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■ 議会での質問  日本共産党東京都議団

予算特別委員会 総括質疑

大山とも子(新宿区選出)  2001年3月16日

医療と福祉、生活の場としての成東児童保健院は存続を。ホーム転落事故防止のための対策を万全に

-- 目 次 --

〇大山(と)委員 重症のアトピーなどの慢性疾患、また、周産期の医療が前進して、超未熟児で生まれてきたゆえのさまざまな病気を持つ子どもがふえてきました。その一方で、児童虐待、家庭崩壊など、子育て家庭にはますます難しい問題が広がっています。
 このような子どもと家庭をめぐる変化の中で、医療と福祉、生活の場を同時に必要としている子どもたちの成長をどう保障するのかは、今新しい課題となっています。私は、まさにこういう新しい課題を最先端で担っている都立成東児童保健院の問題を中心に質問したいと思います。

病院と児童擁護施設併設は全国二箇所だけの貴重な施設

 全国にも、病院と児童養護施設が併設されているのは、成東のほかに、岩手県のみちのくみどり学園だけで、全国二カ所の貴重な施設です。東京都は、この成東児童保健院を十四年度末で廃止をする方向を出したわけですが、その理由は、結核や気管支ぜんそくなど、転地療養が目的で入所する児童が減少してきたことなどから、総合的に判断して廃止することとしたということでした。しかし、この理由は全く当たりません。結核や気管支ぜんそくが減ったから成東児童保健院は要らなくなったのでしょうか。それは違います。
 先日も、成東児童保健院に伺ったのですが、夕方だったので病院の方に行きますと、膠原病の女の子、腎臓移植をした男の子、気管切開している女の子など、プレールームで遊んでいた数人が迎えてくれました。
 お配りいたしますけれども、この資料は、十一年度版の事業概要です。これパネルです。これでわかるように、入所している子どもの病気でいえば、結核の子どもは今はいません。今ごろ創設当初のねらいを出してくること自体が、話がずれているんです。歴史的な経過からいっても、結核の子どもたちが減った後は、ぜんそくの子どもたちがふえ、現在は、この表でわかるように、一人で二つも三つも病気を持ち、例えば腎臓移植を受けたけれど慢性腎不全になっているお子さん、膠原病の子、それから心疾患、また、人工肛門をつけているお子さん、重いアトピーなど、さまざまな慢性疾患があります。六十一名で五十二種類の病気です。不登校というのも幾つかありますけれども、これも病気が原因でいじめられて、そして不登校になるという結果なのです。

七七%の子どもが医療的な管理と大人の管理を必要としている

 また、どういう病気の状態かということですけれども、成東児童保健院に過去五年間入所した子ども百三十五名のうち、七十名の実態調査によりますと、病棟部門と医療部門合わせますと、日常的に医療的な管理が必要な子どもが、七十名中三十三名、四七・一%、病気に対して大人の管理が必要な子どもは、七十名中二十一名、三〇%です。医療的な管理と大人の管理のいずれかを必要としているということは、ちょっとした配慮だけでは健康を維持できないという子どもであり、そうした子どもが成東児童保健院には、七十名中五十四名、七七・一%です。
 成東児童保健院の子どもに特徴的なことは、病気を管理できない家庭が多いこと、つまり、家庭で子どもの病気を管理できない場合に、家庭にいる子どもは、健康を害する危険がある子どもが多くいるということです。

被虐待児の割合も多い

 また、被虐待児あるいは虐待の疑いがある子どもの割合も大きく、家庭にいると生命が危険四名、病状が悪化する十九名、極度のストレス下に置かれる二十五名、発達に影響する十名など、健康、発育に影響がある子どもが多かったというのが実態調査の結果です。みちのくみどり学園も、子どもたち、家庭の状況、成東児童保健院とほぼ同じです。
 こうした子どもたちが、施設や関係者の皆さんの懸命な努力によって、入院している子どもたちも寮に住んでいる子どもたちも、一人残らず成東町の普通の学校に通っています。病院にいても施設にいても、社会につながっているというところなのです。

