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申し入れ・談話

2026.05.21

「東京都6月補正予算編成に向けた緊急提案」について

 日本共産党都議団は21日、標記の緊急提案を小池百合子都知事宛てに行いました。

 山下聡副知事が応対し、申し入れに対し「多岐にわたる要望を受け取った。」「知事から必要があれば補正予算をと言われており、各庁内で検討している」と述べました。また、都民や事業者の影響について「いろんなチャンネルを使い実態把握を進めている」「知事宛の要望については、しかと受け止めさせていただきます」と述べました。

 緊急提案の本文は以下のとおりです。


東京都知事 小池百合子殿

2026年5月21日
日本共産党東京都議会議員団

東京都6月補正予算編成に向けた緊急提案

 日本共産党都議団は4月15日、知事への緊急申し入れで、補正予算を直ちに編成することを求めました。その後、知事が「補正予算を含めて検討する」と述べたことは重要です。国の対応待ちではなく、東京都の豊かな財政力を活用し、都民の命と生活、営業を守るための補正予算を編成することを強く求め、以下の通り提案します。

提案1 イラン戦争の影響から中小事業者の生業を守る対策

 アメリカ・イスラエルの無法なイラン攻撃にともなう原材料・エネルギー高騰や資材不足は、長引く物価高に苦しむ中小事業者に、さらなる追い打ちをかけています。最大の対策は、一日も早い戦争の終結です。
 建設現場をはじめ、多くの分野で資材の不足や出荷停止、急激な高騰などにより、各現場からは「本当に倒産しかない」「地域産業が崩壊する」と言う声が出されるなど、中小事業者にとって致命的な事業継続の危機を引き起こしています。市場任せや個別対応にとどまらず、地域経済の屋台骨である中小事業者を守る対策が急務です。

【実態把握と相談・支援体制の確立】

1 全庁横断のプロジェクトチームを設置し、イラン戦争の影響について直ちに実態を把握すること。

2 建設業を担当する部署を設置するとともに、相談体制を強化すること。

3 都発注の工事にどのような影響が出ているか実態をつかむこと。また、建設資材の価格高騰や供給の実態を把握し、関係団体や事業者への情報提供を行うこと。

4 都発注工事等で、資材高騰や供給遅延の実情を踏まえ、設計・契約変更、工期延長等を柔軟に運用するとともに、契約におけるペナルティ緩和や納期の猶予をすること。また、「単品スライド」等の申請書類は、煩雑な手続きを簡略化すること。

【生業・事業継続への支援】

5 家賃やリース料、電気・ガス代などの固定費補助を行うこと。

6 経営困難な中小企業に対して、上下水道料金の支払いに関する相談を行うとともに、支払いの猶予や減免を実施すること。

7 農林水産業に関する資材等の高騰に対し、緊急に支援を行うこと。

8 今回の事態を「危機」と位置付け、融資対象の要件の抜本的緩和、既存の保証債務と切り離した別枠の保証枠の創設、「つなぎ融資」としての融資条件の緩和を実施して、事業継続できるように支援すること。

9 既往債務の返済凍結、長期据え置きの借り換え制度をはじめ、保証協会の100%保証付き新規融資など都独自の制度融資を設けること。金利・保証料補給を行う制度を実施するなど資金繰り支援を強めること。

10 地方税を減免・猶予する特例制度を実施すること。

11 イラン戦争の影響を受けて、国民健康保険料(税)の減免を行う区市町村・国保組合への財政支援を行うこと。

【原油由来の燃料・原材料の需要抑制と省エネ・再エネ抜本強化】

12 エネルギー自給率の向上・安定供給に大きな効果があり、気候危機打開のためにも喫緊の課題である、省エネ・再エネを抜本的に強化すること。

13 中小企業の脱炭素化支援の強化、農地でのソーラーシェアリングなど脱炭素と結びついた農業・林業振興を進めること。

14 原油由来製品の代替製品の研究を都として行うこと。また、研究を行う中小企業を支援すること。

【国への要請】

15 コロナ禍に実施された「持続化給付金」「家賃支援給付金」のような支援策の実施や自治体が行う支援策への財政措置を行うこと。

16 雇用を守るため、雇用調整助成金の助成率や上限の引き上げ、支給日数の延長、申請手続きの簡素化などの特例措置を速やかに実施すること。

提案2 物価高騰の影響から、都民生活を守る対策

 長引く物価高騰にイラン戦争の影響も加わり、都民生活はさらに厳しさを増しています。所得が少ない人ほどその影響は大きく、「できるところはすべて節約している。ガマンする癖がついてしまった」など切実です。また、医療分野でも「物価上昇だけで、診療報酬のプラス分が吹き飛んでしまう」と深刻な声が出されています。保育、介護、障害福祉の分野でも、歯磨きの介助時に使う手袋を片手だけとすることを検討しているなど、物価高騰とイラン戦争の影響による対応に苦慮しています。

