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申し入れ・談話

2018.09.25

風疹が急増していることに伴う緊急対策の申し入れ

東京都知事 小池百合子殿

風疹が急増していることに伴う緊急対策の申し入れ

 2018年9月25日
日本共産党東京都議会議員団

 風疹の感染が関東地方を中心に拡大しています。国立感染症研究所の感染症疫学センターによれば、今年第1週から第36週までの風疹患者累積報告数は496人で、2008年の全数届出開始以降、2013年、2012年についで3番目に多い報告数となり、首都圏を中心に感染が広がりつつあります。
 東京都感染症情報センターによれば、都内の風疹報告数は、今年第1週から第37週までで196人に上っています。
 2013年の大流行時には全国で14,344人の患者が報告され、この流行に関連した先天性風疹症候群が45人確認されています。先天性風疹症候群は、妊娠20週ぐらいまでの妊婦が風疹にかかると、おなかの赤ちゃんにもウィルスが感染して起こる病気で、難聴や白内障、心臓病といった深刻な影響が出るおそれがあります。
 風疹の拡大を防ぐためには、社会全体で免疫を持っている人の割合を高くする必要があります。
 しかし、予防接種法に基づく感染症流行予測事業の2017年度の調査結果でも、30代から50代の男性の抗体保有率が低くなっています。これは、この世代のワクチン接種が十分に行われなかったためであり、感染者数もこの世代で多くなっていることから、特に対策が必要です。
 しかし、東京都から区市町村への予防接種費用の補助は、妊娠を予定または希望する女性を対象とする場合に限られており、対象の拡大が必要です。
 以上を踏まえ、風疹の感染拡大と、それに伴う先天性風疹症候群を予防するために、日本共産党都議団は下記の緊急対策を申し入れます。

  1. 男性も含めた30代から50代のすべての成人に対してMRワクチン接種への助成をできるよう、区市町村への補助を行うこと
  2. 1のほか、医療関係者、教育、保育関係者、妊婦の同居家族など、必要とするすべての人への予防接種費用について区市町村への補助を行うこと。
  3. 居住地以外で接種した場合も、「償還払い」が受けられるよう区市町村に積極的に働きかけること
  4. 抗体検査をすることなく、MRワクチンを接種する場合も費用を助成すること
  5. 国と連携し、各種のワクチンで近年繰り返されている供給不足の実態・原因を分析・評価し、ワクチン供給体制の問題点を具体的に明らかにしてワクチン供給不足への対策を早期に行うこと

以上