っている例もあり、先進事例を参考に」するとしたのは重要です。
 全国では、未整備の道路計画のうち、見直しによって2000年度以降、15年間で約2千路線、延長2300キロ以上が廃止されています。一方、東京都は、いったん決定した道路計画は原則として廃止しないため、この間、わずか1路線1・3キロしか廃止されていません。
 しかも、防災の名目で特定整備路線が事業化され、都市計画道路の優先整備路線が決定されるなど幹線道路の新規整備予算が急増しています。
 都市計画道路の新規整備は、実態を十分に踏まえて、廃止をふくめ必要な見直を行うことが求められているのではありませんか。  知事の答弁を求め、再質問を留保して質問を終わります。

以上