ご意見・ご要望
ページトップヘ

申し入れ・談話

2025.12.25

異常な物価高騰などで都民生活が極めて深刻な事態に陥っているもと、東京都として高すぎる国民健康保険料(税)を引き下げるため、あらゆる努力を求める申し入れ

申し入れを行う参加者ら(2025.12.25)

申し入れ全文(PDF)


東京都知事 小池百合子 殿

                  2025年12月25日
日本共産党東京都委員会
日本共産党東京都議会議員団
日本共産党区市町村議員団

異常な物価高騰などで都民生活が極めて深刻な事態に陥っているもと、東京都として高すぎる国民健康保険料(税)を引き下げるため、あらゆる努力を求める申し入れ

 東京都は、11月25日の都国民健康保険運営協議会で、26年度国保料について、各区市町村が保険料率を定める際の基礎となる納付金額の総額を、国の仮係数に基づいて4460億円と試算し、今年度比で119億円も増額することを明らかにしました。そこには、26年度から新たに課せられる「子ども納付金」91億円を新たに加えています。

 これをもとにした1人あたりの国保料は、自治体独自の法定外繰入を行わない場合、国保加入者1人あたり19万1682円、今年度17万9856円と比べ1万1826円(1.066倍)もの大幅値上げになるとの試算を示しました。

 政府・厚労省は、国保水準の完全統一に向けた自治体への働きかけを強めています。そのもとで東京都は、国の方針に従い、24年に国保運営方針を改定。現在2030年度までに保険料を納付金ベースで統一化するとして、来年度は納付金の算定基準の一つとなっている医療費水準の反映を、50%に引き下げて納付金額を試算。また改定国保運営方針をさらに見直して、完全統一する目標年度を盛り込もうとしていることを明らかにしています。

 これらの都の行動は、各自治体による「決算補てん等目的」の法定外繰入の削減をさらに推し進め、保険料の値上げに拍車をかけることになっています。このままでは、1人あたり年20万円も超える保険料(税)となることは必至です(法定外繰入を行わない場合)。

 この間、年金、医療、介護などの社会保障改悪と消費税増税のもとで、貧困と格差が拡大し都民のくらしは悪化の一途をたどり、さらに異常な物価高騰は、都民生活を窮地に陥れています。ところが高市政権の掲げる経済対策などは、物価抑制どころかさらなる物価高騰を招き、また医療、介護などの負担増を打ち出し、深刻な国民生活に追い打ちをかけています。

 そのようなもとで、今でも高くて払えない国保料(税)がさらに大幅に引き上がることになるならば、被保険者にとって負担能力の限界をはるかに超え、より一層深刻な事態を招きかねません。

 都内の国保加入者の6割が所得の低い非正規労働者や無職者・年金生活者で占められているのに保険料(税)は高いという構造的な問題を持っているもとで、被保険者に一層の保険料(税)負担を押し付けることは、国保制度を根底から崩しかねません。

 本来、住民の命と健康を守るべき医療保険制度が、生活苦を増大させ、医療を受ける権利を奪うなどということはあってはなりません。

 よって今こそ東京都が、国保事業の運営に中心的な役割を果たす保険者として、国民健康保険制度が社会保障として住民の命と健康、くらしを守るという本来の役割を果たすため、あらゆる努力をして保険料(税)の大幅値上げを抑え、軽減に踏み出すため、以下の点を実施されるよう強く申し入れるものです。

  1. 来年度の国保料(税)については、現状を認識し、引き下げのため、抜本的な都独自の財政措置を実施すること。
  2. 国の子どもの均等割軽減については、ただちに拡充し18歳までの均等割を廃止するよう申し入れること。また東京都としても独自の上乗せ・横出し軽減策を実施すること。
  3. 国保の傷病手当金の支給を再開し、自営業者にも拡大すること。そのために必要な財政支出を都として行うとともに区市町村にはたらきかけること。また国として財政措置するよう働きかけること。
  4. 来年度の納付金、標準保険料率の算定にあたっては、経過も含め、すべての情報を都民、都議会に明らかにし、都民参加を貫くこと。
  5. 区市町村に強権的な徴収強化、差し押さえをしないよう働きかけること。
  6. 国に対し、区市町村への法定外繰入解消の強要をやめるよう申し入れること。そして国保の構造的問題の解消に向け、均等割を廃止し、国保料負担を協会けんぽ並みに引き下げ、そのための公費投入を行うことを求めること。
  7. 出産費用への支援について、常に出産費用が負担にならない額に拡充するよう見直すとともに、財源については、後期高齢者医療保険料をはじめ国保など各医療保険の保険料引き上げに跳ね返らないための財政措置を国に求めること。
  8. 東京都国民健康保険運営方針については、「相互扶助」の位置づけをあらため、社会保障としての国民健康保険制度であることを明記しその立場を貫くこと。また保険料の大幅値上げにつながる統一化は止め、区市町村に対する法定外繰入解消の強要や保険料の強引な徴収強化を行わないこと。

以上