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申し入れ・談話

2023.08.21

関東大震災100年、朝鮮人犠牲者追悼碑建立・追悼式典50年の今年  9・1朝鮮人犠牲者追悼式典に対する追悼文送付の再開を求める申し入れ

 

 申し入れを行う(写真左から二人目から)原田あきら(杉並区)、里吉ゆみ(世田谷区)、福手ゆう子(文京区)、大山とも子(新宿区)、原のり子(北多摩第四)、藤田りょうこ(大田区)、白石たみお(品川区)の各都議

 日本共産党都議団は本日、標記の申し入れを小池百合子知事あてに行いました。日本共産党都議団は本日、標記の申し入れを小池百合子知事あてに行いました。
 澤松未里建設局公園緑地部適正化推進担当課長が応対し、「ご要望は持ち帰らせいただきます。知事に要望があったことは伝えます。」と答えました。
 申し入れ内容は以下のとおりです。


東京都知事 小池百合子 殿

2023年8月21日        
日本共産党東京都議会議員団

関東大震災100年、朝鮮人犠牲者追悼碑建立・追悼式典50年の今年
9・1朝鮮人犠牲者追悼式典に対する追悼文送付の再開を求める申し入れ

 関東大震災から100年の節目となる今年、関東大震災朝鮮人虐殺事件の史実があらためて注目されています。
 関東大震災朝鮮人犠牲者追悼式典実行委員会は7月31日、小池知事宛てに追悼文送付の再開を求める要請を行い記者会見を行いました。ところが小池知事は、18日の記者会見で、今年も追悼文を送付しない方針を表明しました。小池知事による送付中止は7年目になります。
 日本共産党都議団は歴史に背を向ける小池知事のこうした対応に対して厳しく抗議し、再開を強く求めるものです。
 知事は、「何が明白な真実かは歴史家がひもとくもの」とか、「東京都慰霊堂で開かれます大法要におきまして、東京で起こった甚大な被害と、それに続く様々な事情で亡くなられた全ての方々に対して哀悼の意を表しております」などと繰り返し答弁しています。
 しかし、そのような言い訳は成り立ちません。東京都が1972年に著作・発行した「東京百年史」では、関東大震災でデマが広がり自警団が組織され、多くの朝鮮人が惨殺される事態が起きたことについて、第一にこれを史実として認め、第二に震災とは別の人災と認定し、第三に「東京の歴史の拭うことのできない汚点である」と記録しています。
 東京都は、このように史実を認め、震災とは別の人災による犠牲者を弔い、「東京の歴史の拭うことのできない汚点」への反省と二度とくり返さない決意を込めて、関東大震災50年の1973年に追悼碑を建立し、その時から始まった関東大震災朝鮮人犠牲者追悼式典に、歴代都知事は「悲劇を二度とくり返さない」とする「追悼の辞」を送付してきたのです。
 ところが、小池知事による追悼文送付の中止は、これまでの東京都の努力を踏みにじり、都知事として「東京百年史」の記述を否定し、関東大震災における朝鮮人虐殺を明白な史実と認めず、震災による被害者と虐殺という人災による被害者の区別をあいまいにし、人災による悲劇を二度とくり返さない決意の表明を避けようとするものであり、厳しい批判が寄せられているのは当然のことです。小池知事の姿勢は、歴史修正主義にくみするものと言われても仕方ありません。                       
 今年に入って東京都は、「関東大震災100年」と称して様々なイベントを行っていますが、事業の中に朝鮮人虐殺事件に向き合った企画や、災害時デマなど災害教訓の継承がありません。関東大震災100年の今年こそ、多くの朝鮮人が惨殺された歴史的事実に向き合い、重要な災害教訓として継承すべきです。またそれは、特定の民族への差別や偏見、ヘイトスピーチを許さないことを、都としてあらためて発信することにもつながります。
 今年は、関東大震災100年であるとともに、朝鮮人犠牲者追悼碑の建立、追悼式典開始から50年の大事な年です。
 日本共産党都議団は、小池知事と東京都に対し、歴史の事実に向き合い、また歴代都知事が追悼の辞を寄せてきたことに立ち返るよう強く求め、以下の点について要望するものです。

1. 知事は史実を誠実に直視し、今年の9月1日に開催される「関東大震災朝鮮人犠牲者追悼式典」に対して、追悼文の送付を再開すること。

2. 追悼式典の同時刻に隣接した場所で行われるようになった集会で「人権条例」審査会が認定したヘイトスピーチを行い、かつ追悼碑の撤去を求めてきた団体が、追悼碑の前で集会を開催しようとしていることについて、「東京都オリンピック憲章にうたわれる人権尊重の理念の実現を目指す条例第11条に規定する公の施設の利用制限に関する基準」に基づき、審査会の意見を求めること。また基準に基づいて厳格に対応すること。

3. 関東大震災100年の今年、関東大震災朝鮮人虐殺事件という「史実」と「災害教訓」を継承する事業に取り組むこと。

以上