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質問・条例提案

2018.06.27

2018年第2回定例会に提出した文書質問

2018年第二回都議会定例会
文書質問趣意書
提出者 里吉ゆみ

質問事項
一 医療的ケア児の通学保障について

一 医療的ケア児の通学保障について

 医療的ケアが必要な子どもたちの通学保障について伺います。現在、都教育委員会では、医療的ケアを理由にスクールバスに乗車できなかった子どもを対象に、専用通学車両の運行を準備しています。

Q1 そこで伺いますが、現在何人のお子さんが専用通学車両の利用を希望しているのでしょうか。

 9月からの運行を予定していると聞いていますが、車両と同乗する看護師の確保が間に合うかどうか、関係者や保護者の皆さんも心配しています。特に看護師の確保について、学校現場でも大変苦労していると伺っています。

Q2 都教育委員会としても、看護師の確保を進めるべきだと思いますが、現在どのような取り組みを行っているのか伺います。

Q3 専用通学車両は、医療的ケアを必要とする子どもの中でも、スクールバスへの乗車以外に現在何らかの方法で通学している子どもが対象となっています。今後、通学手段がないためにやむを得ず訪問教育を受けている子どもも対象にすべきだと思いますが、今後の予定はどのようになっているのか伺います。

Q4 現在都立特別支援学校全体で、登下校も授業中も保護者が付き添っているのは、何人いますか。その中には安定すれば授業中の付き添いがいらなくなる子どももいると思いますが、人工呼吸器対応のため、付き添いが必要な子どもはどれくらいいるのか合わせて伺います。
 2016年に行った医療的ケアを必要とする幼児児童生徒の学校生活及び登下校における保護者等の付き添いに関する実態調査を示した、文部科学省の2017年4月7日付けの事務連絡によると、保護者が学校に付き添っている理由で最も多いのが「人工呼吸器の管理」でした。それぞれの教育委員会の判断で、一律に人工呼吸器の管理を保護者対応とし、学校に配置している看護師が対応していないとしている場合があるが、「文部科学省としては、人工呼吸器の管理を含めた特定行為以外の医行為について、個々の児童生徒等の状態に応じてその安全性を考慮しながら、対応可能性を検討することと従前から通知しているところであり、教育委員会においては、個別に対応可能性を検討すること。」としています。

Q5 都教育委員会では、人工呼吸器の管理について2年間のモデル事業を実施していますが、モデル事業の終了まで待つのではなく、順次個別に対応可能性を検討するべきです。都教委の見解を求めます。
 人工呼吸器の子どもも含めて医療的ケアの必要な子どもも学校に通って授業等の教育を受ける権利を保障するためには、看護師の確保とともに看護師の研修や教員なども増やすことが求められています。必要な体制を整備することを強く求めます。

Q6 同事務連絡には、国の特別支援教育就学奨励費(負担金・補助金・交付金)の対象となる範囲について、安全性等の観点からスクールバスや公共交通機関が利用できない場合など、都道府県、市町村または校長が適当と判断した場合には、通学に要する交通費(本人経費)においてタクシーや介護タクシーの利用料金を対象にすることが可能である、とされています。この対象として、今後も保護者の付き添いで登下校する子どもや訪問教育の子どものスクーリングや授業の一環として行われる移動教室や職業訓練なども含まれると思いますが、見解を伺います。

里吉ゆみ議員の文書質問に対する答弁書

一 医療的ケア児の通学保障について

A1 都立肢体不自由特別支援学校に在籍する通学籍の児童・生徒のうち、医療的ケアが必要なためスクールバスでの通学対象となっていない者を対象に、都教育委員会で平成30年5月に意向調査を行った結果、専用通学車両の利用希望者は174人です。

A2 専用通学車両に乗車する看護師の確保を進めるため、都教育委員会は、募集のチラシの作成・配布や、新聞折込広告の配布、就職相談会への出展、関係団体への協力依頼などを行っています。

A3 専用通学車両の導入により、本人の体調や健康状態の事情ではなく学校への通学手段の確保が困難なために、やむを得ず訪問教育の対象となっていた児童・生徒は、医療的判断等により通学車両への乗車が困難とされた場合以外は、通学できるようになります。

A4 都教育委員会で平成30年6月に調査を行った結果、都立特別支援学校において、医療的ケア実施のために保護者が登下校及び授業中のいずれも付き添っている児童・生徒は27人です。
 このうち、人工呼吸器の管理のために保護者が付き添っている児童・生徒は14人です。

A5 都教育委員会は、都立特別支援学校において、医師、保護者、学校の連携の下、安全の確保を第一に、人工呼吸器の管理を適切に実施するための校内体制や実施方法等を検討することを目的として、平成30年度から2年間のモデル事業を実施しています。
 本事業での検討を踏まえた上で、全ての都立特別支援学校において安全かつ適切に人工呼吸器の管理を実施するための条件や留意点等をまとめることとしています。

A6 文部科学省から発出された「公立特別支援学校に在籍する医療的ケアを必要とする幼児児童生徒の学校生活及び登下校における保護者等の付添いに関する実態調査(平成29年4月7日付事務連絡)」を踏まえ、都教育委員会は、平成30年度から、訪問学級在籍生のスクーリングに係る交通費を含め授業の一環として行われる移動教室や職業訓練にタクシーや介護タクシーを利用する場合についても、一定の条件の下、就学奨励事業の対象としました。
 また、保護者の付添いが必要な児童・生徒の登下校については、専用通学車両の運行を準備しています。

以 上

 

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