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申し入れ・談話

2019.10.10

台風19号の接近・上陸時の水道検針員の安全確保に関する申し入れ

台風19号の接近にあたり、日本共産党都議団は東京都に、水道検針員さんたちの検針業務中止などの対策を要望しました。これまでどんな悪天候でも各家庭をまわって検針せざるをえない実態があったためです。
今回は水道局として状況を判断し、検針中止の指示を出すとの回答がありました。


2019年10月10日

東京都知事 小池百合子 殿

日本共産党東京都議会議員団

台風19号の接近・上陸時の水道検針員の安全確保に関する申し入れ

 台風19号が大型で猛烈な勢力を維持したまま、関東、東京に上陸する恐れがあるとされ、警戒が呼びかけられています。
 日本共産党都議団は、各家庭の水道の使用量の検針を行っている検針員のみなさんが、どんな悪天候の日でも検針を行わざるを得ない厳しい労働環境にある実態を、都議会でとりあげ改善を求めてきました。
 昨今、台風や大雪などの予報があれば、鉄道等の公共交通は計画運休をする、民間会社でも社員は自宅待機とするなどの対応が進んでいます。検針員のみなさんが適切で安全な労働環境で安心して働けるようにするためには、対応を委託業者まかせにせず、都水道局が先頭に立って十分な対策をとることが必要です。
 よって、日本共産党都議団は、緊急に以下の項目について申し入れます。

  1. 台風19号の接近にあたり、水道局から委託業者に検針の中止の通知を出すなど、検針業務を行わなくてすむ対応をとること。今後も悪天候が予想されたり警報が出ている場合には、同様の対応をとること。
  2.  検針を延期した場合には手書きなど特別な手続きが必要となる「水道使用量等のお知らせ」(各家庭のドアポストなどに入れる検針票)を、もともとの検針日と同様に端末機からプリントアウトできるようにするなど、検針員に負担がかからないようにすること。

以 上

★東京都水道局に申し入れる(左から)河野ゆりえ、斉藤まりこ、とくとめ道信の各都議(2019.10.10)


【参 考】都議会公営企業委員会 斉藤まりこ都議の質問より(抜粋)(2018.03.16)

○斉藤委員 労働条件については委託会社の責任であるというご答弁ですが、水道局の仕事をしていただいている中で、労働者がどういう状況に置かれているのかは、委託会社の責任で、水道局はあずかり知らないという姿勢のままでは私はいけないと思います。ディーセントワークを掲げている東京都の仕事の足元で、苦しい働き方を余儀なくされている状況を改善していくことは、水道局の重要な役割だと思います。

 検針員の方々から私のもとに、労働環境の厳しさについてさまざまな声が寄せられて、私は今回、多くの実態を知ることができました。水道局の皆さんはよくご存じのことと思いますが、水道の検針には基準日があって、請求額が変動しないようにするためには、その基準日から外れて検針をすることは極力避けなければならないようになっています。

 加えて、一日何百軒と検針するので、休むとそのまま繰り越しになるか、ほかの人に頼むということになるのですが、実際には地域になれていないほかの検針員に任せるということは大きな負担になるため、突発的な休みはほとんどとれない状況になっているということです。

 そうした中で、どんな悪天候の日でも、警報が出ているような日でも、検針に出ていかなければならないという実態があります。大雪で電車がとまっているようなときでも、五キロにもなる検針機器などを持って歩いたという例、集中豪雨で道路が冠水しているときでも、じゃぶじゃぶと水の中を歩いて検針に回ったという例、また、東日本大震災の翌日にも検針に回って、こんなときでもやっているんですかとお客さんに心配されたということもあったということです。

 委託会社は、お客様サービスの観点や他社との競争もある中で、会社として検針を休みにするということはいえない状況があるということもいわれています。こうした苛酷な状況を改善し、働く皆さんの安全を守る観点からも、悪天候や警報が出ている日、あるいはそれに該当する地域に対しては、水道局から検針の中止の指令を出すなど、対応を考えていただきたいという声がありますが、いかがでしょうか。

○小山サービス推進部長 定期検針などの委託業務につきましては、当局と委託業者との間で密接に連携を図りながら実施しているところでございます。当局では、悪天候や警報が出された際などには、委託業者に連絡を入れまして、注意喚起をその都度行っております。
 また、委託業者から相談等が寄せられた際は、現場状況などを踏まえ、柔軟に対応することとしているところでございます。

○斉藤委員 水道局としては、注意喚起をして委託業者から相談があれば対応するということですが、現場では検針日を守るために、大雪でも、道路が冠水していても歩いて回っている状況です。

 今、民間企業でも、台風や大雪などの予報があれば外出を控えるなどの対応をとるところがふえています。水道局からの仕事をもらう業者は立場が弱く、自社ではなかなか独自の対応ができないのだと思います。このことについて水道局から積極的に話し合いの場をつくっていただいて対応していただきたいと思います。また、局として、実態の把握がきちんとできるように、例えば検針員向けの無記名アンケートの実施などを検討していただくよう要望をいたします。

 次です。

 検針員の皆さんは、水道局が委託会社に貸し出しをしているハンディーターミナルと、プリンター、そしてペーパーロール、そしてバッテリーなど担いで一軒一軒回って検針をしています。

 このプリンターから検針の結果や請求書が、その場でプリントアウトされるようになっているわけですが、このプリントアウトが検針の基準日として決められた、その日一日しかできないようになっているということです。その日から一日でもずれてしまったら、あとは手書きで検針結果を書いて、請求書はセンターから発行しなければならないというふうになっていて、これが大きな負担になっているということです。

 特に今は、オートロックのマンションがふえて、その日に入館できずに何度も足を運んでようやく入館する中で、検針日がずれる例が多くあるということです。その中で、検針員の方々の負担は大きなものになっています。

 システム改修は大変なことかもしれませんが、設定した基準日しか検針結果などプリントアウトできないという仕組みは改善の余地があるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。

○小山サービス推進部長 先ほど答弁させていただきましたとおり、委託業務の実施については、当局と委託業者との間で密に連絡をとっております。先ほどのお話にございましたが、話し合いの場も定期的に設けて密接に連絡をとっているところです。
 あと、詳細な事柄につきましては、引き続き委託業者との間で密接に連携を図りながら適切に対処してまいります。

○斉藤委員 引き続き密接に連携をとりながら適切に対応していくということですので、ぜひ改善の検討をしていただきたいと思います。

 先ほどの悪天候の日の検針についても、検針日がずれると手書きの検針結果をつくらなくてはならないために、休むことができない状況に拍車をかけていると思います。システムの改善ができれば、こうした負担の解消にもつながると思いますので、ぜひ検討していただきたいと思います。

 また、先ほどと同様ですが、こうした現場の状況について水道局が把握できるように、先ほど懇談もしているということもありましたが、仕事を水道局からもらうという立場上、委託会社は弱い立場にあります。こういうことにも配慮をして、例えば、検針員の方々に無記名アンケートなどの実態調査を行って、発注元として業務改善につなげていただくことを重ねてお願いをしたいと思います。