2016年第4回定例会・一般質問 12月8日

尾崎あや子(北多摩第一選出)

一、入札・契約制度について

 豊洲市場問題、東京五輪の契約節減問題は、東京都民ならず、全国から注目を集めています。この二つの問題では、100%に限りなく近い落札率で、一者しか入札に参加せず競争性にかける案件が相次ぎ、なかにはわが党に談合情報が寄せられた案件も存在しています。
 知事が立ち上げた都政改革本部でも、これらの案件が取り上げられ、財政のワイズスペンディング(税金の有効活用)が働いているのか大きな問題とされています。
 こうした契約の客観性、公平性、透明性を、第三者によって監視、検証する機関として入札監視委員会があります。ところが、先の決算特別委員会で、わが党の質問で明らかになったように、この入札監視委員会が第三者機関としての役割を果たしておらず、その結果、まともな監視ができていないという問題が浮き彫りになりました。入札監視委員会の改善について質問いたします。

Q1 入札監視委員会は、一年前の契約案件から一定の事案を抜き出して審議にかけます。これをどう選ぶか、都の説明によると、入札監視委員会の委員長が方針を事務局、すなわち、都財務局に指示し、事務局が複数の案件をリストアップしたうえで、最終的に委員長が選定するということです。
 委員長に決定的な権限があります。そこで私は、過去三代の委員長を調べてみました。初代の委員長は財務局の経理部長、二代目の方も財務局の経理部長の経験者、そして三代目の方も、財務局の契約2課の課長を務めていたことが判明しました。
 財務局の契約の中枢にいた都庁OBが委員長を務め、事務局、すなわち財務局と一緒に委員会で議論する案件を選び出す。これで、第三者機関の役割が果たせるでしょうか。入札制度に詳しい桐蔭横浜大法科大学院客員教授の鈴木満氏は、「監視委員に都庁OBをいれるのは『自分でやったことを自分でチェックする』ようなものであり、適正手続きの原則に反する」ときびしい見解を表明しています。知事、どう思われますか。

Q2 三代目の方は、元中央卸売市場長であり、同氏が委員長となった間に審議対象になったのは、2012年4月から2015年3月までの入札案件、すなわち、豊洲新市場整備に関わる入札契約が相次いだ時期です。
 ところが、当初の予定価格を4百億円以上も引き上げて、99・9%の落札率で落札した豊洲新市場施設の三つの本体工事は、談合疑惑が指摘されているにもかかわらず、審議対象になっていません。もし審議したら、まさにそのものずばり、「自分でやったことを自分でチェックする」ことになってしまうのです。知事、あまりにも公平性、透明性に欠ける不適切な人事だと思いませんか。お答え下さい。

Q3 他県はどうなっているのか、政令指定都市を抱える15の道府県の入札監視委員会の現委員長の経歴を調べました。一県を除き、土木や契約に詳しい大学の研究者や弁護士、公認会計士といった、れっきとした第三者の有識者が務めており、東京都のように、その県の幹部職OBが委員長という県はありませんでした。
 福岡県では、運営要綱で「県の職員であった者については選任しないものとする」としていたり、多くの道府県で、自分や親族が関わった案件では審議に加わらないとしています。
 知事に伺います。入札監視委員会は第三者機関にふさわしく、委員には都庁の職員であったものは選任しないのが当然のあり方ではないかと考えます。知事の認識と都の入札監視委員会の改革への決意を伺います。

Q4 入札監視委員会が、審議した案件は、低入札案件や中小企業が受注する規模の小さい案件がほとんどです。大手ゼネコンによる巨額の工事費を伴う高落札案件には手をつけようとしない入札監視委員会のあり方が厳しく問われています。
 国は、地方自治体の入札監視委員会の運用マニュアルを発行していますが、そのなかでは、規模の大きい発注があった場合には、随時審議を行うのが望ましいとしています。
 兵庫県では、予定価格の95%以上の高落札率、談合情報があった案件を審査することを要綱で定めており、京都府や熊本県の実際の審議でも、高落札案件が審議されています。
 財政のワイズスペンディングを第三者委員会がチェックする観点からも、入札監視委員会においては、契約規模の大きい案件や高落札率案件を審議の中心にすることが重要だと考えますが、知事、いかがですか。

