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申し入れ・談話

2020.05.28

コロナ禍の学校における対応と少人数学級推進に関する申し入れ

★申し入れる(右から)斉藤まりこ、とや英津子、星見てい子、里吉ゆみ、米倉春奈の各都議(2020.5.28)


2020年5月28日

東京都知事 小池百合子殿            
東京都教育長 藤田裕司殿

日本共産党東京都議会議員団

コロナ禍の学校における対応と少人数学級推進に関する申し入れ

 新型コロナウイルスに関する緊急事態宣言が25日に解除され、知事は6月以降に休業要請を3段階で緩和する最初の段階で都立学校を再開する方針を示しています。
 3か月にわたる学校休業の影響は大きく、子どもと保護者は疲弊し、教職員も経験したことのない負担と混乱のなかで教育を行っています。学校再開後の感染予防や、子どもの学習、成長、発達の機会の保障、生活環境を整えること、心のケアなど、児童・生徒の置かれた状況にもとづく、きめ細やかな対応が求められています。社会全体の自粛や休業要請による家計状況の悪化から、子どもたちを守る対策も必要です。
 よって日本共産党都議団は、以下の項目を申し入れるものです。

1、学校の再開にあたって

(1)マスク、消毒液、石けん類など感染防止ための環境整備を十分に行うととともに、教職員が科学的で正しい知識を持てるように研修を重視すること。

(2)感染防止の要となる養護教諭の未配置校を直ちに解消し、大規模等への複数配置を進めること。感染が疑われる子どもに対応するための別室の確保をはじめ必要な施設設備の整備を行うこと。保健室の体制を強化する区市町村を支援すること。

(3)文科省は学習の遅れを2~3年かけて解消することを認めており、教育課程が過密にならないよう配慮すること。

① 夏休みや冬休みのむやみな短縮や、子どもたちの成長に必要な行事の安易な削減等は行わず、子どもたちの気持ちに寄り添った学校運営に心がけること。

② 新しい学習内容は全員が習得できるよう、学校再開後にていねいな学習指導に努めること。学習環境の格差が大きい家庭学習を機械的に評価の対象にしないこと。

③ 学習指導要領にとらわれず、教育課程を思い切って精選するなど、柔軟な対応を進めること。

(4)オンライン学習の環境整備は、学校や家庭の現状に合わせて柔軟に進めること。交流のためのツールとして使うことも含めて、子どもの発達に合わせた学校や区市町村の取り組みを尊重すること。

(5)スクール・カウンセラー、スクール・ソーシャル・ワーカーの体制強化を行うこと。区市町村の取り組みを支援すること。

2、少人数学級の推進と教職員の増員

(1)三密を避け、一人ひとりの子どもの成長を大事にした教育を進めるために、少人数学級を実施すること。

(2)分散登校などに対応するため、必要な教職員の加配と財政支援を行うこと。

(3)妊娠や基礎疾患のある教職員に対して、勤務体制などに特段の配慮をすること。

(4)加配や代替の教職員は、学校でなく教育委員会が独自の体制をとって確保すること。

(5)来年度の教職員採用は、採用枠を大幅に増やすこと。

3、子どもへの就学・生活支援

(1)就学援助、特別支援教育就学奨励費について

① 前年所得のみを基準とせず、今年、収入減となった家庭も対象とすること。こうした対応をとる区市町村に財政支援をすること。

② 申請期限を延長するとともに、学校再開後に再度制度を周知すること。

(2)学校給食の開始と子どもの昼食支援について

① 学校給食の再開にあたり、学校の感染防止の工夫に合わせた臨時職員の配置や財政援助を行うこと。

② 家計が悪化するもとで、保護者負担を軽減し給食の質を守るために、学校給食の無償化に踏み出すこと。

③ 給食のある都立学校の児童・生徒に、学校休業中の昼食代を支給すること。

④ 就学援助の準要保護の児童・生徒に休業中の昼食代を支給する区市町村に1食150円の食事補助を行うこと。現在行っている昼食代補助は、補助対象をできるだけ幅広くし、区市町村が使いやすいものにすること。

4、都立学校について

(1)体の弱い障害児が多い特別支援学校の教職員等に対し、PCR検査を行うこと。

(2)特別支援学校のスクールバスは、増車も含め三密を避ける対策をとること。

(3)都立学校等給付型奨学金は、給付限度額を引き上げるとともに、給付対象経費にオンライン学習に必要な機器や利用料、参考書等を追加すること。今年収入減となった家庭も対象とすること。

(4)高校3年生の進路指導は、生徒の不安に寄り添い、丁寧に対応すること。

(5)情報流出や不具合のトラブルが続いているClassi(クラッシー)は、利用拡大を中止すること。国に対し「JAPAN e-Portfolio」(ジャパンイーポートフォリオ・ベネッセ運営サポート)利用による「主体性の評価」を止めるよう申し入れること。

(6)公立中学校3年生全員を対象に実施予定の「英語スピーキング確認プレテスト」は中止すること。都立高校入試は、学校休業を考慮した試験内容にすること。

以 上