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■ 議会での質問  日本共産党東京都議団


本会議 一般質問 二〇〇四年九月二九日

東 ひろたか(江東区選出)

三〇人学級の実施・・・知事は決断を
住宅の安全確保、老朽マンションの耐震化促進、消防団の本部施設整備など防災対策強化を

文科省の方針うけ、佐賀県、石川県も三〇人学級へ
知事の決断が実施の決め手
地震対策の基本となる住宅の安全の確保は都政の重要課題
老朽マンションの耐震化促進のための計画策定を
防災機関としてきわめて重要な消防団の本部施設整備を
【答弁】

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文科省の方針うけ、佐賀県、石川県も三〇人学級へ

 はじめに、長年の都民の切実な願いである、三〇人学級についてうかがいます。
 三〇人学級はじめ何らかの形で少人数学級にふみ出した自治体は急速にひろがり、今年度で四二道府県にたっしました。実施にふみ切ったところでは、学校の子どもたちはもちろん、保護者、教職員はじめ誰もが大歓迎しています。小学一・二年と中学一年の一部で三〇人学級とした鳥取県では、小学校の担任の九六%、保護者の八一%が「良い・または大変良い」と答え、教員からは「子どもの活躍する場面がふえた。学習理解度を把握しやすく、理解不十分な子によりおおく支援できた」、保護者からは「心の安定、落ち着きが感じられる」など歓迎する声が寄せられています。
 都教委は、三〇人学級を拒否する理由として、学習集団は少人数が良いが、生活集団としては四〇人を基準とする学級規模が必要だとしてきました。
 しかし小学校六年生まで三三人学級となった山形県では、校長先生が「欠席の減少」「読書の増加」「保健室利用の減少」が顕著で学習と生活が相乗的に向上したと回答しており、実際に年間四・一日の欠席が三・〇日と大幅に減ってきているのです。学習面はもちろん生活面でも、都教委の言い分がなりたたないのはあきらかです。
 文科省は、全国の自治体の流れにおされて、九月三日の事務連絡で、少人数指導の教員加配定数を、少人数学級にも、完全に自由につかえるようにするとのあたらしい方針を示しました。今回のあらたな条件を生かして、東京でも少人数学級にふみ出すことが求められているのです。
 多摩の市長会からは「少人数学級編成が可能となるよう一学級四〇人という東京都の学級編成基準の見直しを図られたい」との要望も出されるなど、都の少人数学級実施への決断をつよく期待する声が圧倒的になっています。
 こうしたもとで、全国でのこされた五都県のなかで、六月には佐賀県知事が来年度実施を表明。石川県でも、九月二十一日の県議会本会議で教育長が来年度実施を表明しました。東京都だけが文字通りとりのこされてしまいかねない状況です。
 知事、国の措置を活用するなら、これまで加配されてきた千二百五十人の教員定数のうち八百人程度をふりかえることで、あらたな都の財政負担なしに都内の全公立小学校一年生で三〇人学級を実施できるのです。

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知事の決断が実施の決め手

 「橋の一本、二本かけなくとも、子どもたちの教育のためには公共事業を節減しても実行したい」と表明して、ふみ出した山形県知事のように、おおくの県では知事の決断が実施の決め手となっているのです。
 日本共産党都議団は都内の区市町村長や教育長と懇談していますが、板橋区の石塚区長は「三〇人学級は時の流れだ」と発言し、新宿区の山崎教育長は「三〇人学級は私たちも望んでいるところ。都が三〇人学級で教員を措置してくれればありがたい」と述べています。
 こうした声があげられる背景には、東京でも不登校や学力不振などが深刻化しており、ゆきとどいた教育が切望されているからにほかなりません。あるお母さんは、「うえの子どものときは、一学年が四〇人を超えていたので、分割され少人数学級でした。そのため、すごくのびのびしたクラスになり、保護者会のたびに子どもたちがほめてもらえました。ところが、弟の場合、四〇人のクラスだったため、授業中にすわっていられない。話を聞くことができない子どもがいて、もう授業にならないような状態だった」といい、「はやく三〇人学級にしてもらいたい」と、要望していました。
 ことは他の県がやっているからというだけの問題ではありません。東京でもこうした深刻な実態だからこそ、東京都が、三〇人学級に計画的にふみだすことが緊急にもとめられています、石原知事の決断を求めるものです。知事いかがですか。
 そして少なくとも、区市町村が国のあらたな措置を活用して少人数学級にふみだすことを希望するならば、これを尊重するのは当然であると考えますがどうか。明確な答弁を求めます。