成東を廃止したら普通に学校に通えない

 成東児童保健院を廃止にしてしまった場合、この子たちは、今と同じように医療と福祉のケアを受けつつ、普通に学校に通えるのでしょうか。
〇今村衛生局長 お答えいたします。
 お配りされた資料で六十一名となっておりますが、現在は、措置がえが進んでおりまして、現員は四十六名でございます。どのお子様が退院したかというのは、ちょっとわかりません。
 現在入所している児童のほとんどは、児童養護施設において、その施設に配置されている嘱託医や地域の医療機関との連携によりまして、健康面の配慮を受けながら学校に通うことができるものと考えております。
〇大山(と)委員 今四十六人とおっしゃいましたけれども、措置停止をしていますから入れていない状況なんですね。ですから、四十六名になっています。
 そして、今のご答弁の中に、ほとんどの子どもはというふうにご答弁がありましたけれども、ほとんどに入らない子どもというのはどうするんでしょう。その子たちはどこで受け入れて、そして、重い病気を持ちながらも地域の学校や幼稚園に普通に通えるという生活を保障できるのでしょうか。
〇今村衛生局長 現在、成東児童保健院に入所している児童は、病状が比較的安定しておりますので、施設から近隣の学校へ通っております。病状により必要な場合には、地域の医療機関に通院するほか、千葉県こども病院や都内の大学病院などに入院をあっせんすることもございます。
 受け入れ先につきましては、児童本人や保護者の意向を踏まえながら、退所時点での児童の健康状態等を十分に見極めた上で判断することとなります。
 その時点で、長期に入院が必要となる児童についても、病院内での訪問教育などを利用することにより、同じような生活ができるものと考えます。
 個々に非常に重い方がいらっしゃるのは十分承知しておりまして、まだ二年間先のことでございますので、その間、十分ご相談に応じながら、個別のご相談に乗っていきたい、こう考えております。
成東を出ても、いまと同じ生活ができるという認識は間違っている
〇大山(と)委員 今と同じような生活が保障できるでしょうかという質問です。今の認識は、全く間違っているというふうに思っています。それは、今と同じ生活ができるということは、今のご答弁では到底いえないということです。今は、重い病気を持ちながらも、町の学校に通っているんです。歩いていけない子も車で送迎してもらって、毎日普通の学校に通っています。
 教育長に聞きますけれども、衛生局長が今ご答弁した訪問教育は、一体、週に何日、一日何時間あるのでしょうか。
〇横山教育長 都立養護学校では、病院に長期に入院している児童生徒を対象としまして訪問教育を実施しておりますが、児童生徒の病気の状態を考慮しつつ、週三回、一回二時間程度を標準として授業を行っております。
〇大山(と)委員 学校に通えないわけですね。病院に先生が来るわけです。週に何時間か訪問教育を受けるだけなんです。これだけ聞いても、現状から大幅な水準低下になります。大人がきちんと手をかけてあげれば、普通に学校に通って生活できる子どもたちを、病院のベッドの生活、社会的入院にしてしまう。これは、ノーマライゼーションの理念にも逆行するのではないでしょうか。
 私は、成東児童保健院を卒院した方々にも会って、何人かからお話を伺いました。中学一年の三学期から入所した方は、そのころは二、三歩歩くと苦しくなるほどのぜんそくでしたから、強い薬がやめられず、抵抗力はなくなるし、いろいろな病気も出てしまいました。成東に来て、二十日間の点滴で薬がやめられ、夜中に発作が起きたとしてもすぐ治療してもらえるから、次の日も普通に学校に行けました。学校には歩いて行くことはできませんでしたが、車で送り迎えをしてくれたので毎日学校に行けました。東京にいるときは、何かみんなと一緒にやるなんてなかったし、自分が動くとみんなが迷惑だと思っていたから、なるべく動かないようにしていたとい うのです。だから、学校に行こう、走ろうなんて思わなかった、成東児童保健院に行って初めて走ってみたい、そう思ったというのです。これこそ学校に行っているということではないでしょうか。その方は、成東での生活があったから今の社会生活ができる、病院に入院していたのでは、病気は治せるかもしれませんが、日常生活への復帰はできないと語ってくれました。
 学校に上がった子どもだけの問題ではありません。現在六歳の女の子、わずか七百六グラムで出生、周産期医療の緊急ベッド、NICUで危うい命を取りとめたものの、生後百五十六日で気管切開、言葉が出ないまま病院と乳児院を往復後、三歳で成東に入所してきました。私が先日伺ったときには、看護婦さんに呼ばれた彼女がうれしそうに跳んできて、あした子ども病院に行くと話しかけてくれました。

