深刻な物価高騰と災害による被害から都民の命と暮らしを守るために補正予算の編成と、国への要望を求める申し入れ
日本共産党都議団は、20日「深刻な物価高騰と災害による被害から都民の命と暮らしを守るために補正予算の編成と、国への要望を求める申し入れ」を小池百合子知事宛に行いました。中村倫治副知事が応対しました。
中村副知事は「非常に多岐にわたる要望、承りました」と答え、「年末対策や物価高騰対策など毎年行っているが、今年も取り組みたい」と話しました。「国の経済対策がまだ固まってないなか、4定質疑に間に合うよう、国に詳細を求めている」と述べました。
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★申し入れを行う(左から)、原のり子、里吉ゆみ、(副知事)、斉藤まりこ、尾崎おや子、の各都議
申し入れ全文は以下の通りです。
東京都知事 小池百合子 殿
深刻な物価高騰と災害による被害から都民の命と暮らしを守るために
補正予算の編成と、国への要望を求める申し入れ
2025年11月20日
日本共産党東京都議会議員団
とまらない物価の高騰、上がらない実質賃金により、都民の暮らしはかつてない深刻な事態となっています。
帝国データバンクによると、2025年の飲食料品値上げは、前年実績比で1.7倍となり、約2万1000品目となることがわかりました。実質賃金も今年は9カ月連続マイナスです。
都庁の下で毎週実施している食料支援には、毎回700人~800人の方が並ばれる状況が続き、今年9月には過去最大となる900人を超える方が支援を受けました。医療相談では、体調が悪くても診察を躊躇する方も増えており大変深刻な状況です。
今年上半期(4月~9月)の都内倒産件数は887件となり、原材料高騰などの影響により、企業の倒産件数も高止まりしています。年末に向け、企業の資金需要がさらに高まるなか、更なる倒産も懸念されます。
今度の年末年始は、役所など公的機関が9日間連続で休業日となります。そのために雇い止めや住居を失う恐れのある方、生活に困窮する方への支援が滞ってしまうことは避けなければなりません。
また9月に発生した短時間集中豪雨、10月の台風22号、23号による被害に対して、都として復旧・復興に向けた支援が必要です。
新型コロナウイルスは例年、冬に感染が拡大しています。また、インフルエンザの患者報告数は既に警報基準を超えました。感染症対策の強化も必要です。
よって、日本共産党都議団は、以下について強く要望します。
(1)都として補正予算を編成し、以下の事項を行うこと。
〇 年末年始の雇い止めや廃業、住居喪失、生活困窮を防ぐ緊急対策
- 年末年始やその前後において、都としてビジネスホテル等を確保し、住居を喪失した方が安心して滞在できる個室の一時宿泊場所として提供すること。滞在中の食事の提供、衣類等の日用品の支給を行うこと。
- 生活保護の申請や生活困窮者自立支援制度の申請等を受理し、必要な支援の提供を行うために、年末年始も窓口を開くよう、各区市に働きかけること。
- つなぎ融資の限度額を引き上げるとともに、十分な返済猶予期間を設けること。
- 企業に対し、解雇や雇い止めを行わないよう知事が呼びかけること。年末年始を含め、労働問題に関する相談体制の強化を図ること。
- 中小企業の資金繰りや経営に関する年末特別相談を行うこと。
〇 雇用と営業をまもる対策
- 12月まで延長した医療機関、福祉施設・事業所、公衆浴場等への物価高騰対策の支援を、今年度1月以降の分も実施すること。実施に当たっては、介護保険の地域密着型サービスや、介護保険事業を行っていない訪問看護ステーションなども対象とすること。
- 医療や福祉の職場で働くケア労働者の賃金を緊急に引き上げるための補助を行うこと。
- 中小企業に対し、賃上げのための直接支援を単独事業として実施すること。
- 物価高騰対策のゼロ金利融資を創設すること。コロナ対策融資の条件変更や借り換えも柔軟に行うこと。
