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■ 議会での質問  日本共産党東京都議団

2001年第1回定例本会議  一般質問

小竹ひろ子(文京区選出)  2001年2月28日

青少年をターゲット!サッカーくじの影響から児童生徒守れ、入浴サービスの運営費補助など高齢者デイサービス事業に支援を

-- 目 次 --

通学路にサッカーくじ販売所、教育上悪影響が

〇五十六番(小竹ひろ子君) いよいよ、三月三日よりサッカーくじが販売されます。全国販売を前にして、主婦連などの女性団体、スポーツ団体の方々が、これ以上子どもたちの生活環境を汚さないでとの願いを持って要請に来られました。
 私の住む文京区では、昨年末、大手スーパーの二階に二十四時間営業のレンタルビデオ店が出店し、そこに、百円で一億円のチャンスというサッカーくじの巨大な広告が出されました。ここは、区立柳町小学校の通学路に指定され、学校から百メートルも離れていません。小学校の隣には幼稚園と児童館があります。
 地域住民は、販売店がここに出るということを知り、サッカーくじに反対する会を結成して、学校のそばでの販売はやめるよう、販売店や発売元の日本体育・学校健康センターへの申し入れや、学校、PTAへの働きかけ、シンポジウムなどを行ってきました。
 昨年テスト販売された静岡では、駅前で無差別にマークシートが配布されたり、新聞折り込みや各戸配布がされたため、教室で子どもたちが予想をやって、金をかけるなどののみ行為に似た遊びがやられたり、高校生の一人が当たるなどの事態が生まれています。十九歳未満販売禁止については、指導が強められた二回目の販売でも、四分の一は守られていません。
 このような状況のもとで、県議会は、十九才未満への販売禁止措置が徹底されていたとはいいがたく、青少年への悪影響が危惧されるという意見書を全会一致で採択したのです。
 また、静岡県立島田商業高校門前に出店した販売店に対し、島田市教育委員会は、好ましくないとして自粛を申し入れ、本格販売は中止され、静岡県内全体では十三店舗が出店を取りやめました。
 ところが、二月九日に発表された販売店のリストを見ると、販売店が、学校周辺や通学路、子どもや若い人たちの集まるところに集中しています。文京では十店舗で販売されますが、ほとんど学校周辺、通学路にあります。
 例えば、水道橋駅前の販売店は、都立工芸高校の向かい側であり、その周辺には小中学校が四校、高校が六校もあります。これらのことは、文京に限ったことではありません。まさに青少年をターゲットにしています。
 このように、学校周辺、通学路などに販売店があることについて、教育上から見て好ましいものではないと考えますが、教育長の見解を伺います。

十九歳未満への販売禁止の徹底を

 こうした事態は、十九歳未満の者に対する購入等の禁止が徹底されるよう、販売場所、販売方法等について、青少年が入手しがたい方法を講ずるなど適切な配慮をすることとする衆議院の附帯決議にも反することです。スポーツを楽しむことより勝ち負けだけを争うようになったり、働かず、予想をやって金を得ることを覚えたり、くじを買いたいばかりに、多額の金を巻き上げるいじめがエスカレートするなど、青少年の健全育成に逆行することになりかねないから、多くの人たちから心配の声が上がっているのです。
 学校関係者の中から、今でも後楽園の場外馬券売り場で中高生が馬券を買って補導されているのに、子どもに人気のあるサッカーくじがこんなに身近なところで売られたら、その影響ははかり知れないと事態を憂慮する声が上がっています。
 こうした世論のもとで、文京区や中野区では、教育委員会が学校長あてに、児童生徒への指導についてとの要請を出しています。同時に中野区は、販売店に対しても禁止事項の遵守を要請しています。
 都教育委員会として、区市町村教育委員会や都立の学校長に、サッカーくじの影響から児童生徒を守ること、また、十九歳未満の購入禁止の指導についてなどの要請を出すとともに、島田市教育委員会の経験に倣って、学校周辺及び通学路にある販売店の販売の自粛を求めること、また、十九歳未満への販売禁止を実効あるものにするために、日本体育・学校健康センターが出した全国販売の実施概要にあるように、顔写真つきの身分証明書の提示を徹底することが必要です。あわせて、販売開始後速やかに、児童生徒への販売が行われていないか、実態を調査することが必要だと考えますが、それぞれ答弁を求めます。
 そもそもサッカーくじは、スポーツ振興予算が少ないことから、くじの収益に頼ろうとしているところに問題があるのです。都においても、この間、スポーツ振興予算は大幅に削減され、今年度は前年の三分の一の六億円に引き下げられました。不足分をサッカーくじの収益金を当てにすること自体が逆立ちしているのです。収益金等を当てにしないで済むスポーツ振興予算を組むことを基本にし、青少年健全育成のためにも、スポーツにギャンブルを持ち込むことを改めるよう求めて、次の質問に移ります。