成東だから発達が保障できた、今後ますます必要性は高まる

 成東に来たときには、全く言葉が出ないので、意思疎通ができないで、自分で自分をたたいたり、かみついたりしていました。乳児院のときからの身ぶり手ぶりで意思疎通をしつつ、成東町にある障害児の保育園に通い、同時に言語療法士による言語訓練も行うことによって、発声できるようになりました、そして言葉が出るようになったんです。急速に言葉で伝えようという意欲が大きくなって、同時に心も体も成長してきました。現在は週一回ですけれども、町立の幼稚園にも通園しています。この子は三歳で入園してきています。成東がなくて最初から病院に入れてしまったら、果たして現在のこの生活や発達が保障できたでしょうか。
 このような問題は、この子だけの問題ではありません。未熟児に被虐待児が多いということはいわれていますけれども、九二年に出された報告では、出生体重が千五百グラム未満では、三千グラム以上の四十倍ほどの虐待の発生がある。虐待され始めた年齢は、八〇%以上三歳以下だったとなっています。未熟児に合併する危険の高い疾病や病態、その結果としての育児上の困難、いずれも虐待発生の重要な因子として従来から指摘されてきたことです。
 NICUで一生懸命に命を救ったら、その大切な赤ちゃんがどの子も豊かに生きられるようにすることが、自治体として同時に重要です。今後は、ますます成東児童保健院の必要性が高くなります。一方で、もちろん未熟児が虐待のリスクになるということはわかっているのですから、もちろん予防も必要です。
 このようなことを考えますと、医療的なケアと養護の両方が必要な子どもが今後も出てくると思いますけれども、どうですか。
〇今村衛生局長 医療的ケアと養護が必要な児童が若干いることについては、承知しております。そのような児童につきましても、乳児院や児童養護施設等において、嘱託医や地域の医療機関との連携によって、適切な対応が可能となるものと考えております。
〇大山(と)委員 承知しているというわけですよね。そして今、実際に成東児童保健院にいる子どもたちも、大体の子どもは児童養護施設に行くけれども、児童養護施設に行けない子どもたちもいるのだということを、衛生局は知っている。そして、なおかつ、医療的ケアと養護が必要な児童がいることについても承知しているというわけですよね。

