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申し入れ・談話

2025.08.18

関東大震災朝鮮人犠牲者追悼式典への都知事追悼文の復活を強く求める要請

申し入れを行う里吉ゆみ(世田谷区)、とや英津子(練馬区)、尾崎あや子(北多摩第一)、田中とも子(北多摩第三)各都議と、東京都議会立憲民主党・ミライ会議・生活者ネットワーク・無所属の会、グリーンな東京の各都議 (2025.8.18)

 ★申し入れの動画はこちら

 日本共産党東京都議会議員団、東京都議会立憲民主党・ミライ会議・生活者ネットワーク・無所属の会、グリーンな東京は8月18日、小池百合子都知事宛てに標記の申し入れを行いました。建設局公園緑地部長らが応対しましたが、「関係機関に伝える」と返答するにとどまりました。

 申し入れの内容は以下の通りです。


2025(令和7)年8月18日

東京都知事 小池百合子様

東京都議会立憲民主党・ミライ会議・生活者ネットワーク・無所属の会 
幹事長 竹井ようこ
日本共産党東京都議会議員団 幹事長 里吉ゆみ
グリーンな東京 幹事長 漢人あきこ

関東大震災朝鮮人犠牲者追悼式典への都知事追悼文の復活を強く求める要請

 関東大震災において、数千とも言われる朝鮮人が、「暴動を起こす」「井戸に毒を投げ入れた」などの流言飛語に晒され、軍隊や警察、自警団によって犠牲になった事件は、我々が決して忘れてはならない悲惨な歴史として、後世に伝えていかなければなりません。昨年の能登半島地震の際にも、「外国人窃盗団が集結している」という偽情報が拡散されたことなどに鑑みると、インターネットやSNSが発達した現在においては一層、非常時に差別や偏見が広がる危険性が存在していることは明らかです。

 しかしながら、小池知事は、関東大震災で虐殺された朝鮮人の追悼式典に対し、就任2年目の2017年から2024年までの8年間にわたって追悼文の送付を中止しており、本年も送付しない方針を、8月1日の定例記者会見で明らかにしました。

 小池知事は、2022年第4回定例会の質問において、慰霊大法要で全ての方に追悼の意を表している旨を答弁していますが、自然災害と虐殺による被害では意味が異なるからこそ、慰霊と追悼が続いてきたのであり、歴代知事が重ねてきた追悼文送付を中止するという判断による負の影響への懸念は払拭されていません。

 小池知事による追悼文送付中止以来、史実をゆがめ他民族を冒涜する団体が毎年、追悼式典と同時刻に隣接した場所でヘイト集会を開催するようになりました。

東京都は、この虐殺事件を「東京の歴史の拭うことのできない汚点」(『東京百年史』1972年 東京都発行)とし、関東大震災50年の折、市民や都議会各会派の幹事長も参加して横網町公園に追悼碑を建立し、以来、歴代知事による追悼文送付が小池知事の就任1年目まで行われてきました。小池知事は都自身や都議会が半世紀近く重ねてきた、悲劇を「二度とくり返さない」という誓い、歴史を継承する決意にこれ以上背を向けることをやめ、追悼文送付を再開すべきです。

史実を直視し、同じ過ちを二度と繰り返さない決意を内外に示すことは極めて重要であり、首都・東京の知事にこそ、先頭に立って取り組むことを求めるものです。

 そこで、知事に対し、以下のとおり強く要請します。

1. 都知事は、朝鮮人犠牲者追悼式典に追悼文を送付し、追悼の意を示すこと。

2. 追悼文の中止によって、社会に与えた負の影響を払拭するため、ヘイトスピーチ等の人権課題に、知事が積極的に取組むこと。

以上