デイサービスはお年寄りの元気の源

 次に、高齢者のデイサービス事業について質問します。
 デイサービスは、ヘルパー派遣、ショートステイと並び、在宅の三本柱といわれています。その中でも、家から在宅サービスセンターなど外に出て、趣味、生きがい活動や入浴などの介護を受けるデイサービスは、寝たきりを予防し、お年寄りが張りを持って生活をし、元気の源になるものです。
 ところが、その大事な事業が、介護保険の収入が低過ぎる上、都の補助金が廃止され、大変な経営難に苦しんでいます。多くの施設で職員が減らされ、お年寄りが楽しみにしていたお花見や演芸会などの行事などを縮小しています。とりわけ施設入浴サービスは、収支が合わず、縮小したり、やめてしまうところがふえています。文京区でも、利用を希望しても、ほとんどの方は巡回入浴に回されています。利用者にとってサービスを選択できる状況にはありません。
 私は幾つもの施設を訪ねましたが、町田市にある在宅サービスセンターでは、介護度の高い方も介助をして、くつろいで入浴をしていただけるよう努力されていました。芋の子洗いのようなことも、しようと思えばできるわけですが、この施設では、お年寄りのリズムに合わせて、ゆっくりおふろにつかってもらいますと話していました。
 しかし、そういう努力をすればするほど赤字になり、入浴だけで年間四百万円の赤字になるそうです。それでも入浴サービスを受けたいという方は大勢いらっしゃるし、地域に温かいサービスをと始めた事業ですから、やめるわけにはいかないと必死に頑張っています。

入浴サービス、機能訓練に支援を

 浴槽を家の中に持ち込む巡回入浴よりも、在宅サービスセンターの広いおふろにゆったり入りたいというのは、介護を必要とするお年寄りの皆さんの、ささやかですが、本当に切実な願いです。だからこそ、都内十八の区市町村が通所入浴サービスに単独補助を行っているのです。また、多摩市長会は、東京都に対し、通所施設入浴補助事業の復活を要望しています。
 私は、都として入浴サービスへの補助を行うことが必要であると思いますが、いかがでしょうか。あるいは、区市町村が希望すれば、包括補助、高齢者いきいき事業を適用できるのではないですか。答弁を求めます。
 在宅サービスセンターの機能訓練事業、リハビリも大きく後退しています。文京区では、介護保険が始まるまでは、七カ所の在宅サービスセンターに常勤の理学療法士、作業療法士がいて、リハビリに取り組んでいました。ところが、介護保険の加算は低く、いずれもリハビリの時間が大きく減るなど後退しています。いうまでもなく、機能訓練、リハビリは寝たきり予防のために大事な事業であり、お年寄りの要望も高いものがあります。
 在宅サービスセンターでの機能訓練についても、先ほどの入浴サービスと同様、都としての補助を行うことや、包括補助による対応が求められています。お答えください。

ただちにデイサービスへの運営費補助を

 同時に、デイサービスの個別の事業にとどまらず、運営全体への本格的な支援が必要です。ことしに入ってから、八王子市の中心街にある在宅サービスセンターが、三月末で事業を休止するとの通知を出しました。その理由は、新たな事業経営への努力をしましたが、多額の赤字経営となり、将来の見通しもつかない、となっています。利用者の九割は不安を抱えながら他のデイサービスに移ることになり、一割の方は通所をあきらめました。この事業者は、保育園など十四施設を運営している、力も経験もある社会福祉法人です。
 私は、心配していたことが現実の問題になったとの思いを強くしています。以前から東京都社会福祉協議会は、介護保険実施で在宅サービスセンターの収入は約六割まで落ち込むとの試算を発表し、サービス水準を維持することは不可能と表明していたのです。
 そして我が党は、九八年以来この問題を繰り返し取り上げ、昨年の第三回定例会では、介護保険実施後の実態調査に基づき、大幅減収で存続の危機に直面しているとの声が上がっていることを示し、都の支援を求めたのです。ところが、東京都は、デイサービスは介護報酬で運営するものだといって、こたえようとしませんでした。
 来年度予算に在宅サービスセンター緊急整備支援事業が計上されましたが、これでは不十分です。東京都は、デイサービスの窮状について一体どう認識しているのですか。区市町村に対するデイサービスの運営費助成を都として直ちに実施し、同時に国に対して支援の充実を求めるべきです。見解を伺います。
 在宅サービスセンター併設が認められている、小規模ケアつき住宅である高齢者生活福祉センターの整備促進が必要です。また、同センターについては、新たに認められた老人保健施設への併設を進めていくこともあわせて積極的対応を求めるものです。答弁を求めます。
 以上、私は、介護保険のもとで生まれている問題点を、具体例の一つとしてデイサービス事業の現状を取り上げ、質問をしました。石原知事は介護保険制度の問題点についてはどのように考えるのか、最後に伺い、質問を終わります。(拍手)