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地震対策の基本となる住宅の安全の確保は都政の重要課題

 つぎに防災対策についてです。
 関東大地震から八十年。全国で地震が頻発するもとで、東京直下型地震は、今後十年以内に四割の確率で発生するのではないかという予測もだされ、地震につよい東京をつくることは、喫緊の課題となっています。
 最近、日本木造住宅耐震補強事業協同組合が全国でこの三年間に、実施した木造住宅の耐震診断のデータを集計して発表しましたが、その内容は、実施した耐震診断四万五千件のうち、危険な住宅が七五%におよんでいるというものです。また、内閣府が九日発表した「住宅の耐震化に関する特別世論調査」は、耐震性が不足しているとわかっていても、住宅の改修を実施しようと考えている人は、四分の一の人にすぎないとしています。十年前の阪神・淡路大震災では約六五〇〇人の犠牲者が生まれましたが、そのうち、約八割が倒壊した建物の下敷きになったものでした。
 地震対策の基本となる住宅の安全の確保は、先送りすることができない、都政の重要課題であると考えますが、見解を伺います。
 木造住宅、とりわけ木造住宅密集地域の改修がいそがれているにもかかわらず、改修事業は遅々としてすすんでいないのが現状です。
 木造住宅密集地域の改善は、本来、従前居住者の居住継続を前提とした修復型が基本とされるべきですが、最近は、大型道路や再開発と一体ですすめる事業もみられます。このような事業方式は、住民、とりわけ借家や借地に住む住民の居住継続を困難にする場合もおおく、疑問の声もあげられいます。
 そこで、木造密集地域の整備の実施にあたっては、都として種地を確保することや公営住宅の建設で、事業実施によって居住継続が困難となる住民の居住を保障することが、欠かせませんが、どうか。
 また、墨田区京島地区のように、住宅のセットバックなどによる域内生活道路の拡幅、既存住宅の耐震・防火改修、建て替えなどによる防災機能の向上を、住民主導ですすめること。停滞している現状を打開するために、都がモデル地区をさだめ、財政、技術、人を集中的に投入して事業を実施することなども考えられると思いますが、見解を伺います。
 個々の住宅の防災機能をたかめることもいそがれています。
 この点では、静岡県が「減災」の立場から木造住宅の耐震補強に補助をおこなうことを開始しましたが、都内でも中野区が古い木造住宅を耐震改修し、震度六以下の地震で全壊した場合、かかった費用を区が補償する制度を今年度実施しましたが、昨日までに、すでに、百八十九件の予約申し込みがあったそうです。また、墨田区では、木造密集地域の対策のための検討委員会をたちあげ、区内の五万戸におよぶ木造密集地域の住宅の倒壊防止策として、三〇〇万円を限度にした倒壊防止策の導入を検討するなど、大地震から都民の生命と財産をまもるための対策が、区段階ではじめられています。
 そこで、区市町村が木造住宅の、耐震診断、耐震補強や防火対策への助成にふみだした場合、都として財政的に支援することが、住宅の安全化を推進するうえでおおきな役割を果たすことになると思いますが、どうか。