【物価高騰の影響が深刻な現場への支援】

17 医療機関、福祉施設・事業所、公衆浴場などを対象とした都の物価高騰緊急対策事業は、6月までが期限となっています。イラン戦争の影響も踏まえ、実態に合わせた増額・拡充を行うとともに、支援期間を延長すること。また、その決定を早急に表明すること。

【物価高騰から暮らしを守る】

18 スマホやマイナンバーカードがない人は、東京アプリ生活応援事業の対象から外れています。すべての都民に対し、公平に生活応援事業を行うため、東京アプリ生活応援事業の対象外になっている都民に対し、11000円の現金支給をおこなうこと。

19 水道基本料の無償化は4ヶ月に限定せず、年間を通して行うこと。また、一律10%水道料金を引き下げること。

20 水道料金の支払いが困難な利用者に対しては、生活困窮などの状況を把握し寄り添った対応を行うこと。特に、機械的に給水を停止し支払いをせまるようなやり方はやめること。

21 多摩地域の市町村が下水道料金の引き下げを企図した場合、それを可能にするシステム改修を早急にすすめること。

22 物価高騰のもとでも生活できる賃金になるよう、中小企業の賃上げ支援を大幅に強化すること。

23 都として家賃補助の実施に踏み出すとともに、区市町村が行う家賃補助にも支援すること。

24 国民健康保険料(税)と後期高齢者医療保険料の負担軽減を行うこと。

25 心身障害者福祉手当、重度心身障害者手当、児童育成手当、障害者グループホームの家賃助成などの経済的支援の単価を緊急に引き上げるとともに、所得基準の引き上げや所得制限の撤廃を行うこと。

【有利子奨学金の激増への支援】

26 長期金利の上昇により、奨学金返済の利子が激増する事態になっています。都として利子補給の支援を行うこと。また、国に対して、学費の負担軽減と、有利子奨学金の廃止、本格的な給付型奨学金の創設を求めること。

【国への要請】

27 消費税を直ちに5%に減税すること。

28 住宅ローンの長期金利上昇による金利負担を軽減する措置を講じること。

提案3 熱中症から都民の命と健康を守る、暑さ対策の強化

 都は、昨年度の最終補正予算で、暑さ対策をパッケージで出しました。特に、生活保護世帯や低所得世帯を対象にした、エアコン購入支援は大変喜ばれています。
 しかし、生活保護世帯を対象とした補助は、エアコンがないか、故障して使用できないことが要件となっていて厳しく、そのような要件のない低所得世帯を対象にした補助でも区市町村が同様の要件を課している場合が多く、「対象にならないといわれた」という声も多く聞かれます。熱中症から命と健康を守るための対策のさらなる充実が必要です。

29 エアコン購入費補助は、都として生活保護世帯を対象とした補助の要件を緩和し、2台目以降の購入等も支援の対象とすること。また、低所得者世帯への補助は、区市町村への財政支援を強め、幅広く支援が行われるようにすること。

30 エアコンの使用をためらうことのないよう、夏季における電気料金の助成を行うこと。

31 都立学校と同様に、区市町村立小中学校でも、プールのシェード設置などの暑さ対策に支援を行うこと。

提案4 感染症とクマ被害から命と健康を守る

 都内の麻しんの患者数が急増しており、この10年で最多となっています。ワクチン接種が有効であり、1歳の時と小学校就学の前年に行われている定期接種の実施率を引き上げるとともに、定期接種の機会を逃した方や、定期接種の内容が不十分だった時期に子どもだった方などが行う任意接種への支援の強化が必要です。
 また、WHOは、コンゴ民主共和国とウガンダにおけるエボラ出血熱の流行が「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」であると宣言しました。都民への適切な情報提供や、国内で患者が発生した場合に備えた対応を行う必要があります。
 クマによる人身被害が発生しています。中長期的な管理計画の策定を急ぐと同時に、当面の被害防止策の強化が必要です。

32 麻しんワクチンの定期接種についての広報、啓発等を強化するとともに、麻しんワクチンの任意接種費用への助成を行う区市町村への補助について、補助率を2分の1から10分の10に引き上げ、地域による格差なく、必要な方が無料で予防接種を受けられるようにすること。

33 エボラ出血熱に関する都民への情報提供を強化すること。

34 職員の確保をはじめとした、保健所体制の強化を進めること。

35 クマ被害防止のために自治体が実施する対策講習会、緩衝帯の整備、電気柵の設置などへの財政支援、正しい知識や情報の普及をさらに強めること。都所管の緑地・河川等の藪の刈り払い等を強化し、多摩川の河川敷の管理強化を国に要請すること。