医療的ケアと養護が必要な子どもたちのために措置を再開すべき

 成東児童保健院は、医療的ケアと養護が同時に必要な児童のための、全国で二カ所しかない施設なんです。先進的な施設なんですよ。超未熟児で生まれても、NICUで命は助かります。しかし、その先の成長をしっかり保障するための体制整備というのは、まだまだ不十分なんです。そのために大事な役割を果たしている成東児童保健院を、今どうして廃止するのか。新規入所措置は既に停止されているわけですけれども、どうしてそういうことをするのか、私は理解できません。
 医療的ケアと養護が必要な子どもがいるということをご承知だというのだったら、成東を廃止にする理由などないではありませんか。せめて措置は再開するべきではないのですか。
〇今村衛生局長 成東児童保健院につきましては、先ほど先生からご指摘がありましたとおり、児童福祉法の一部改正等を踏まえまして、関係局で構成する施設のあり方検討会で検討した結果、総合的に判断して、平成十四年度末を目途に廃止することとしたものであります。
 廃止の理由につきましても、先生ご指摘になりましたけれども、結核や気管支ぜんそくは、医療技術等の進歩により、必ずしも転地療養を必要としなくなってきており、これを目的として入所する児童が減少してきたこと、また、都内から遠隔地にあって、児童と保護者との関係を疎遠にする一因となっていること、さらに、医療的ケアの必要な児童についても、児童養護施設等において対応できることなどが挙げられます。
 一千坪もある閑静な敷地内で多数の職員が世話をしながら転地療養を受けるという環境は、大いに恵まれていて、理想的なものであると思いますけれども、しかし一方では、税をもってする費用と事業の効果から判断すれば、セカンドベターの措置も選択せざるを得ないということも理解いただきたいと思います。
 いずれにいたしましても、廃止に当たりましては、三年間の経過措置を設けるなど、児童の進路等に配慮し、適切に対応していくつもりでございます。
〇大山(と)委員 衛生局長、今、病院で受け入れなければならない、児童養護施設は無理な子どもたちがいるということも認めた上で、そういうことをおっしゃっているんですよね。医療的ケアが軽くて済む子は、普通の児童養護施設でも対応も可能です。しかし、もっと手厚い医療が必要な子どもは、お医者さんもいない、看護婦さんの配置も不十分な普通の児童養護施設では、対応は不可能なんですよ。だから、成東を廃止した場合、病院のベッドに戻らざるを得ない。衛生局長だってさっき、病院に入院せざるを得ないというふうに答弁したじゃないですか。全く理解できないですよ。
 私は、保護者の方にも会ってお話を聞きました。膠原病で重い経過をたどっている、今度高校生になるお子さんのお父さんです。児童養護施設で受け入れられない子については、都立病院等で受けると東京都はいっているけれども、お父さんはどう思いますかと聞いてみました。膠原病は薬の副作用で血管がだめになってしまうので、同じ病気で亡くなった妻のように、いずれは病気が悪化し死んでしまうことは覚悟していますが、そうでないのに入院させることはできないと、憤りをもって答えていらっしゃいました。
 成東児童保健院の院長先生だって、現在は曲がりなりにも普通の生活をしている子どもたちです、病院で生活するという、寝ている生活では合わない、といって児童養護施設では無理と、つらそうに語っていらっしゃいました。
 このように、成東児童保健院は今日的な意義がますます大きくなっているんです。同様の事業を行っているみちのくみどり学園は、同じ敷地の中に子ども病院と児童養護施設が合築されており、県立の病弱養護学校も併設されています。しかも、虐待を受けた子どもたちの心理的な治療施設である情緒障害児短期治療施設まで設置されていました。この学園の施設長さんは、医療と養育が同時に必要な病弱、虚弱の子どもたちの施設は、全国的にもっと充実させる必要があると、熱い思いを訴えられておりました。
 そして私は、岩手県の担当者の方にもお会いしましたが、県はこの施設の役割の重要性を認め、厚生省に一層の支援の充実を要望しているのです。

