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申し入れ・談話

2022.09.06

高橋組織委員会元理事の汚職逮捕事件の全容解明、五輪の徹底検証と保管文書公開を求める申し入れ

日本共産党都議団は本日、表記の申し入れを小池百合子都知事あてに行いました。
都は五輪開催都市であると同時に、組織委員会を公益財団法人として認定した責任があります。法に基づく立ち入り検査など都が持つあらゆる権限を行使して事件の全容解明と五輪の徹底検証をするよう求めました。
潮田勉副知事が応対し「申し入れは知事、所管局に伝える」と述べました。
都議団はまた、申し入れを記者会見で発表しました。

★潮田勉副知事に申し入れる(右手前から反時計回りに)和泉なおみ、福手ゆう子、とや英津子、池川友一、あぜ上三和子の各都議(2022.9.6)

【関連資料】


2022年9月6日

東京都知事 小池百合子 殿

日本共産党東京都議会議員団

高橋組織委員会元理事の汚職逮捕事件の全容解明、五輪の徹底検証
と保管文書公開を求める申し入れ

 公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会は、今年6月30日に早くも解散し、清算法人に移行しました。解散に先立ち、大会報告書をまとめましたが、成果を強調するばかりで、大会経費と「負の遺産」についての検証は、きわめて不十分でした。
 そうした中、組織委員会元理事の高橋治之容疑者が8月17日、スポンサー契約にかかわり受託収賄容疑で逮捕され、AOKIホールディングス前会長の青木氏ら3人が贈賄容疑で逮捕されました。
高橋氏の容疑は、AOKI側からスポンサーの選定やライセンス商品の製造・販売で有利な取り計らいを受けたいとの依頼を受け、計5100万円の賄賂を受け取ったというものです。高橋氏は電通出身であり、青木氏を、電通から出向していた組織委員会の担当局長や、会長だった森喜朗氏に紹介したともいわれています。
 逮捕容疑と別に、高橋氏がAOKI側から電通子会社を経由して約2億3千万円の送金を受け、うち1億5千万円を個人的に受領した疑惑も報じられています。青木氏が森喜朗氏に現金200万円を手渡したと供述したとの報道もあります。

 さらに、高橋氏が出版大手KADOKAWAのスポンサー契約を仲介し、同社から高橋氏の知人の会社が7000万円を受領、一部が高橋氏に渡った疑いも浮かびあがっています。高橋氏が広告大手「大広」から現金を受領した疑いがあるとして、「大広」の家宅捜索もされました。
「カネと利権まみれだったのか」「容疑どおりなら、癒着を見逃した組織委員会も責任を免れない」など、都民の強い批判と真相解明を求める世論が広がっています。

 ところが小池知事は、このような重大事態に対し、「大変残念」「捜査の進展を注視していく」と他人事のように述べ、組織委員会の清算法人は「各種契約については、公正かつ適切に行われてきたものと認識」とコメントしています。しかし、個人の不祥事で済まされる問題ではありません。
 東京都には、五輪の開催都市としての責任があります。東京オリパラ大会を運営する組織委員会は東京都が設立し、公務員が大量に派遣され、同理事と職員は法律によりみなし公務員とされ、大会には多額の税金が投入されました。東京オリパラ大会はきわめて公的な性格をもつ大会であり、その運営は公平公正であったのか、収入と支出は適正であったのか、なぜ今回のような事件が起こったのか、都は開催都市として徹底的に検証する必要があります。

 「公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律」(公益法人認定法)第27条は、行政庁は公益法人に対し、必要な報告を求めることや、事務所に立ち入り、帳簿や書類などを検査したり、関係者に質問することができるとしています。同法第66条では、これを拒否した清算人への罰則(過料)も規定されています。このような権限も使い、組織委員会の活動が適正だったのかを明らかにするよう、東京都は国と連携していくべきです。

  組織委員会が作成した文書について、わが党も提案者となり成立した「東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会に係る文書等の保管及び承継に関する条例」(「五輪文書保管条例」)により保存されることは重要ですが、結果として情報公開の対象となる文書はないことが明らかになりました。これも大きな問題です。疑惑の解明、五輪の徹底検証を行うためには、保存文書の公開が不可欠です。

 よって日本共産党都議団は、以下について強く要望するものです。

  1. 公益法人認定法第27条による検査の実施を国に要請するとともに、東京都がもつあらゆる権限を行使して、高橋元理事とAOKI関係者の受託贈収賄事件の全容解明、五輪の徹底検証を行うこと。
  2. AOKI関連以外のスポンサー契約やライセンス商品の販売、他の契約などについても不適切な部分がないか、都として調査、検証すること。
  3. スポンサーの選定や契約、ライセンス商品の販売などの過程を都民に明らかにすること。
  4. 汚職逮捕事件もふまえて、大会報告書と大会経費の全体について全面的に検証しなおし、都民に結果を公表すること。
  5. 「五輪文書保管条例」第1条の「大会の開催経費等の検証を行うため」、「大会に対する都民の信頼の向上を図ることを目的とする」という趣旨をふまえ、組織委員会が作成し保存される文書を情報公開の対象にすること。
  6. 2月17日のオリンピック・パラリンピック特別委員会のあと半年以上、五輪に関して都議会に報告がされていない。これまでの経緯と現在の状況を早急に都議会に報告すること。

以 上

★申し入れ後に記者会見する(左から)とや英津子、あぜ上三和子、和泉なおみ、池川友一の各都議(2022.9.6)