東京の国保料(税)の大幅値上げにつながる「完全統一化」方針を止め、値下げを求める申し入れ
申し入れ書を手渡す参加者(2026.10.27)
東京都知事 小池百合子 殿
2026年10月27日
日本共産党東京都委員会
日本共産党東京都議会議員団
日本共産党区市町村議員団
東京の国保料(税)の大幅値上げにつながる「完全統一化」方針を止め、値下げを求める申し入れ
東京都は、2024年6月の厚労省・「保険料水準統一加速化プラン(第2版)」に従い、同年2月に改定したばかりの都国保運営方針の見直し作業を行ってきました。そして2026年8月31日の都国民健康保険運営協議会に、区市町村が独自に行っている国保料(税)の負担軽減策「決算補填等を目的とする法定外繰入」を2035年度までに止めさせ、36年度からは全都の保険料率を「完全統一」とする、都国保運営方針の中間見直し案を諮問しました。
中間見直し案とともに示した都の資料では、都内の区市町村独自の負担軽減・「決算補填等目的の法定外繰入」の総額は、24年度(速報値)で、国保加入者1人あたり約1万9000円で、これがなくなれば、今でも高い国保料(税)の大幅な負担増は避けられません。
中間見直し案では、「被保険者の保険料負担 が急変することになる場合であっても、‥‥可能な限り早急に解消に向けた取組を進める必要がある。」との一文を新たに盛り込み、自治体の繰入解消目標年次の前倒しをせまり、繰入解消を進めた自治体には都の繰入金の一部で「報奨金」ともいえる交付金を交付して、強引な値上げを推し進めるものとなっています。
また文京区で人権を侵害する異様なデザインの封筒で国保督促状が区民に送付されマスコミでも報道されるなど、各地で強引な取り立てが推し進められていますが、見直し案では、保険料収納率の向上・底上げで、さらなる徴収強化を進めることも示しています。
そもそも実際に自治体間で医療(サービス)の水準の格差が残るままで、「保険料率の算定上での医療(サービス)水準は全都で同じ」として保険料率の「完全統一化」を実施することは、医療(サービス)の水準が低い自治体では、高額な保険料負担だけが都民に押し付けられることになります。さらに、「完全統一化」した大阪府内の自治体のように、高い保険料による「とり過ぎ」や「ため込み」が生じる事態にもなりかねません。
この間、年金、医療、介護などの社会保障改悪と消費税増税、異常な物価高騰のもとで、貧困と格差が拡大し都民のくらしは悪化の一途をたどり、都民生活は深刻な事態となっています。
ところが高市政権の掲げる経済対策などは、物価抑制どころかさらなる物価高騰を招き、また医療、介護などの負担増を打ち出し、深刻な国民生活に追い打ちをかけています。
そのようなもとで、今でも高くて払えない国保料(税)を、さらに大幅に、かつ強引に引き上げる方針を打ち出すことは、許されません。
都内の国保加入世帯主の7割が所得の低い非正規労働者や無職者・年金生活者で占められているのに保険料(税)は高いという構造的な問題の解消こそ必要ですが、今回の中間見直し案によって、被保険者に一層の保険料(税)負担を押し付けることは、構造的問題を一層加速させるだけであり、国保制度を根底から崩しかねません。
本来、住民の命と健康を守るべき医療保険制度が、生活苦を増大させ、医療を受ける権利を奪うなどということはあってはなりません。
よって東京都が、国保事業の運営に中心的な役割を果たす保険者として、強引な保険料(税)引き上げにつながる、「完全統一化」の中間見直し案は取り下げ、国民健康保険制度が社会保障として住民の命と健康、くらしを守るという本来の役割を貫く運営方針を掲げるとともに、あらゆる努力をして保険料(税)の大幅値上げを抑え、軽減に踏み出すため、以下の点を実施されるよう強く申し入れるものです。
- 国保料率の「完全統一」達成目標年次を明記した、都国保運営方針の中間見直し案は取り下げること。また現行の東京都国民健康保険運営方針については、「相互扶助」の位置づけをあらため、社会保障としての国民健康保険制度であることを明記しその立場を貫き、区市町村に対する法定外繰入解消の強要は行わず、保険料の強引な徴収強化を迫らないこと。
- 来年度の国保料(税)については、現状を認識し、引き下げのため、抜本的な都独自の財政措置を実施すること。
- 27年4月から実施される国の子どもの均等割半減策の18歳までの対象拡大については、ただちに拡充し18歳までの均等割を全額廃止するよう、国に申し入れること。また東京都としても国に先立ち独自に、全額免除策を実施すること。
- 現在進められている区市町村での強権的な徴収強化などは、やめるよう働きかけること。
以上