成東の事業は今日的な課題、子どもたちを育む対策と施設の充実を

 知事、今まで話してきたように、東京にはいろいろな子どもたちがいるんです。知事が府中療育センターで出会った子どもたちのように、重度重症の障害を持ちながらも、職員の献身的な働きによって、子どもたちは懸命に生き、親御さんたちはわずかな成長にも喜びを持つことができています。
 成東児童保健院の事業は、超未熟児、難病など病気を持ちながら、虐待を初め家庭の問題も抱えている、まさに今日的で新しい問題です。そして、こういう子どもたちは今後ますますふえると思われます。だからこそ今、行政が、医療と福祉と生活の場を同時に保障することが必要な子どもたちへの対策をしっかりと立てるときではないでしょうか。
 この子たちをはぐくむ対策と施設の充実を、知事にぜひ検討していただきたいと考えますが、知事、いかがですか。
〇石原知事 ご承知のように、東京都は各般多様な事業を行っているわけでありまして、それをそれぞれ相対的に比較、勘案しながら、やはり費用対効果という観点から、すべての施策の不断の見直しが必要であります。所期の目的を達した施設の廃止や見直しは当然でありまして、成東児童保健院も同様だと心得ております。
 その一方では、東部医療センターの建設や小児救急医療体制の強化など、新しい施策にも積極的に取り組んでおります。
 成東児童保健院の廃止に伴う児童の措置がえ等、諸般の手続や相談体制等に万全を期すよう、関係局に指示しております。
〇大山(と)委員 今私がるる述べたことは、この成東児童保健院の所期の役割は、時代によって、子どもたちの状況によって変わってきた。そして今、児童虐待がふえてきている、そんな中で、超未熟児でしかも病気を持つ子どもたちが今後ふえてくると。先ほど、小児救急を充実するというふうにおっしゃいましたけれども、NICUなどをきっちりと整備をして−−そして、子どもの命は本当に六百グラムでも生きられるようになってきたんですよね。しかし、六百グラムの子どもたち、その約半分の子どもたちは、なかなか困難な状況で育たざるを得ない。そして、この虚弱や超未熟児を原因として虐待が起こってしまう。これも残念ながら今の現実なんです。だからこそ、今、成東児童保健院は役割が今日的に大変重要ですし、今、その子どもたちの医療と福祉と、そして生活を同時に保障する役割を、東京都が今日的な意味で考えていかなきゃいけないんじゃないかということを提起したわけです。
 ぜひ今の、この今日的な役割をきっちりと踏まえて検討していただきたいというふうに思っています。

二重事故の危険が指摘されていた鉄道ホーム転落

 それでは次に、鉄道ホーム内の安全対策について伺います。
 新大久保駅でのホームからの転落事故で、三人の方のとうとい命が奪われました。安全であるはずの交通機関、そこで命を奪われたことの悔しさ、とうとい命をむだにしないためには、この事故から私たちが教訓を学び、生かすことではないでしょうか。
 私も、事故の現場を調査して、駅長室で花を供えました。そのとき、ふと駅務室の掲示板を見ますと、新大久保駅の要注意箇所、時間、事項という職員向けの掲示があったんです。要注意事項が二つありました。その一つが、酔客のホームからの転落というものでした。まさに注意しなければならないことだと認識していたということではないでしょうか。
 しかし、新大久保駅は、民営化による人減らしによってホーム要員はいない、ラッシュ時間帯だけ駅員さんが出るという体制でした。危険は承知でも、対応ができなかったわけです。これは、韓国の留学生のお父さんが、ホームに駅員がいれば転落を防げたのではないか、まさにそのとおりです。ホームに駅員さんがいれば、酔っぱらったお客がホームから転落することがないよう注意を促すことも、また、見守ることもできるわけです。しかも、転落が日常的にあるということは、その後の新聞報道などでも改めて思わされた次第です。
 この一月二十六日以降の新聞報道だけでも、例えば一月二十六日、女性が貧血で線路に転落。二十六日、三十二歳の男性が転落。そして二十七日、やはり転落。そして二十七日、同じ日、電車のすき間に三歳の女の子がおっこちる。さらに二十九日、登校途中の高校生が意識を失って転落する。このように、二十六日以降、二月九日までだけでも、新聞報道だけでも十件あったんですね。
 これは、国労新橋支部が、山手線のホーム内事故の実態を調査したものです。現場で働いている人たちでさえも、予想以上に事故が多いということがわかりました。このときに、既に一年間で、ホーム要員がいないために、ほかの乗客同士が協力して救助している例が、何と二十一件以上あった。二重事故の危険性をこのとき既に指摘しているんです。