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老朽マンションの耐震化促進のための計画策定を

 マンションの対策も重要です。
 先日、紀伊半島沖の海底地震の際には、五百キロ以上離れたこの東京でも、ゆっくりとした震動が発生しました。これは長周期地震動といわれるもので、北海道の十勝沖地震では、遠く離れた苫小牧の石油タンクが共鳴して大災害をおこしたことは記憶にあたらしいところです。長周期地震動は、低層の家屋や中層のビルなどでは影響は見られず、高さ百メートルを超すような超高層ビルの高層部で、数メートルのゆれが発生すると言われているものです。
 いま、都心部を中心に、超高層の住宅ビルがあいついで建設されており、その対策の必要がさけばれているところです。わが党は本年、この長周期地震動の対策をもとめた際に、都は「研究」するむねこたえられました。
 そこで、長周期地震動の対策について、都としてどのようにすすめているのか、あらためて伺うものです。
 老朽マンションの対策では、わが党は調査を提案しましたが、その後、都は築三十年以上の老朽マンションの調査をおこない、昨年、結果を発表しました。その結果は、おおくのマンションが耐震診断もうけてなく、診断の結果、対策が必要とされても耐震補強できないマンションが残されています。せっかく、実施した調査を宝の持ち腐れにしないために、都として、老朽マンションの耐震化促進のための計画策定にふみだすべきではありませんか。それぞれ、答弁をもとめます。

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防災機関としてきわめて重要な消防団の本部施設整備を

 地域防災の不可欠な担い手としての二三区消防団に対する支援策について伺います。
 いうまでもなく消防団は、日頃から、地域社会に溶けこみ各種の災害対応や警戒活動にあたるなど、多岐にわたる活動を展開しています。特に、震災等の大規模災害発生時には、地域の実情に精通し、発生時に即時に対応できる防災機関としてきわめて重要な存在です。
 消防団にその役割を発揮してもらううえで、とりくむべき課題はさまざまありますが、本日は、もっとも切実な課題として、すべての分団に本部施設を整備する問題について伺います。
 もともと消防団の活動単位は分団です。二三区内には四百三十九の分団があり、このうち、百九十六分団が本部施設未整備となっています。やむを得ず、それらの分団が本部としてあつかっている防災資機材格納庫のおおくは、会議スペースもなく、トイレもない、電気もない、電話もテレビもファックスもない、というのが実情です。しかし、分団にとっては責任をもつ地域に団員があつまり、うち合わせをすることができ、いざというときにはかけつけ待機することができる拠点施設はどうしても必要です。そういう本部施設がない分団は、台風などの警戒待機の出動などの時は、腰をおろす場所もないまま、風雨にさらされて待機しているのです。町会事務所や神社の社務所を借りる分団もありますが、急な場合や、年末警戒など何日もつづく場合などは借りることがむづかしいといいます。なかには、近所のそば屋の二階を借りてあつまるという赤穂浪士の討ち入りみたいな分団もあります。
 にもかかわらず、石原都政になってからこの五年間に、分団本部が整備されたのは、おおい年で三棟、少ない年は一棟で平均、年二・四棟という状況です。これでは全分団に整備されるには八十年かかります。
 消防庁は消防庁単独の整備だけでなく他局や区の公共機関と連携するなどさまざまな手段を講じて全分団に本部機能をもつ施設を目標年次を明記して、整備計画をつくるべきと考えますが、答弁を求め、質問を終わります。

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【答弁】

○知事(石原慎太郎君)
 東ひろたか議員の一般質問にお答えいたします。
 三十人学級についてでありますが、これは、他の道府県がやっているから東京都もと付和雷同的に考える問題ではなく、あくまで、教育効果という観点から都が主体的に判断すべきものであると思います。
 教育委員会が、児童生徒が集団生活の中で社会性を養うという観点から、生活集団としての学級について一定規模が必要であるとする点については全く同感であり、学級編制基準を四十人とする教育委員会の判断は妥当であると思っております。
 他の質問については、教育長及び関係局長から答弁させます。

