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申し入れ・談話

2017.08.02

オリンピック・パラリンピックの都立施設建設に関わる労働環境の適正管理についての申し入れ

201782

東京都知事 小池百合子 殿

日本共産党東京都議会議員団

 

オリンピック・パラリンピックの都立施設建設に関わる
労働環境の適正管理についての申し入れ

 

 今年3月、2020年東京オリンピック・パラリンピックのメインスタジアムとなる新国立競技場の建設現場で働いていた23歳の男性社員が自殺し、直前の1カ月間の時間外労働時間が200時間を超えるなど違法な過重労働が原因だったとして、遺族が労災を申請しています。

 新国立競技場の建設では、短い工期や建設関連の人手不足などによる労働者の過重負担が指摘されています。建設労働者団体による同建設現場労働者からの聞きとりでも、セキュリティチェックにより拘束時間が長くなっていることなどが、労働者の負担を増大させていることが明らかになっています。元請け業者の指導責任も問われています。

 事態をうけ厚生労働省は、労働基準監督署と連携した現場のパトロールや、同工事にかかわる約800社すべてについて違法な長時間労働がないかの調査をする方針を決めました。工期最優先で犠牲者を生むようなことは2度とあってはなりません。

 都立の五輪関連施設の建設も今後、本格的な工事に入ります。工期の延長ができないことや人手不足などの状況は新国立競技場と同様で、都として労働者の命と健康を守る適切な対応が求められます。

 小池知事は記者会見で「法令遵守の徹底を既に指示をした」「この不幸な出来事を念頭にしながら、類似のことがないように、注意を払っていきたい」と述べたことは重要です。同時に、建設業の時間外労働には36協定の上限規制がないことから、労働環境により配慮した、法令を上回る実効性ある対応が求められています。日本建設業連合会は、毎月の残業時間の上限基準を自主的に設定し、会員企業に順守を求めると発表しています。

 組織委員会は3月に策定した「持続可能性に配慮した調達コード」で、「違法な長時間労働をさせてはならない」「労働者にとって仕事と生活の調和のとれた労働環境の整備に配慮すべき」と掲げ、都や国に対してもこの調達コードを「尊重するよう働きかける」としています。人類の調和のとれた発展を掲げるオリンピックの関連事業でこそ、より配慮のいきとどいた労働環境を実現すべきです。

 よって、日本共産党都議団は、以下の6点を申し入れるものです。

 

  1. オリンピック・パラリンピック関連の都立施設建設現場の労働環境や安全確保などについて、法令遵守を徹底するとともに、記録と実際の労働時間が一致しているかどうかをはじめとする労働の実態について、都として現場に入り早急に把握すること。
  2. 都として、違法な長時間労働の禁止やワークライフバランス等をかかげる「持続可能性に配慮した調達コード」を尊重することを明確にし、東京都発注の事業についても遵守する体制を整備すること。
  3. 労働者の健康と安全を守る労働環境の管理と過重労働の防止のために、産業医の配置や建設現場のパトロールなど、必要な体制の具体化を図ること。労働環境に関する元請けの責任を明確にすること。
  4.  都として、法令遵守と適切な労働環境の確保について、下請けを含む関連事業者に徹底するための会議などの機会を設けること。
  5. 都として五輪関連の建設現場で働く労働者の相談窓口を設置し、周知すること。
  6. 新国立競技場の建設については、状況を把握するとともに、五輪会場の建設にふさわしい労働環境を確保するよう、国及び日本スポーツ振興センターに要請すること。

 以 上