- 中小企業に対し、家賃やリース代などの固定費への補助を行うとともに、水光熱費への補助を行うこと。
- 島しょ地域に対して、ガソリン、灯油、軽油など燃油の補助を行うこと。貨物運賃補助の額を拡充し、対象品目を広げること。
- 高騰する肥料、飼料への緊急補助を行うこと。
〇 都民の命とくらしを守る対策
- 都民1人1万円の生活支援給付金(仮称)の支給を行うこと。
- 水道料の基本料金無償化を再開するとともに使用料の10%値下げを通年で行うこと。料金徴収の訪問による催告を再開し、丁寧な対応で給水停止を大幅に減らすこと。
- 心身障害者福祉手当、重度心身障害者手当、ひとり親家庭や障害児のいる家庭などに支給している児童育成手当、018サポートの給付額を緊急に引き上げること。
- 今年度321億円の予算をつけて実施している地域医療確保緊急支援事業を拡充すること。
- 子ども食堂、民間の食料支援活動へ緊急支援を行うこと。
- 都立学校の昼食代、修学旅行や制服、教材、学用品費などの保護者負担軽減を行うとともに、これらの軽減に取り組む区市町村に財政支援すること。
- 公立学校の給食無償化への補助は物価高騰に見合う上乗せを行うこと。
- 私立学校の給食費や昼食代に補助を行うこと、また物価高騰分の光熱費の支援を行うこと。
〇 感染症から都民を守る対策
- 新型コロナウイルスの検査や治療薬の自己負担への助成を行うこと。
- 新型コロナウイルスワクチンの定期接種対象者の自己負担をなくすとともに、定期接種対象者以外にも、基礎疾患のある方、福祉施設の職員、小児などについても自己負担を軽減すること。
- 子どものインフルエンザワクチンの接種費用の補助を拡充するとともに、高齢者等の接種費用に対しても補助を行うこと。
- 新型コロナウイルスの感染拡大の実態と感染予防策について積極的に広報すること。
(2)台風や短時間豪雨の被害からの復旧・復興支援
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- 災害救助法の応急修理の適用とならない一部損壊住宅への支援を実施すること。
- 都として、被災者生活再建支援制度による支援の金額を大幅に上乗せするとともに、準半壊などの場合も支援対象とすること。東京都被災者生活再建支援事業の補助率を引き上げるとともに、都内に被災者生活再建支援法が適用された区市町村がない場合も支援を行うこと。
- 9月11日の起きた短時間集中豪雨の床上床下浸水の件数を早急に把握し、都として家屋や店舗等の被害への支援を行うこと。
- 国保料(税)について、国が定めているより広い範囲の減免に対し、区市町村の負担がなくなるように財政支援を行うこと。
- 都市計画税・固定資産税の減免、納税猶予など、都としてできる限りの支援を行うこと。
- 島からの災害廃棄物の輸送について財政支援を行うとともに、住居再建に係る資機材の搬入に要する貨物運賃の支援を行うこと。
- 八丈町の基幹産業である観葉植物や果樹などの農業被害、水産業などに対し、被害に見合った所得保障を行うこと。
- 農業資機材の復旧に対する支援を抜本的に拡充すること。
- 老朽した水道施設の復旧及び改修に対し、管理しやすい別ルートの検討も含めた抜本的な復旧を行うこと。
- 島しょ地域の港湾施設の復旧を急ぐとともに、最新の気象データに基づき、岸壁の強度の確保を行うこと。
- 区市町村による止水板設置の支援に対し、都として上乗せ補助を行い、都民負担を可能な限り無くすこと。
(3)国に以下の事項を求めること
- 消費税の廃止に向けた緊急減税を行うこと。
- 大学授業料の値上げをストップし、無償化に向けて負担軽減を行うこと。給付制奨学金を拡大し、奨学金を返済している人たちへの支援を行うこと。入学金は廃止すること。
- 従来の健康保険証の扱いは、3月末まで医療機関を受診可能とする措置に留まらず、廃止を撤回し発行を再開すること。
以 上
