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質問・条例提案

2018.12.19

2018年第4回定例会に提出した文書質問

2018年第四回都議会定例会
文書質問趣意書
提出者 里吉ゆみ

質問事項
一 大規模事業所におけるCO2排出量の総量削減義務と排出量取引制度(キャップ&トレード制度)について

一 大規模事業所におけるCO2排出量の総量削減義務と排出量取引制度(キャップ&トレード制度)について

 都は、東京都環境基本計画で掲げた2030年までの都内温室効果ガス排出量削減目標(2000年比30%削減)の達成とその先の「脱炭素社会」の実現を見据え、これまで、「温室効果ガス排出総量削減義務と排出量取引制度(キャップ&トレード制度)」など気候変動対策に係る主な制度の新たな取組について、専門家等の意見を踏まえた検討を進めています。しかし、その中心となるキャップ&トレード制度の到達点と成果については、それを図るための基準、排出係数、事業所数などの資料が不明確な状態にあります。到達点と成果が不明瞭では、今後の施策形成も難しいので、以下、質問します。
 キャップ&トレード制度は、総数でみれば都内事業所のごく一部を占めるに過ぎない大規模事業所が、CO2排出量でみれば都内の業務・産業部門の排出量の相当部分を占めることにかんがみ、大規模事業所に社会的責任を果たさせる立場から創設されています。このため、制度創設当時と現在で、都内の業務・産業部門のCO2排出量に占める大規模事業所の排出量の推移を正確につかむことが必要です。そこでお尋ねします。

Q1 都内の業務2008年3月の環境審議会答申は、「都内の排出実態を詳しく見ると、都内事業所数の1%に満たない大規模なCO2排出事業所からのCO2排出量が、都内の業務・産業部門の排出量の約4割を占めている」としていますが、この「大規模なCO2排出事業所」の定義、事業所数、排出量は明確にされていないなど詳細は不明です。2007年度から2008年度にかけておこなわれた「ステークホルダーミーティング」の第二回では、「都内大規模事業所数の温暖化ガス排出状況等」(資料3)として、都内業務・産業部門のCO2排出量約2660万トンに占める割合が4割である旨の円グラフがありますが、4割ならば約1000万トン程度となるにもかかわらず、その左の表では、大規模事業所の温暖化ガス排出量は基準排出量として1319万トンと大幅に上回る量が提示されていて、齟齬が生じています。
 2008年答申における「大規模なCO2排出事業所」の定義、事業所数(産業・業務ごと)及び、そのCO2排出量(産業・業務ごと)、用いられたCO2排出量係数をそれぞれ示してください。

Q2 また、2010年度のキャップ&トレードの創設当時、対象となった大規模事業所の事業所数(産業・業務ごと)及び、そのCO2排出量(産業・業務ごと)、産業・業務部門のCO2排出量に占める割合、用いられたCO2排出量係数をそれぞれ示してください。

Q3 直近の大規模事業所の事業所数(産業・業務ごと)及び、そのCO2排出量(産業・業務ごと)、産業・業務部門のCO2排出量に占める割合、用いられたCO2排出量係数をそれぞれ示してください。

Q4 都は、環境基本計画2008で2020年までに2000年比温暖化ガス25%削減、環境基本計画2016で、2030年までに2000年比30%のCO2排出削減をめざすとしている。いずれの計画でも、2000年度が基準年になっています。ところが、キャップ&トレードの対象となっている大規模事業所については基準年の排出量が明らかになっていません。大規模事業所のCO2排出量について、産業、業務ごとに示してください。
 都内では、都市再生を名目に超高層の業務ビルが制度創設後も、数多く建設されており、建設そのものにはコントロールが効いていないとの声が出されています。大規模事業所の排出量の実情を調べるためには、産業と業務をそれぞれ切り分けて、超高層ビルの建設による業務ビルの増大が、CO2排出量にどのような影響を与えているかをみることも大切です。

Q5 大規模排出事業所の事業所数、排出量、延べ床面積等の変遷について、業務・産業別に年度ごとに示してください。

Q6 第二計画期間の基準排出量を1650万トンとしていますが、基準排出量の対象となる大規模事業所がどのような事業所であるのか、定義などが不明瞭です。大規模事業所の対象(いつまでに制度に参加した事業所なのか、制度開始時点の事業所の基準排出量の総計か、別の時点での制度参加事業所の基準排出量の総計か)、産業・業務別の事業所数と基準排出量はいくつか、それぞれ示してください。

Q7 2016年度の制度対象事業所の総CO2排出量を1213万トンとしていますが、このケースでの制度対象事業所の対象(いつまでに制度に参加した事業所なのか、制度開始時点の事業所の基準排出量の総計か、別の時点での制度参加事業所の基準排出量の総計か)、産業・業務別の事業所数と総CO2排出量はいくつか、それぞれ示してください。

Q8 第1期の削減義務率について、「対策義務水準:2つの視点から検討」「視点〔1〕削減対策の実施による削減余地等」「視点〔2〕都の温暖化ガス削減目標の達成」、それぞれの視点が目標にどのように反映されたのか、具体的に示してください。