ホーム要員配置のルール化を

 新大久保駅で注意すべき時間帯や場所、事柄がわかっているように、現場ではどこの駅でもわかっているはずです。わかっていても実行できないのは、それがルールになっていないからです。必要なホーム要員の配置についてルール化するよう、JRを初め各事業者に呼びかけたらどうでしょうか。
〇山下都市計画局長 駅構内の安全対策など鉄道の運行管理に関することは、国の適切な監督のもとに、鉄道事業者が主体的に取り組んでいるところでございます。
 しかし、安全対策は都民にとっても重大な事項でございますので、都といたしましても、都民の安全を守る立場から、適切な対策がとられるよう、機会をとらえて国等に働きかけてまいりたいと存じます。
〇大山(と)委員 ぜひルール化ということを含めて、呼びかけていただきたいというふうに思っています。

事故防止に役立っている三田線のホームゲート

 ソフトの面では人の配置が不可欠なわけですけれども、同時に、転落を未然に防ぐということでは、転落防止さくは有効です。私もよく視覚障害者の方々と駅の調査をしますけれども、視覚障害者の方々は、ホームは欄干のない橋のようなものだというんですね。きちんと欄干をつけてほしいというふうにおっしゃいます。そのとおりだというふうに思います。幾ら点字ブロックがあるといっても、人がその上にいたり、それから荷物が置いてあったりして、点字ブロックから外れてしまうと、なかなか戻れないというふうにおっしゃっています。
 都営交通では、三田線に最近ホームゲートをつけましたけれども、この三田線にホームゲートを設置した理由は、ワンマン運転支援のためだというふうにおっしゃっていましたが、このさくは、結果的には転落を未然に防ぐことに大いに役に立っているのではないでしょうか。
〇寺内交通局長 三田線の可動式ホームさくは、三田線の目黒延伸と、東急目黒線との相互直通運転に伴いますワンマン運転支援方策の一つとして設置したものでございます。この可動式ホームさくの設置によりまして、ホームと軌道とは遮断されておりまして、可動式ホームさくの設置後、三田線でのホームからの転落は発生しておりません。
〇大山(と)委員 発生していませんというのは、大いに役立っているということですね。
 国土交通省が、新大久保駅の事故をきっかけに、プラットホームからの転落事故に対する安全対策についてという通知を出しています。その中に、ホームさく等の設置に関する検討が入っています。三田線のホームゲートが役に立っているのですから、計画的につけられるようにしていくことが必要だと思います。

安全基準など国の責任で対策を

 それともう一つ、知事に最後に伺いたいんですけれども、都知事にとって、都民や滞在者の安全を確保することは重要な仕事なわけです。乗客の安全を確保するためにホーム要員を配置することや、転落を未然に防止するためのホームさく等の設置を含めた安全の基準を国として定め、国の責任で実施するよう要望することが必要だと思います。
 前半のものは交通局長に、そして、知事に最後にご答弁をお願いします。
〇寺内交通局長 新大久保駅におきます事故後、都営地下鉄では、職員による巡回の強化や緊急停止装置の整備などによりまして、ホーム上の安全対策を一層充実させてきているところでございます。
 ホームさく等の設置には、相互直通運転各社との調整、車両や運転保安装置の大幅な改造やホーム構造の変更など、技術的に解決すべき課題に加え、資金面での問題もございます。
 ホームさく等の設置に関しましては、今後、国土交通省の通知を踏まえて、技術的可能性について検討してまいります。
〇石原知事 鉄道事業においては、安全はすべての基本でありまして、これはあくまで国の指導監督のもとに、各鉄道事業者がそのための措置を万全に講じるべきものであります。
 聞くところ、国は、さきの新大久保駅の事故を受けて、鉄道事業者に対しまして、非常停止ボタンの設置を初めとする緊急安全対策などを指示したようでありますが、都といたしましても、今後、都民の安全を守る立場から、国や鉄道事業者に乗客の安全確保を働きかけていくつもりでございます。
〇大山(と)委員 ぜひ積極的によろしくお願いいたします。(拍手)