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申し入れ・談話

2018.09.11

HIV/エイズ対策の拡充に関する申し入れ

東京都知事 小池百合子 殿

2018年9月11日
日本共産党東京都議会議員団

 

HIV/エイズ対策の拡充に関する申し入れ

 

 「世界エイズデー」の日本のキャンペーンテーマが指摘しているように、HIV/エイズに関する取り組みは、いま「大きな転換期」を迎えています。
 治療法の進歩により、HIVに感染しても、検査を受けて早く感染を発見し、治療を早期に開始して治療を継続すれば、エイズの発症を防ぐことができるようになりました。
 服薬治療を継続すれば、体内のウイルス量を減少させることができて、他の人に感染させるリスクが大きく低下することも、確認されています。
 治療の進歩で、HIVに感染した人の生活は大きく変わり、感染予防にもさまざまな選択肢が用意されるようになっているのです。
 こうしたなか、厚生労働省は、今年1月に、「後天性免疫不全症候群に関する特定感染症予防指針」を全部改正しました。その内容は、HIV感染の早期発見に向けたさらなる施策が必要であることをはじめ、予防、医療の提供、人権の尊重など全面的なものです。
 また、国連合同エイズ計画(UNAIDS)は、2014年に、HIVの流行を制御する戦略として、2020年までに「3つの90%」を達成する目標を提唱しました。
 第1に、HIV感染者のうち感染を自覚している人の割合を90%以上にする、第2に、検査によりHIV陽性と診断された感染者のうち、定期的に治療を受けている人の割合を90%以上にする、第3に、定期的に治療を受けている感染者のうち、他の人に感染させない状態にまでウイルス量を低下させた人の割合を90%以上にする、というものです。
 国連合同エイズ計画(UNAIDS)はさらに、各目標を2030年までに95%に引き上げることを提唱しています。これが、いま世界の大きな流れになっているのです。
 こうした「大きな転換期」にふさわしく、都のHIV/エイズ対策を抜本的に拡充するため、以下の事項に早急に取り組むことを求めるものです。

 

1、2009年5月に策定した「エイズ対策の新たな展開」を早急に全面改定し、「大きな転換期」にふさわしい新たな計画をつくること。

2、新たな計画で、期限を定めた数値目標と、具体的な行動計画、その実施状況を複数年にわたって検証・評価する仕組みを明確にすること。

3、国が今年1月に全部改正した「後天性免疫不全症候群に関する特定感染症予防指針」への都の対応を明らかにすること。 

4、国連合同エイズ計画(UNAIDS)が提唱する、2020年までに「3つの90%」、2030年までに95%を達成する目標を、都としてもめざす取り組みを進めること。

5、「3つの90%」目標に対する現状を正確に把握するため、都は国と連携して、定期通院者の数や治療状況などについての調査・研究を進めること。

6、治療法の進歩により、治療の早期開始・継続によりエイズの発症を防ぐことができるようになっており、有効な治療法がなく死に至る病であるというのは、もはや過去の話であるなどの正確な情報提供を強化すること。

7、エイズ診療拠点病院だけでなく、身近な地域の病院・診療所で適切な治療を受けることができる体制整備、長期にわたる治療の医療費負担の軽減など、治療を定期的に受ける人の割合を引き上げる対策を強化すること。

8、関係機関、区市町村と連携して「HIV感染症の服薬支援推進協議会」または「HIV感染症の服薬支援のあり方検討会」(いずれも仮称)を設置し、エイズ診療拠点病院だけでなく、身近な地域で、医師、看護師、薬剤師、ソーシャルワーカー、カウンセラー等のチーム医療による、同じ水準の服薬支援を受けることができる体制整備、人材育成を進めること。

9、全部改正された国の「予防指針」もふまえて、若い世代の対策を強化すること。都が実施している、若者のための普及啓発拠点「ふぉー・てぃー」の設置・運営、エイズ・ピア・エデュケーションの実施、若者向けネット配信などを充実、発展させるとともに、学校教育等で、HIVなどの性感染症をふくめ、科学的な根拠にもとづく知識を学ぶ性教育を充実・強化すること。

10、若い世代が多く集まる場所に、敷居が低くて入りやすい、無料・匿名で検査できる場所を、臨時や巡回もふくめ、数多く設置すること。

11、HIV検査の促進をはじめ、外国国籍の人たちに向けた対策を、抜本的に拡充すること。都の南新宿検査・相談室、多摩地域検査・相談室、HIV検査情報webのホームページを多言語対応にすること。

12、梅毒などの性感染症対策とHIV/エイズ対策を連携させた施策を推進すること。梅毒の急増に対応するために始まった、検査体制強化、医療従事者研修などの「梅毒緊急対策」を拡充・継続すること。

以上