   〔知事石原慎太郎君登壇〕
〇知事(石原慎太郎君) 小竹ひろ子議員の一般質問にお答えいたします。
 介護保険制度についてどう考えるかということでございますが、介護保険制度は、ともかくここまで大きな混乱もなく、おおむね順調に運営されており、また、都民の理解も着実に深まっていると認識しております。
 共産党は、よく個々の例を挙げられまして、この制度そのものの否定というものを口にされますが、木を見て森を見ないということは非常に危険でありまして、一犬虚をほえて――実をほえて万犬虚をほえるという形になってもならないと思います。
 いずれにしろ、そういう個々のお気の毒な例には生活保護という方法もあるわけでありますから、一、二の例をもって、私はこの新しい制度そのものを否定するわけにいかないと思っております。
 しかし、重要な役割を担う介護支援専門員への支援など、解決すべき幾つかの課題が生じていることも事実であります。新年度早々に、幅広い分野からの参画を得た東京の介護保険を育む会を設置しまして、都民にとってわかりやすく使いやすいものとなるように、今後も積極的に取り組んでいきたいと思っております。
 他の質問については、教育長及び高齢者施策推進室長から答弁いたします。

   〔教育長横山洋吉君登壇〕
〇教育長(横山洋吉君) スポーツ振興投票券に関します二点の質問にお答え申し上げます。
 まず、スポーツ振興投票券の販売店についてでございますが、今回のスポーツ振興投票は、スポーツ振興投票の実施等に関する法律に基づき実施されるものでございまして、その実施内容について評価する立場にはございませんが、実施内容等につきましては、児童生徒の教育に悪影響を及ぼさないよう、国において、法に基づき適切に対処されるものと理解をいたしております。
 次に、十九歳未満の者の購入等についてですが、都教育委員会は、生活指導等に関する通知の中で、児童生徒がスポーツ振興投票券を購入することがないよう、各学校に周知徹底を図っております。販売につきましては、法の趣旨に基づき、販売者において、十九歳以上であることが不明瞭な者については、対面で、写真つき身分証明書により十九歳以上であることを確認するなど、適切な措置がとられるものと理解しております。
 なお、児童生徒への販売状況の調査は、現時点では考えておりません。

   〔福祉局長高齢者施策推進室長兼務前川燿男君登壇〕
〇福祉局長高齢者施策推進室長兼務(前川燿男君) 高齢者のデイサービス事業に関連いたしまして、五点のご質問にお答えをいたします。
 まず、通所入浴事業についてでございますが、デイサービスの一環として行われる入浴サービスは介護保険制度におけるサービスに含まれており、従前の補助を復活することは、これは考えておりません。
 区市町村が地域の実情に合わせて実施する独自の事業につきましては、都として、その立ち上がりに要する経費を高齢者いきいき事業により補助をいたしております。
 次に、デイサービス事業における機能訓練についてでございますが、デイサービスセンターでは、介護を要する高齢者に対する介護保険法の機能訓練と、介護保険対象外の人に対する老人保健法の機能訓練をあわせて実施いたしております。これらの事業につきましては、介護報酬の対象となるか、あるいは老人保健法による補助が実施されていることから、都としてご提案のような補助は考えておりません。
 次に、デイサービス事業の現状についてでございますが、介護保険制度下のデイサービスセンターは、利用者をふやすためにサービスの向上と経営改善に努めております。具体的には、介護サービス内容を充実するほか、配食サービスや生きがいデイサービス等の介護保険外の事業を積極的に受託している施設も多く見られるのが現状でございます。
 次に、デイサービスセンターへの運営費補助についてでございますが、デイサービスは介護報酬で運営するものでありますが、都は、平成十年度から二年間、介護保険に円滑に移行できるよう、デイサービス・リニューアル事業を実施し、事業主体である社会福祉法人の体質改善を支援いたしてまいりました。改善に努めた法人は、利用者ニーズの掘り起こし、時間の延長、サービスの質の向上等に取り組み、経営上の成果を上げており、改めて運営費について支援する必要があるとは考えておりません。
 最後に、高齢者生活福祉センターの整備促進についてでございますが、デイサービスセンター等に併設をする高齢者生活福祉センターは、介護サービスと居住機能があわせて提供される施設であり、今後、ケアリビングの一環として拡充を図っていく考えでございます。