Q9 第2期の削減義務率の考え方と具体的な反映のされ方について示してください。

Q10 第3期の削減義務率の考え方と具体的な反映のされ方について示してください。

里吉ゆみ議員の文書質問に対する答弁書

一 大規模事業所におけるCO2排出量の総量削減義務と排出量取引制度(キャップ&トレード制度)について

A1 大規模なCO2排出事業所とは、環境確保条例に基づき平成17(2005)年度から平成21(2009)年度まで運用していた地球温暖化対策計画書制度(以下「旧制度」という。)の制度対象事業所で、燃料・熱・電気の使用量が原油換算で年間1,500キロリットル以上の大規模事業所です。
 対象事業所数等については、次のとおりです。
 部門 対象事業所数 CO2排出量
 (万トン) 電力のCO2排出係数
 (以下「電気の排出係数」という。)
 産業 298 441 0.318トン毎千キロワット時
 業務 976 714
 合計 1,274 1,155
 注1 平成17(2005)年度、平成18(2006)年度に旧制度の地球温暖化対策計画書を提出した事業所の集計(ステークホルダーミーティング第2回資料3作成時点での確定値。なお、当該資料における大規模事業所の基準排出量算定に用いた電気の排出係数は、旧制度で用いた0.386トン毎千キロワット時)
 注2 CO2排出量は、上記の集計を基に、都内産業・業務部門のCO2排出量算定に用いた電気の排出係数(0.318トン毎千キロワット時)で再算定した値

A2 対象事業所数等は、次のとおりです。
  産業 業務
 対象事業所数 180 1,178
 CO2排出量(万トン) 265 1,165
 都内の産業・業務部門に占める割合(パーセント) 39
  45 38
 なお、第一計画期間(平成22(2010)年度から平成26(2014)年度まで)の電気の排出係数は0.382トン毎千キロワット時ですが、第二計画期間との比較を容易にするため、CO2排出量は、第二計画期間の電気の排出係数(0.489トン毎千キロワット時)で再算定した値です。
 注 都内の産業・業務部門に占める割合は、都内の産業・業務部門のCO2排出量を、第二計画期間の電気の排出係数(0.489トン毎千キロワット時)で再算定した値に対する割合

A3 直近として、第二計画期間2年度目にあたる平成28(2016)年度の対象事業所数等は、次のとおりです。
  産業 業務
 対象事業所数 155 1,086
 CO2排出量(万トン) 202 1,012
 都内の産業・業務部門に占める割合(パーセント) 39
  41 39
 電気の排出係数
 (トン毎千キロワット時) 0.489
 注 都内の産業・業務部門に占める割合は、都内の産業・業務部門のCO2排出量を、第二計画期間の電気の排出係数(0.489トン毎千キロワット時)で再算定した値に対する割合

A4 キャップ&トレード制度における大規模事業所の基準排出量は、平成14(2002)年度から平成19(2007)年度までのいずれか連続する3か年度の平均値で算定しています。

A5 対象事業所数等の変遷は、次のとおりです。
 年度 対象事業所数
 (各年度末時点) CO2排出量
 (万トン) 延べ床面積
 (万平方メートル)
  産業 業務 産業 業務 産業 業務
 22(2010) 180 1,178 265 1,165 879 10,586
 23(2011) 182 1,210 247 1,036 874 10,331
 24(2012) 182 1,225 243 1,045 865 10,396
 25(2013) 171 1,213 237 1,038 871 10,395
 26(2014) 168 1,168 226 1,016 859 10,455
 27(2015) 163 1,108 209 1,015 846 10,524
 28(2016) 155 1,086 202 1,012 825 10,602
 注1 第一計画期間(平成22(2010)年度から平成26(2014)年度まで)の電気の排出係数は0.382トン毎千キロワット時ですが、第二計画期間との比較を容易にするため、第一計画期間のCO2排出量は、第二計画期間の電気の排出係数(0.489トン毎千キロワット時)で再算定した値
 注2 CO2排出量は、各年度の制度対象事業所のうち、規模縮小等により制度対象外となる事業所のCO2排出量を除外等した値

A6 対象は、制度開始(平成22(2010)年4月1日)時点で制度対象である事業所です。
 対象事業所数等は、次のとおりです。
  産業 業務
 対象事業所数 184 1,170
 基準排出量
 (万トン) 337 1,313
 注 第一計画期間(平成22(2010)年度から平成26(2014)年度まで)の電気の排出係数は0.382トン毎千キロワット時ですが、第二計画期間との比較を容易にするため、第一計画期間のCO2排出量は、第二計画期間の電気の排出係数(0.489トン毎千キロワット時)で再算定した値

A7 対象事業所数等は、次のとおりです。
  産業 業務
 対象事業所数 153 1,071
 総CO2排出量
 (万トン) 202 1,012
 注 対象事業所数は、平成28(2016)年度の制度対象事業所のうち、規模縮小等により制度対象外となる事業所を除外等した値

A8 第一計画期間の削減義務率は、平成32(2020)年のCO2削減目標達成の観点から、平成32(2020)年における大規模事業所の目標排出量を算定した上で、最初の5年間はその後の大幅削減に向けた始動期と位置付け、これに基づく義務率8パーセントを算定しました。
 削減余地については、旧制度で蓄積していたデータなどに基づく検討を行い、運用対策の徹底に加え、照明や空調の高効率化など、現在利用可能な技術を十二分に活用することで、必要な削減量がおおむね達成できるものと試算しました。

A9 第二計画期間の削減義務率は、平成32(2020)年のCO2削減目標達成の観点から、平成32(2020)年における大規模事業所の目標排出量を算定した上で、第一計画期間に続く5年間について、より大幅な削減を定着・転換する期間として、17パーセントという見通しを第一計画期間の開始前に示しました。
 東日本大震災による節電後の状況を踏まえて、対象事業所の今後の削減余地について検討を行い、実施可能な一般的な省エネ対策によって、必要な削減量がおおむね達成できるものと試算しました。

A10 第三計画期間の削減義務率は、平成42(2030)年のCO2削減目標達成の観点から、平成42(2030)年における大規模事業所の目標排出量からバックキャスティングにより27パーセントと算定しました。
 また、事業所の省エネ余地などを分析するとともに、低炭素電力選択の仕組みを拡充することも検討しています。
 パブリックコメントでは、第二計画期間より10ポイント高い27パーセントで提示しました。

以 上

 

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