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申し入れ・談話

2019.08.08

「関東大震災朝鮮人犠牲者追悼式典」への知事の「追悼の辞」送付を求める要請

2019年8月8日

東京都知事 小池百合子殿

日本共産党東京都議会議員団

「関東大震災朝鮮人犠牲者追悼式典」への知事の「追悼の辞」送付を求める要請

 小池百合子都知事は昨年と一昨年、「9・1関東大震災朝鮮人犠牲者追悼式典」への「追悼の辞」の送付をとりやめました。都立横網町公園に追悼の碑が建立された1973年以来、歴代都知事が行ってきたものです。小池知事の「追悼の辞」送付中止に対し、幅広い市民、多くのメディアが厳しい批判の声をあげ、送付を求めています。

 同式典は、関東大震災時に「朝鮮人が暴動を起こした」などのデマが広がるなかで、官憲や自警団の手で虐殺された多数の朝鮮人犠牲者を追悼するものです。ところが知事はわが党の代表質問に、「何が事実かについては、歴史家がひもとくべきだ」とくり返し答弁し、虐殺の史実そのものを認めようとしていません。
 関東大震災において朝鮮人虐殺があった事実を否定する歴史家はおらず、国の中央防災会議の報告書でも、「これほどの規模で人為的な殺傷行為を誘発した例は、日本の災害史上、ほかに確認できず、大規模災害時に発生した最悪の事態」と明記しています。
 知事の姿勢や認識は、民族差別を背景とした朝鮮人の虐殺・加害の事実をうやむやにし、風化させることにつながるもので許されません。

 震災のような大災害時に、民族への差別・偏見が流言・飛語として拡散されることは、けっして過去の問題ではありません。昨年の大阪府北部地震でも特定の民族をあげて差別や偏見をあおるインターネット投稿が相次ぎ、法務省人権擁護局はツイッターで、「災害発生時には、インターネット上に、差別や偏見をあおる意図で虚偽の情報が投稿されている可能性」もあると注意を呼びかけました。
 知事の態度は、災害時、また日常的な差別・偏見をあおる動きを助長させかねません。ヘイトスピーチの解消を掲げ、昨年策定された「東京都オリンピック憲章にうたわれる人権尊重の理念の実現を目指す条例」の趣旨にも反するものです。

 日本共産党都議団は、小池都知事と都に対し、歴史の事実に向き合い、また歴代都知事が「悲劇を二度とくり返さない」と追悼の辞を寄せてきたことに立ち返り、当該式典への「追悼の辞」の送付を再開するよう強く求めるものです。

以 上