Q5 審議対象案件の抽出の改善について伺います。国土交通省のマニュアルでは「発注者が審議案件を指定しないこと」と書いています。つまり、行政側が審議案件を選んではいけないのです。他県では、東京都のように委員長と事務局が相談して選ぶのではなく、第三者である入札監視委員が交代の輪番制で選び、説明も事務局ではなく、委員が行うようにする道府県が少なくありません。都も、第三者委員会にふさわしく、それぞれの委員が審議する案件を選び、説明もするよう改善すべきですが、いかがですか。

Q6 入札監視委員会を開催するにあたって、都は各委員に前年度に入札があった案件の一覧表を送付します。ところが、この一覧表にはそれぞれの案件の落札率を書き込む欄がありません。多くの県では入札監視委員会や委員に提出する案件の一覧表には、落札率を記入する欄がついています。委員が高落札率案件をチェックできるよう、都の入札監視委員においても、契約案件の一覧表には、落札率を記入するよう改善を求めますが、いかがですか。

二、多摩格差について

   次に、多摩地域の問題についてです。

Q1 知事は、選挙中「多摩地区の格差という点をしっかり目配りしたい」「23区より整備が遅れている多摩格差という言葉がある」と発言し就任後も市長会で「多摩格差ゼロは皆様と連携していきたい」と発言していました。11月11日の定例記者会見では、記者からの質問に、多摩地域の医療の面、産業の研究開発などについて答えています。
 知事はあらたな多摩格差についてどのように認識されていますか。

Q2 23区よりも家賃が安い多摩地域に、引っ越してくる子育て中の若い人たちが、増えています。ところが「以前は、子どもの医療費は無料だったのに、今は医療費の負担が増えて困っている。何とかしてほしい」との声を寄せています。
 多摩地域では、小中学生の医療費助成制度において、19市が所得制限を設けています。ところが、23区は所得制限がありません。同じ都民でありながら、住んでいるところによって負担のあり方が変わるという地域間格差をなくし、どこに住んでいても安心して子育てができるようにすべきだと思います。都民の福祉の向上は自治体の魂です。
 医師会の役員から、話を聞きましたが「子どもの医療費を無料にすることには、誰も反対はしない」と、言っています。市長会からも要望がでており、多摩地域でも小中学生の医療費助成制度の所得制限をなくすため、都の対策が早急に求められますが、知事いかがですか。

Q3 多摩地域では特に、新生児集中治療室(NICU)の不足や産科、小児科不足が深刻です。東京都の「周産期医療協議会」では、毎回のように多摩地域の周産期医療について発言があり、「多摩地域は少ない状況」「区内との格差がまだまだある」周産期の「大規模施設をつくることは必須」との意見が出されています。NICUは、東京全体で329床ですが、多摩地域には72床しかありません。にもかかわらず、これまで都は多摩地域の目標を決めて増やすことを拒否してきました。年間出生数1万人あたり30床という都の方針だと、多摩地域だけで100床は必要です。
 また、最近は「住んでいるところで子どもを産みたいが、子どもを産める産科がなくて困っている」「産科のお医者さんが高齢になって病院をやめた」という声が多く寄せられます。私の活動地域である東村山市内には助産所も含め2ヶ所、東大和市・武蔵村山市ではそれぞれ1ヵ所と大変少ない状況です。
 厚生労働省は「周産期医療体制のあり方に関する検討会」の意見のとりまとめ案を、11月17日に発表しました。そのなかで「分娩施設の減少に伴い、妊産婦の分娩施設へのアクセスの悪化が懸念されている」現状や課題が明らかにされました。
 安心して出産し、安心して子育てができる環境をつくるべきですが、知事の積極的答弁をお願いしたいと思います。

Q4 次に、多摩地域の無電柱化についてです。
 知事は所信表明で、「東京の電柱をゼロにすることを目指したい」と発言しました。多摩地域の都道は、歩道幅が2・5mもない狭いところが多く、電柱があるために、雨の日にはすれ違うことができず、車道に下りなければならないところや、通行人がベビーカーや車いすとすれ違うには危険な状況があります。
 都の無電中化推進計画に示されている都道の地中化率は、2015年度末では、区部は55%と進んできていますが、多摩地域は、17%と立ち遅れています。知事の公約を推進するために立ち遅れている多摩地域での無電柱化を早急に進めるよう求めますが、知事の所見を伺い、私の質問を終わります。

以上