クマ被害防止についての申し入れ
(写真左から)申し入れを行う里吉ゆみ(世田谷区)、斉藤まりこ(足立区)、田中とも子(北多摩第三)、米倉春奈(豊島区)、藤田りょうこ(大田区)、とや英津子(練馬区)各都議(2025.12.19)
日本共産党都議団は19日、標記の申し入れを小池知事あてに行いました。環境局の担当課長らが対応し「申し入れにあるように、最終的には人とクマとの共存が目標。鳥獣保護事業管理計画が来年度改定になるので、そこに向けて専門家を含め、科学的なエビデンスをもとに考えていきたい」などと述べました。
申し入れ内容は以下のとおりです。
東京都知事 小池百合子 様
クマ被害防止についての申し入れ
2025年12月19日
日本共産党東京都議会議員団
クマが人の生活圏に出没し、被害を及ぼす事態が全国で発生し、都内でも多摩西部を中心にツキノワグマの目撃情報が多数寄せられています。冬眠の時期を迎えても、果樹などに餌付いてしまった個体が冬眠せずに出没する可能性や、有効な対策が講じられなければ、今後、出没範囲が拡大する可能性も指摘されています。
クマ被害の発生・拡大を防止するために、当面の対策が急がれると同時に、都が中長期的なツキノワグマの管理計画をたて、クマと人の棲み分けによる共存を目指し、腰を据えた対策をすすめる必要があります。この見地から、以下について要請します。
1、都がこれまでに実施したツキノワグマの生態調査を専門家の力も借りて分析し、傾向と対策を明らかにすること。
2、1を踏まえ、都としての中長期的なツキノワグマの管理方針を示すうえでも、ツキノワグマについて第二種特定鳥獣管理計画(以下、管理計画)を策定すること。
3、管理計画にゾーニング対策を明記し、都が都内での具体的なゾーニング計画を策定、実施すること。
4、他県では実施されている堅果類(ドングリ類)の豊凶調査を都が行い、都民にわかりやすく報告し、クマ被害の予防に役立てること。
5、自治体が実施する対策講習会、緩衝帯の整備、電気柵の設置などの対策に財政支援を強化すること。
6、引き続き広報を強化し、クマ被害防止のための正しい知識や情報を普及すること。
7、本来の生息地以外へのクマの移動を防止するため、都所管の緑地・河川等の環境管理(藪の刈り払いなど)を強化すること。多摩川の河川敷の管理強化について、国に要請すること。
8、東京都がイニシアチブをとり、「特定鳥獣保護・管理計画作成のためのガイドライン(クマ類編)改定版」が定める「関東山地ユニット」全体でツキノワグマの保護・管理方針を定め、関係各県と広域協議会を設置し、各都県の連携・役割分担にもとづいて、ユニット単位での広域的な保護管理の運用を進めること。
9、環境省からの審議依頼に対する日本学術会議の回答(2019年)もふまえ、野生動物管理の専門職を都の正規職員として配置・育成すること。
10、ツキノワグマを含む野生動物の科学的な管理の推進に向け、都の研究機関における専門部署の設置および大学等との協働体制を構築すること。
以上
