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質問・条例提案

2026.06.08

区市町村の教育費無償化の状況調査の結果について(修学旅行費、教材費、入学準備金など)

 日本共産党都議団は、標記の調査結果を発表する記者会見を行いました。調査結果を受け、都として教育費(修学旅行費、教材費、入学準備金)を無償化する条例を提案することも発表しました。

★記者会見した(左から)とや英津子、清水とし子、せいの恵子、斉藤まりこの各都議(2026.6.8)


区市町村の教育費無償化の状況調査の結果について
(修学旅行費、教材費、入学準備金など)

2026年6月8日
日本共産党東京都議会議員団

 都内では、2023年の統一地方選挙前後から学校給食を無償にする自治体が増え、東京都の補助により、25年1月にはすべての区市町村で無償となりました。各自治体では、さらに修学旅行費や教材費などを無償にする新たな流れが広がっています。
 憲法26条のとおり本来義務教育は無償であり、学校教育にかかる私費負担の解消は長年の課題となってきました。都内でも、費用が払えず修学旅行に参加しない子どもがいます。保護者からは「物価高騰のもと教育費の負担が重い」「多摩地域は無償化が遅れているので都に支援してほしい」などの声が届いています。
教育費無償化の流れをさらに前に進め、私費負担を解消し、子どもたちの教育を受ける権利を保障することが求められています。
 日本共産党都議団はこうした問題意識のもと、区市町村で行っている教育費無償化(学校給食費を除く)の状況を調査しましたので、結果を公表します。

【ポイント】

2023年度以降、学校給食無償化に加え、新たに何らかの教育費無償化に踏み出したのは、18区1市です。私費負担の解消に向けた重要な前進です。

区部では約8割が新たな無償化に踏み出す一方、多摩地域では1市のみとごくわずかで、格差が生じています。

都内自治体で、修学旅行の無償化をしているのは、12区4村
 教材費を無償にしているのは、11区1町2村
 入学準備金を支給しているのは、4区1町1村 でした。(2022年度以前開始も含む)

東京のどこに住んでいても無償となるよう、都の支援が必要です。

 

【調査の概要】

  • 調査対象:都内全区市町村(23区、多摩地域26市3町1村、島しょ2町7村)。回収率100%
  • 調査期間:2026年4月22日~6月1日
  • 調査方法:調査票に記入してもらう方式により調査。必要に応じ自治体ホームページ等で確認。

 

【結果の概要】

1、2023年度以降、新たに教育費無償化に踏み出したのは、18区1市

 調査結果を、2023年度以降の教育費無償化の新たな流れに着目して分析しました。
 その結果、18区1市で、修学旅行や移動教室などの宿泊行事、校外学習の費用、補助教材費(例:ドリル、資料集、理科実験材料費など)、学用品費(例:習字セット、リコーダーなど)、入学にかかる費用(ランドセルや制服代などを想定)をはじめ、新たに何らかの教育費無償化に踏み出していました。23年度以降、無償化が急速に拡大していることが改めて浮き彫りになりました。(別表1参照)
 品川区・足立区は、宿泊行事、教材費、入学準備金や制服代の3つを無償にしていました。台東区・中野区・板橋区は、宿泊行事と教材費の2つを無償にしていました。
 区部では約8割の区が無償化を前進させているのに対し、多摩地域では1市のみ、島しょはゼロと、格差が生じています。

2、都内区市町村の教育費無償化の状況

 22年度以前に開始した自治体も含め、都内区市町村の教育費無償化の状況は以下の通りです。

(1)修学旅行を無償化しているのは、12区4村(16自治体)

 修学旅行を無償化したのは、16自治体でした。
区部では半数を超える12区が無償化し、そのすべてが25年度以降に踏み出していました。無償化の金額は8万円程度です。
 多摩地域では、修学旅行を無償化している自治体はゼロでした。島しょ部では、4村が離島であることなどにより以前から無償にしていました。

 修学旅行費の一部を補助をしているのは、3区19市4町3村でした。市部では立川市の1万4千円が最高額で、数千円の自治体も少なくありません。(別表2参照(2ページ目))

 13区1市で移動教室などの宿泊行事を無償化していました。うち11区1市が23年度以降の無償化です。千代田区と杉並区は22年度以前から無償にしていました。
 府中市は、「ふれあい自然教室」を26年度から無償化しました。生徒間の良好な関係をつくるために、中学1年生の4~5月に行う宿泊行事です。不登校の増加を踏まえ、生徒の参加促進のために無償化したとのことでした。

(2)補助教材や学用品を無償化しているのは、11区1町2村(13自治体)

 区部の約半数にあたる11区が、補助教材費(例:ドリル、資料集、理科実験材料など)を無償にしていました。千代田区、港区、台東区、品川区では学用品(例:書道セット、リコーダーなど)も無償化していました。9区は23年度以降に無償化し、杉並区は14年度から小学校の教材費を無償にしていました。
 多摩地域では1町が、22年度以前から教材費を無償化していました。
 島しょでは2村が、22年度以前から教材費を無償化していました。御蔵島村では鉛筆等必要物品すべてを支給しているとのことでした。

(3)入学準備金を支給しているのは、4区1町1村(6自治体)

 区部では、入学準備金など入学時にかかる費用を支給しているのは4区で、いずれも23年度以降に開始していました。
 多摩地域では、入学準備金を支給している市はなく、1町1村が23年度以前から制服代支援や入学祝い金の支給を実施していました。
 金額は3万円から10万円です。現金支給している自治体では、学校設置者を限定せず、どの学校に入学する場合でも支給していました。

3、すべての子どもへの教育保障と、保護者負担の軽減が目的

 事業実施の背景や目的としては、「修学旅行に行かせたくても行かせられない家庭が一定数ある」「誰一人経済的な理由で参加できない児童生徒が出ないように」など、すべての子どもへの教育保障があげられました。
 学校教育のなかで教材や学用品費の割合が大きいことを指摘する回答もありました。
 物価高騰や保護者へのアンケートの結果を踏まえ、実施したとの回答もありました。
 

4、まとめ

 調査を通じ、23年度の学校給食無償化を皮切りに、修学旅行や教育費の無償化が、新たに、急速に広がっていることが浮き彫りになりました。この5月以降も2区が修学旅行や教材費の無償化を議会提案や表明しており、動きはさらに加速することが期待されます。
 同時に、無償化している自治体のほとんどは区部であり、多摩格差が生じていることも明らかになりました。
 都立特別支援学校に通う区民に対し、台東区、江東区、品川区、荒川区などでは、区立小中学生と同様の支援をしていました。都立学校の教育費の無償化こそ、東京都が行うべきです。千代田区や新宿区では、私立小中学校に通う区民に支援金を給付していることもわかりました。
 町村では、子育て支援や離島で移動費がかかることなどから、無償化や負担軽減をはかっている自治体が少なくありませんが、さらなる充実が必要です。
 各自治体では、物価高騰や保護者の声を踏まえ、経済的理由で修学旅行等に参加できない子どもがいないようにと、無償化を実現しています。
 都や国が教育費を負担することにより、自治体は独自の教育施策を進めることができます。東京のどこに住んでいても、子どもたちに教育を保障できるよう、また都立学校については都の責任を果たすためにも、東京都が都内の子どもたちの教育費の無償化に踏み出すことが求められています。

以 上