○教育長(横山洋吉君)
 少人数学級に関します区市町村教育委員会の希望の尊重についてのお尋ねでございますが、文部科学省におきまして、少人数指導等のための加配定数の基礎定数化を検討しているとは聞いておりますが、その措置によって、四十人を下回るような少人数学級を実施するための教員定数がふやされるものではないと承知しております。都としてはこれまで、加配定数を活用しまして成果を上げてきた習熟度別授業等の少人数指導をやめてまで少人数学級を実施しなければならないとは考えておりません。
 都教育委員会としましては、教育効果の観点から、引き続き現行の学級編制基準を維持することが妥当であると考えております。

○都市整備局長(梶山修君)
 防災対策に関する六点のご質問にお答えいたします。
 まず、地震対策における住宅の安全確保についてでございますが、都は従来より、災害時に危険度の高い木造住宅密集地域を対象に、住宅の不燃化、共同化を初めとする各種施策を総合的に展開し、市街地の安全性の向上に取り組んでまいりました。
 また、震災時の建物倒壊などから都民の生命を守るため、耐震診断に関するパンフレットなどを作成し、都民に配布するとともに、都民みずからが簡易に耐震診断ができる方法の周知など、地震に強い住宅づくりを支援してまいりました。
 今後とも、地震時においても逃げないで済む、安全で安心して住める、そういったまちの実現に向けて取り組んでまいります。
 次に、木造住宅密集地域の整備に当たっての居住継続についてでございますが、木密地域の安全性を高めるためには、建物の不燃化とともに、道路や公園などの防災空間を確保することが必要であります。
 これらの公共施設整備に伴って、移転や一時的な転居が必要となる住民に対しては、これまでも、コミュニティ住宅と呼ばれる従前居住者用住宅の建設や、都営住宅の期限つき入居制度の活用などにより適切に対応しております。
 次に、木造住宅密集地域における事業の実施についてでございますが、住宅の建てかえに合わせて整備を行う、お話しの修復型の事業だけでは、整備時期が明確に定められず、防災性の向上を早期に達成できない面がございます。このため、防災都市づくり推進計画で定めた重点整備地域など、整備の必要性が高い地域では、待ちの姿勢ではなく、一刻も早く成果があらわれるような取り組みが不可欠であります。
 今後は、都と区が連携し、新たな防火規制の導入や、道路、公園などの基盤整備とあわせた周辺整備を推進し、木密地域の防災性の向上に努めてまいります。
 次に、木造住宅の耐震診断への助成についてでございますが、耐震診断などは本来、建築物の所有者などの責任において行われるべきものでありますが、都としてはこれまでも、耐震診断講習会を開催するとともに、簡易診断法の周知を行うなど、都民への普及啓発に取り組んでまいりました。
 今後は、ご指摘のような区市町村への財政支援ではなく、連絡協議会を設置するなど、区市町村との連携を強化することにより、木造住宅の耐震改修の促進に努めてまいります。
 次に、長周期地震動に対する対策についてでございますが、巨大地震による長周期地震動の超高層建築物などへの影響や対策につきましては、土木学会及び日本建築学会が合同で特別委員会を設置し、検討を進めているところでございます。
 都としては、今後、この検討結果を初め、国の動向にも注目しつつ、適切に対応してまいります。
 最後に、老朽マンションの耐震化の促進についてでございますが、都では平成十二年に耐震改修促進実施計画を策定し、これに基づき、新耐震基準以前に建てられたマンションの所有者などに対しまして、耐震診断、耐震改修の必要性を周知するほか、診断機関の紹介や各種融資、助成制度の紹介を行っております。
 今後とも、区市町村と連携し、耐震化の促進に努めてまいります。

○消防総監(白谷祐二君)
 特別区消防団の分団本部施設の整備についてでありますけれども、特別区消防団の分団本部施設は、平時の災害はもとより、震災時におきましても消防団の活動拠点として重要な施設であります。これらの分団本部施設の中には、老朽なものや狭隘となっているものもありますため、その整備につきましては緊急の課題であると認識しております。このため、引き続き、構造、建築年、狭隘度等を勘案いたしまして、順次計画的に整備を推進してまいります。