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申し入れ・談話

2017.01.16

五輪費用の全面的透明化を求める申し入れ

東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会
会長 森 喜朗 殿

2017年1月16日
日本共産党東京都議会議員団

五輪費用の全面的透明化を求める申し入れ

  昨年12月21日、東京都、国、組織委員会、国際オリンピック委員会の四者協議において、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の「組織委員会予算とその他経費、全体像(バージョン1)」が発表されました。
 発表内容は不透明な点が多く、日本共産党都議団は説明を求めましたが組織委員会は拒否し、都オリンピック・パラリンピック準備局がかわって説明するという変則的なかたちで説明を聞きました。そのなかで、発表内容の不透明さと問題点がますます明らかになりました。

 第1に、五輪全体経費が1兆6千億~1兆8千億円で、そのうち非組織委員会の負担が1兆1千億から1兆3千億円にもなるとしながら、個々の経費は、「仮設整備費2800億円」や「セキュリティ1600億円」などとしているだけで、その内訳や積算根拠がまったく示されていません。しかも今後、詳細な内容を発表するかどうかも明らかにされていません。
 立候補ファイル時の見積もりの2倍以上に費用が増大するとしているのに、その根拠を隠すことは、都民や都議会が内容をチェックし削減を提案することに背をむけるものであり、断じて許されません。

 第2に、組織委員会は予算及びその他経費について今後精査し「バージョン2」を発表するとしていますが、その時期は1年後とのことです。これでは、東京都も都民も結果責任だけ押し付けられることになると言わなければなりません。ロンドン五輪では半年、その後は3ヶ月ごとに状況を公表し、リオ五輪でも半年ごとに予算等を発表したのにくらべても、あまりにも閉鎖的です。

 第3に、発表文ではガバナンスの構築として、「調整会議の事務局機能の強化」などが示されていますが、透明化、都民参加についてはきわめて不明確です。ロンドン五輪では、税金を投入するODA(Olympic Delivery Authority・オリンピック建設委員会)関係予算等を公表するだけでなく、会計検査院、さらに下院決算委員会で公聴会まで開催してチェックし、その結果を公表してきました。今回の発表では、こうした仕組みの提案は皆無です。

 すでに都立競技施設や新国立競技場整備費負担、選手村の基盤整備費などで都の負担は3千億円を越えます。その上、組織委員会以外の負担とされる7千億円から9千億円もの巨額な経費まで負担することになれば、都民の負担総額は1兆円にもなりかねません。

 よって、日本共産党都議団は、組織委員会にたいし、以下の事項を強く求めるものです。

  1. 今回発表された組織委員会予算、その他経費及び全体像について、各事項ごとの詳細な根拠をすみやかに公表するとともに、その後も半年さらに3ヶ月ごとに公表すること。
  2. ロンドン五輪の事例等を参考に、削減や収入確保策について、第3者がチェックし、開催都市である東京都が都民参加で検討できるような仕組みをつくること。
  3. 非組織委員会負担分についての役割分担の協議は、これまでの非公開で記録も残さないやり方を改め、検討過程の透明化をはかること。
  4. 都外開催自治体の負担問題について、これまでの組織委員会と当該自治体の協議や取り決め、現時点での都外開催にともなう費用について、明らかにすること。

以 上