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申し入れ・談話

2023.12.27

中学校英語スピーキングテスト(ESAT-J)の 受験者を対象とする実施状況調査を求める要望

 標記の要望を本日、浜佳葉子教育長あてに行いました。
 私たちの行ったテスト実施状況のアンケート調査結果について、都教委が「会場などが分からないので確認のしようがない」と述べているため、会場名を提供し調査を要望しました。2024年1月19日を期限として回答を求めました。
 教育庁グローバル人材育成部の軽部智之国際教育企画課長が応対し、「検討し対応する」と述べました。


★都教委に要望書を手渡す、議連の(右から)漢人あきこ(グリーン)、もり愛(ミライ)、アオヤギ有希子(共産)、風間ゆたか(立憲)の各都議(2023.12.27)


2023年12月27日

東京都教育長 浜佳葉子 殿

入試改革を考える会
都立高校入試 英語スピーキングテストに反対する保護者の会
都立高校入試への英語スピーキングテスト導入の中止を求める会
中学校英語スピーキングテスト(ESAT-J)の都立高等学校の
入学者選抜への活用を中止するための都議会議員連盟

中学校英語スピーキングテスト(ESAT-J)の
受験者を対象とする実施状況調査を求める要望書

 私たち4団体は、2023年11月26日に行われた中学校英語スピーキングテスト(ESAT-J)の実施状況に関する任意のアンケート調査を11月26日から12月3日までオンライン上で行いました。その結果、回答総数266件のうち、イヤーマフをしていても「まわりの生徒の解答する声が聞こえ(部分的にでも)何を言っているかわかった」との回答が86件に上りました。

 当該のスピーキングテストのPart Bは、一語の解答でも正解になります。また、Part C とPart Dでは、他の受験者の発する一語からでも解答のヒントを得ることが可能です。したがって、「まわりの生徒の解答する声が聞こえ(部分的にでも)何を言っているかわかった」という証言が86件もあれば、受験者にその意図がなかったとしても、テスト中に他の受験者の回答からヒントを得て解答したケースが相当数発生したことが十分に考えられます。このような場合には、試験の実施主体が徹底した調査を行い、もし上述のようなケースが発生していたことが確認されたら、入試活用を中止するなどの対応が必要になります。

 私たちは上記のアンケート調査に基づいて、公正・公平な受験環境となっていなかったことを指摘し、テストの都立高校入試活用の中止を求めました。しかし、東京都教育委員会は、「議連等のアンケートは、試験会場や受験者が特定できず、事実確認が困難」と議会で答弁し(*1)、メディアの取材に対しても「(該当する)会場などが分からないので確認しようがない」と答えました(*2)。そして、そのことを理由として、「引き続き結果を都立高校入試に活用していく」と表明しています(*1)。

 この状況にかんがみ、このたび私たちは、上記アンケート調査の回答のうち試験会場が明記されていたもの206件(102会場)の中から、テストの成績の有効性に影響する深刻な問題を指摘する回答のあった会場の名称とその内容を、都教委に提供することにしました。これによって、「会場などが分からないので確認しようがない」という理由は解消されるはずです。

 都教委がこれらの情報をもとに、該当する会場で受験した生徒全員を対象として調査を行い、その調査の方法および結果を公表することを求めます。
 2024年1月19日までにご回答いただきますよう、よろしくお願いします。

以 上

 都教委に名称を提供し、調査を求める会場数は以下の通りです。

(1)周りの解答が聞こえること、試験監督の対応、タブレットによる説明、イヤーマフによる苦痛などに起因し、テストの有効性に影響する深刻な問題を指摘する回答のあった会場 55会場

(2)上記のうち「まわりの生徒の解答する声が聞こえ(部分的にでも)何を言っているかわかった」との回答のあったのは、46会場 です。

 

 *1: 都議会本会議での答弁(12月12、13日)
 *2: 朝日新聞12月6日付(ネット配信は12月5日)